【告知】シン・フェイン文学スピンオフ上映企画by異端審問: フィルム=ノワール研究所
『沈黙のテロリスト』上映研究会 by 異端審問: フィルム＝ノワール研究所（担当・山本桜子）
◉上映作品◉
『沈黙のテロリスト』Ticker 2001年/100分/アメリカ/製作Nu Image＋Emett・Furla Films＋Steamroller Productions＋Kings Road Entertainment＋Moonstone Entertainment, 配給Artisan Entertainment
監督:アルバート・ピュン
概要
過去3回の上映研究は主宰の吉岡が担当しました。今回は見習い格の山本が担当します。取り上げる作品はデニス・ホッパー（1936-2010）扮する元IRA爆弾魔が登場する『沈黙のテロリスト』（2001, DVD邦題『ティッカー』）です。
山本はここ1年、アイルランド/北アイルランドの反英闘争活動家ジェリー・アダムズ（1948-, シン・フェイン党元党首）の書いた短編小説の紹介を『情況』誌に連載してきました。山本に『沈黙のテロリスト』を示した吉岡は、この映画を通してアイルランド/北アイルランド史とIRAの活動に関する「解説」を求めました。
アイルランドにおける英国の統治への抵抗運動に始まり、20世紀を通して活動を続けた準軍事組織IRA（アイリッシュ・リパブリカン・アーミー）は、映像作品においてさまざまな扱い方をされてきました。おそらく現実とかけ離れたものをも含むその位置付けは、英愛関係の推移や国際的な状況の変容に伴うIRAの変遷にも影響され、物語の時代設定によっても多種多様です。極東にあって馴染みの稀薄なアイルランド/北アイルランド問題の歴史と構造を理解する手がかりとして作品の中のIRAを追うことも可能（な場合もある）でしょう。
ところで『沈黙のテロリスト』はなんというかほぼ爆発です。これを示してアイルランド史を「解説」するのは無茶でしょう。加えて本作品は古今東西、好ましい「評価」をほとんど受けていません。
しかし我々は強引に「評価」と「解説」を試みたいと思います。議会路線から国際運動、爆弾闘争に至るまでアイルランド/北アイルランドの反英闘争を貫くのは、問題を「なかったことにされてたまるか」という強い要求です。なかったことにされたくなかったであろう何らかに、たとえ遠隔操作であろうとも及ばずながら適宜応答を試みるのは生きている者の責務です。
9.11の影響でアメリカでは劇場公開が見送られた本作品、どこかしらやけっぱち感を漂わせる本作品には、アイルランド/北アイルランドの反英闘争にも通底する何かがあるかもしれません。まずは爆発と、デニス・ホッパーの朗らかな笑顔をご覧ください。
『情況』拙稿へのご批判・質問等がおありのかたも会場へお運びいただけたら幸いです。
『沈黙のテロリスト』作品情報
『沈黙のテロリスト』Ticker
2001/アメリカ/100min/Color/1.85:1/製作Nu Image＋Emett・Furla Films＋Steamroller Productions＋Kings Road Entertainment＋Moonstone Entertainment, 配給Artisan Entertainment
スタッフ・キャスト ※()内はその他の作品
■製作総指揮
・アヴィ・ラーナー(『ギャングスターズ／野獣死すとき』,『ブラック・ダリア』,『エクスペンダブルズ』シリーズ,『ランボー』新シリーズ,『エンド・オブ・ホワイトハウス』)
・ダニー・ディムボート(同上)
・トレヴァー・ショート(同上),『バッド・ルーテナント』
・ダニー・ラーナー(同上)
・ボアズ・デヴィッドソン(同上),『バッド・ルーテナント』
・デヴィッド・デイドン『新レッドブル』,『爆進！プロレス野郎／アメリカン・ヒーローズ』
■製作
・ポール・ローゼンブラム(『ネメシス』シリーズ『ブラスト／沈黙のテロリスト』[製作総指揮],『アンド・ジャスティス』[製作総指揮],『ブロンクス・バーニング』[製作総指揮]『The Wrecking Crew 破壊部隊』[製作総指揮]
・ケン・アグアド(『ソルトン・シー』)
・ランダル・エメット(『ギャング・オブ・ジャマイカ』,『大脱出』シリーズ『アイリッシュマン』)
・ジョージ・ファーラ(『ギャング・オブ・ジャマイカ』『大脱出』シリーズ)
■監督
・アルバート・ピュン(『ハイスクール殺戮クラブ』,『サイボーグ』,『キャプテン・アメリカ／帝国の野望』,『ネメシス』シリーズ,『ブラスト／沈黙のテロリスト』,『アンド・ジャスティス』,『ブロンクス・バーニング』『The Wrecking Crew －破壊部隊－』)
■脚本
・ポール・B・マーゴリス(『ジキル博士の記憶』)
■撮影
・フィリップ・アラン・ウォーターズ(『サイボーグ』,『キャプテン・アメリカ／帝国の野望』,『アンド・ジャスティス』,『ブロンクス・バーニング』,『The Wrecking Crew －破壊部隊－』)
■編集
・カリ・コフリン(『ノンストップ・クレイジー／大迷惑な人々』,『アトミック・ブレイク』)
・ケン・モリッシー(『オーバー・ザ・トップ』,『ターナー＆フーチ／すてきな相棒』,『ネメシス』シリーズ)
■音楽
・トニー・リパレッティ(『軍事機密』,『パトリオット 抹殺者』)
■出演
・スティーヴン・セガール、トム・サイズモア、デニス・ホッパー、ジェイミー・プレスリー、NAS、チリ（TLC）、アイス-T、ピーター・グリーン、ケヴィン・ゲージ
既存の評価
□ 全世界待望のスーパーアクションが炸裂する！！！
2年間の沈黙を破りあの男が帰ってきた。世界最強の俳優スティーヴン・セガール。“沈黙シリーズ”で全世界に対して強烈な個性と強さをアピールしたセガール。彼のアクションのルーツは日本にある。17歳で日本に渡り、10年以上も合気道と剣道の修行を積み、前者は道場を持つまでの腕前。自ら日本を第二の母国と宣言！ちなみに彼はこのキャリアを買われ、一時期CIAの仕事もしていたというスペシャルな過去を持つ。
そんな彼の最新作が、なんと世界に先駆け日本で公開される事になった。今回の役柄は爆発物処理のスペシャリスト。いつでも冷静沈着、常に極限の状態で爆弾の処理にあたる。沈黙シリーズで見せたアクションにプラス、迫り来るタイムリミットが待つ緊張感で見ている人間の心は最高潮に！
しかも彼の相手役に選ばれたのは、役者として全世界で確固たる名声を築いているデニス・ホッパー。アカデミーを受賞した『イージー・ライダー』が代表作だが、キアヌ・リーヴスと共演したヤン・デ・ボン監督作『スピード』でアクション映画の存在感も実証済み。年々その演技に円熟味を増している彼が演じるのは、世界中で指名手配になっている元IRA、伝説の爆弾魔だ。彼の作る爆弾装置は、まさに芸術とも言える完璧な破壊をもたらす。
「最強の爆発物処理のスペシャリストVS最狂のテロリスト」。サンフランシスコを巻き込んだ無差別テロの行方はいかに？
この夏話題のセガールアクションが、日本において全世界初出しでそのヴェールを脱ぐ。
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イベント情報
◉主催◉
異端審問:フィルム＝ノワール研究所（吉岡雅樹［日本映画大学・瀆神］、山本桜子［ファシスト党〈我々団〉］）
https://twitter.com/itanshinmon_
◉日程◉
2020年7月26日(日) 18:00-22:00
18:00 開場
18:30 上映『沈黙のテロリスト』（100分）
20:30 基調報告&解説&自由討議「『アイルランド的』映画とは何か」
22:00 閉場
◉会場◉
BAKENEKOBOOKsふるほんどらねこ堂(犬派の君には狂狷舎)
1600004東京都新宿区四谷4-28-7吉岡ビル7F 珈琲と本 あひる社 絵本の国支部
最寄駅: 四谷三丁目駅[丸ノ内線]~徒歩7分/新宿御苑前駅[丸ノ内線]~徒歩6分/新宿駅[JR]~徒歩19分
◉協力◉
あひる社
※今回は一本のみの上映とし、討議に注力します
※どなたでも参加可能です
※資料代のみ頂戴いたします
（初出: 異端審問: フィルム=ノワール研究所FB 2020.7.14）
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