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【読書】錦繍(宮本 輝)

一番最初の記事投稿!

何にしようか悩みに悩んで、

まずは

『錦繍』から。


わたしとこの本との出会いは、

確か、高校生のときでした。


読書にハマっていたわたしは、仲の良い読書好きの友達と

好きな本を交換し合っては、読んでいました。


友達に教えてもらったたくさんの本のうち、

なぜだか今でも印象に残っている本がこの本です。


『錦繍』は

往復書簡体(すべて手紙のやりとり)で

書かれている珍しい恋愛小説です。


長い手紙で書かれている

夏目漱石の『こころ』と少し似ているかもしれません。


昔、夫婦だった二人が、

山形蔵王で偶然の再会を果たし、

そこから手紙のやりとりがはじまり、

お互いがお互いの記憶をたぐり寄せて懐古する…


愛とはなにか?

家族とはなにか?

高校生だった当時の未熟な自分には(そして今でも。。)

あまりにも壮大なテーマだったように思います(笑)


ただ、

自分が当時この本をはじめて読んだとき

宮本輝さんの紡ぎ出す美しい言葉の数々に引き込まれたこと、

物語に出てくるひとびとのあらゆる感情や

その人たちが見ている情景がみえたり

感じているだろう空気を自分も感じ取れた瞬間の

心の震えを今でも覚えています。


愛とは何か、もちろん年を重ねた今もその答えはありませんが、

誰かが表現する世界観に

最も深くハマりこんだ最初の経験だったように思います。


10年以上前の過去の自分の言葉、行動、ときには過ち、

その当時抱えていた、ひとことでは表現しきれない複雑な感情を

手紙でしたためる。

実際にはありえないことかもしれない。

でも、そんな非日常な状況から、

こんなにリアルな物語が創りだせることに感動したのかもしれません。


他にもたっくさん好きな恋愛小説はあるのですが、、

特に大好きな一冊です!


どちらかというと少し重めの恋愛小説ですが、

気になる方は、

ぜひ読んでみてくださいね!

Sarah