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紅茶畑はつづくよどこまでも| アーユーボーワン!光輝く島、スリランカ #4

「アーユーボーワン!光輝く島、スリランカ」では、スリランカのお国柄ー文化や習慣、観光などのスリランカ情報を自称・広報大使サライラサイがお届けします。

今日はスリランカカレーを離れて、紅茶のお話。

気候の差が、味わいに個性を

「スリランカ」と聞いて、真っ先にイメージされるものといえばセイロンティーではないでしょうか。セイロンはスリランカの旧称で、スリランカで産出される紅茶の総称をセイロンティーと呼びます。

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生産量は世界第3位、輸出量は世界第1位を誇る紅茶大国。世界の紅茶の1割が、小さい国土のスリランカで生産されています。その理由はおいしい水と空気、気候と良質な茶葉を育てる条件が揃っているから。

とりわけ気候。実はスリランカ、熱帯の印象が強い国ですが標高の差が大きく同じ島とは思えないくらいエリアで気温差が激しい。
そして、この標高差による気候の違いが産地ごとの茶葉に風味の差をつけ、個性豊かなセイロンティーを生む原点となっています。

五大産地をおさえましょう

セイロンティーの産地は、島の南部にそびえるビドゥルタラガラ山を中心に広がる高原地帯。

ウバディンブラキャンディヌワラエリヤルフナが五大産地で「Five Kinds Tea」と称されます。ウバはインドのダージリン、中国のキーモンと並んで、世界三大銘茶として名を馳せています。

これら産地は標高の差により以下の3つに分類され、一般的には高地ほど風味や渋味が強くなると言われています。
セイロンティーを飲む時、豆知識として披露すると「ほーっ」と感心してもらえるネタですよ。

High Grown Tea ハイ・グロウン・ティー
標高約1,300m以上の産地
ウバ (Uva)・ディンブラ (Dimbula) ・ヌワラ・エリヤ (Nuwara Elliya)
バラのような香りと爽やかさ、渋みの強さが特徴

Medium Grown Tea ミディアム・グロウン・ティー
標高約670~1,300mの産地
キャンディー (Kandy)
芳しい香りとやや渋めの味が特徴

Low Grown Tea ロウ・グロウン・ティー
標高約670m以下の産地
ルフナ (Ruhuna)
濃厚な味わいが特徴。香りはあまりなく、チャイ用に人気が高い

行けども行けども、紅茶畑

五大産地の中で、最も有名なのはヌワラエリヤ。知らずに訪れると「ここは南国のはずでは?」とびっくりするくらい寒い。特に12月、1月はカーディガンやセーターが必要になるほどです。

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つづら折りの山道を走っても走っても、行けども行けども紅茶畑が広がります。
途中、斜面に貼りつくように茶摘みをする女性たちの姿が目に飛び込んできます。

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識別力、器用さ、根気を要する茶摘みの仕事。当地では主に女性がこの仕事の担い手です。

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一芯二葉もしくは三葉の、先端の柔らかい葉っぱだけをそっと摘みます。ベテランになると1日20キロもの葉を収穫するとか。

観光にもおすすめ

ヌワラエリヤはイギリス植民地時代に栄えた街。コロニアル調の建物が残り、スリランカでもめずらしく西欧風の異国情緒が味わえ観光にもおすすめ。

有名な紅茶工場や茶畑の中にある素敵なホテルもあり、民族衣装を来て茶摘みを体験したり、茶畑を眺めながら優雅なアフターヌーンティーを楽しむことができます。

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また、ヒンズー教徒やイスラム教徒が多いエリアでもあり、食文化もシンハラ民族のものとは異なるタミル風(ヒンズー教徒)のスリランカカレーやムスリム料理(イスラム教徒)を堪能できます。行かれる際はぜひ滞在して、産直の紅茶や独特の食文化を楽しんでいただきたいです。

おいしい紅茶ははどこで買える

とはいえ、ヌワラエリヤもけっしてアクセスの良い場所ではないので「短い滞在期間で、産地まで足を運べない」という方もいらっしゃるでしょう。

そんな方もご安心を。スーパーに行けばたくさんの種類が並んでいます。
少々嵩張るのとスーツケースの中で箱が押しつぶされる心配はありますが、老若男女どなたにプレゼントしても喜ばれるのでお土産にも最適です。

選ぶときは、このマークを目印に。
スリランカ政府の紅茶の専門機関、セイロンティーボード(Sri Lanka Tea Board)の品質管理基準を満たした紅茶です。

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メーカーは多数ありますが、わたしのおすすめは「Mlesna ムレスナ」。主要都市には品揃えが豊富な直営店もあるので、見つけたらぜひお立ち寄りを。

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いろいろな産地のものがあって、味比べするのも楽しい。パッケージも可愛らしく、女性ウケもいいです。便利なティーパックタイプの種類も豊富です。

さてさて。明日からまた仕事。
今日はこの辺でひと休み、お茶にしましょ。


スリランンカンは「キリテ(ミルクティー)」が大好き。こちらもぜひ。


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