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決断疲れをさせないために心掛けていること

こんにちは、Sarahです。

大手住宅メーカー勤務の
インテリアコーディネーターです。

住空間を通して
人を幸せにすることが
インテリアコーディネーターの責務です。

インテリアに興味があり、
自宅を自らの手でおしゃれにしたいと思う方に
手に入れておくと役にたつ基本的なセオリー(理論)をご紹介します。

インテリアの打ち合わせは、お客様に会う前から
準備が始まります。
プランと予算が決まった段階で、担当する家の
情報と図面が手元に届きます。
紙での出力は出来るだけ控えているため、
全てモバイルで管理します。

一番最初に見るのが、お客様情報です。
年齢、職業、家族構成などの基本情報から始まり、
新居への要望などを細かく見ていきます。
次に引き継がれた図面一式をチェックします。
一通り見終わった後、担当者が集まり、
引継ぎミーティングをします。
図面や要望シートでは読みとれなかったことを聞き、
疑問に思ったことなどは、1つ1つ解決します。

このプロセスを私は大切にしています。

その後、インテリアのコンセプトをたてます。
膨大なサンプルの中から、お客様の要望に
合うものをいくつか用意します。
例えば、事前情報で、西海岸インテリアにしたいと
聞いた場合は、アンティーク仕上げを施した
床や壁に使う木材をカタログで選び、サンプルを
取り寄せておきます。

外壁のデザインから始まり、トイレの紙巻器まで、
家にまつわるすべての商品を選び、決定していくのが、インテリアコーディネートです。
そのプロセスの中には、数々の決断の場面が
あります。

インテリアの打ち合わせは、家づくりの一部です。
私の段階に至るまで、お客様はたくさんの場面で
難しい選択を迫られ、都度決断を求められています。
インテリアの打ち合わせは、一番楽しみだったと
言いながらも、そろそろ決断することに疲れている
頃かもしれません。

私は、インテリアの打ち合わせの場面で、
お客様に決断疲れをさせないための準備を
心掛けています。

引き継がれた情報をもとに
インテリアのベースとなる軸(スタイル)を作ります。
多少のことではぶれない軸を作ることで、
後の作業がぐっと楽になります。

次に一番大きな面積を占める床、壁、天井を
2もしくは3パターン考えます。
次に扉やキッチンセットの面材。
またカーテンなども一緒に考えていきます。
作成した軸(スタイル)からぶれることのないように
1つ1つを考えていきます。
選択肢を3パターンまでに絞るのは、比較検討や
取捨選択がしやすいボリュームだからです。

時折、提案書は1種類で良いので、プロの提案を
希望したいと話すお客様や、逆にすべてのサンプル
を見て自分で決めたいと言う方もいます。

この場合、難しいのは前者です。

自分で選び取った記憶が明確にあれば、
完成したものに対する満足度は高くなります。
二者択一すら必要がない、ベストの1案だけを
希望する方は、選ぶこと、決断することで生じる
負担をできる限りなくしたいと感じているようです。

その場合は前述の担当者ミーティングで、
さらに深く、詳細にお客様の情報を聞き取ります。
現在住んでいる自宅の内装写真をもらうことも
あります。撮影用にきれいに片付いた部屋ではなく
リアルな現実の写真を見せていただきます。

ベストな提案とは、
住宅雑誌などで紹介されている、
小物1つまでこだわりを持って選ばれた
隙のないインテリアではなく、お客様自身に
寄り添う提案です。

信頼して、すべてお任せします。と言われるのは
とても嬉しく、コーディネーター冥利に尽きます。
ただ、お客様には一緒に考え、話し合い、悩み、
答えを出していただきたいとも思います。

何事でもそうだと思いますが、
特に家ぐらいのスケールの買い物では、
決断疲れは否めません。

できる限り、打ち合わせそのものが負担にならない
ように、選択肢を絞り、それぞれのメリットと
デメリットをきちんとお話し、判断をいただきます。

ご自身の判断で決めた家は、最上の心地良さを
約束してくれると思います。

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