見出し画像

美術館と向き合う新たな視線 ミナ ペルホネン 皆川明 つづく

8月2日、NHKで放送された日曜美術館で
『ミナ ペルホネン/皆川 明 つづく』を見ました。
番組は2020年1月5日に放送されたものの再放送です。

ミナ ペルホネンを知ったのは、銀座蔦屋で偶然目にとまった皆川明の本『つづく』でした。黒地に白い円が描かれた表紙に惹かれ、内容を知らないまま手に取りました.。

この本を手にするまで、皆川明もミナペルホネンも私には、馴染みのない固有名詞でした。
『つづく』を読み進めていくうちに、皆川明のデザインに対する強い思いや姿勢に引きつけられ、皆川明の本をもっと読みたいと思いました。

偶然にも日曜美術館を見たのは、その直後でした。番組の中で、表紙に描かれていた柄は、タンバリンという名前を持ち、皆川明の代表作の一つだと説明されていました。また、丸い模様は刺繍であることや、小さい円の一つ一つは、ふくらみや大きさが違うことも知りました。
「不揃いが同じようにしている、その加減が好きだ」と皆川さん。きちんと整っていない方がより自然だからとの発想、不均一の自然が表現されています。

『ミナ ペルホネン/皆川 明 つづく』展は、
東京現代美術館で2019年11月〜2020年2月16日まで開催されていました。
展覧会名の『つづく』には、継続や未来へのビジョン、ブランドを支える多様な人々との繋がり、そして発展などいくつもの意味が織り重ねられています。
そのネーミングセンスが、テキスタイルデザイナーでもある皆川明らしいと思いました。

残念ながら、展覧会は終わってしまったため、会場に出向くことはできません。

銀座蔦屋からの帰り道、立ち寄った松屋銀座のショップで偶然見つけた展覧会のリーフレット。

『つづく』展は今、兵庫県立美術館で開催されています。会期もリーフレットとは異なり、11月8日まで延長されています。一度も買い物をしたことがないセレクトショップにも関わらず、丁寧に展示会やミナ ヘルポネンについて説明をしてもらいました。

兵庫県立美術館には、何度か訪れたことがあります。
建築家安藤忠雄が設計した建物が目的だったため、企画展を見たことはありませんでした。コロナ禍の今、美術館に出かけることは、以前ほど簡単ではありません。

そんな中、日曜美術館というTV番組の中で、今回の企画展を見ることができました。もちろん、カメラを通して切り取られた展覧会です。
自分が惹かれたものだけを見る、いつものスタイルとは違い、要点を押さえながら、丁寧に作品と向き合い、より深く作品一つ一つの背景を知ることができました。

オンライン鑑賞も案外、悪くないと思います。

もちろん美術館に出かける目的の一つでもある、空間が纏う独特の空気感に包まれ、自分の中に取り込まれていく感覚を得ることはできませんが…

ただ、コロナ禍の今、美術館と向き合う新たな視線を持つことも大切だと感じました。

代官山蔦屋で平積みされていた雑誌Casa BRUTUS

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?