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災害時の防犯・防災・救護から平時にできることを考える(3月よる会)

市民活動サポートセンターのあんbeです。

年度末が差し迫ってまいりました。
残務整理から次年度に向けた準備等、皆さんご多忙のことと思います。

令和4年度はいかがだったでしょうか。
私は昨年度に比べて各団体さんとより深い関わりができた1年だったように感じます。
とは言え、赴任当初から上司からはどんどん外に出て、法人さんの活動を目で見て体験してきていいよ~なんて言われてたのに、仲が深まってないのに急に行くのも気を遣わせるかなとか、事務作業に追われたりだとか、言い訳・尻込みしているうちに2年目が終わろうとしています。

こう見えて?遠慮しぃなので?、イベントのチラシを送ってもらえたり、直接誘ってくれたりすると、嬉しいです。3年目のあんbeはホイホイ行っちゃうかもです。

テーマ

さて、昨日は今年度最後のよる会を開催しました。
会場2名、オンライン8名、職員3名、計13名の参加。
皆さんご参加ありがとうございました!

今回はNPO法人K-9TPG(トライデント・プロテクション・グループ)の林理事長から、災害時の防犯について、お話をいただきました。

K-9TPGは『防犯』『防災』『救護』を三つの柱として、地域住民が安心して暮らすことのできる社会づくりに向けた活動を行っている、設立3年目の法人です。
市内各所に赴き、防犯パトロールや防犯・救護セミナー等を開催しています。
近頃の活動では身近な物を使ったテント作成や、小学生向けに開発された防犯セミナーをはじめとし、素人でも防犯という社会課題に取っ掛かりやすいよう噛み砕いてその知見の普及・啓発に努めていらっしゃるようです。
また、SWATのようなユニフォームを着て、警戒犬として訓練されたシェパードを連れている凛々しい姿がとても印象的な団体さんです。

K-9とは、犬科の動物を意味するcanineの当て字で、アメリカでの警察犬の呼称で、
トライデントは上記三つの柱を三又の鉾にイメージして名付けられたそうです。
名前がオサレですね!

災害時は犯罪が減る?

冒頭から意外なデータが示されました。

なんと災害時には犯罪認知件数が下がるそうです。
直感と違いますよね。
林理事長もこの事実に違和感を感じ、実際に被災地支援に携わる方々にアンケートを取ってみたとのこと。

そうすると、やはり支援している中で空き巣や詐欺、強姦等、様々な犯罪を見聞きしているよう。地域によっては密漁なんてものもあるみたいです。

実際のところの数字がどうなのかは分かりませんが、事実として、
・「犯罪件数」と「犯罪認知件数」は違うこと
・一時的に警察や行政の社会保障(治安維持やインフラ)機能が麻痺すること
を考えると、犯罪は増えているけど、認知されていない、又は被害者が泣き寝入りしていると考えるのが自然だろうと思います。

平時からできることを考えてみる

犯罪を取り締まるのではなく、犯罪を未然に防止するアプローチが重要ではないかという方向性で話は進みました。
これを「犯罪機会論」というそうです。

参加者からは次のような意見がありました。
・誰でもできる防犯が必要
・攻めのディフェンスが必要
・日常で非日常はイメージしづらいため、日常に溶け込ませるような工夫が必要
・子どもが学べば大人も学べる
・日頃からのコミュニケーション(声掛け、支え合い)、物理的に近しい人との繋がりが必要
・訓練や啓発活動がコミュニティ形成に繋がる
・防犯や防災は人間のネガティブな部分と密接なので、子どもに伝える際には言葉選びに配慮が必要
・一方で、ネガティブな部分を隠すことで本質が伝わらない可能性がある

地域コミュニティの維持、活性化が課題に感じますね。

また、K-9TPGは先日防犯に関するイベントを開いたそうです。
子ども向けに不審者に出くわした時の対応について実践している動画を拝見しました。

まず大声を出して、防犯ベルを鳴らして、ランドセルを捨てて走る!
子ども達は楽しそうに防犯について学んでいました。
シンプルですが、いざとなると、ランドセルを捨てたほうが速く走れるなんて思いつかないかもしれませんね。

わかりやすさと専門性はトレードオフだと思っていましたが、
子ども相手に細かい理論まで教える必要なく、シンプルな動作の中に専門的な知識を秘めて教えており、とても実用的なイベントだと思いました!

他にも、お集まりの皆さんにはそれぞれ思案があるようでしたが、一つ一つ語るとキリがないので、その一端に触れたい方は是非よる会にご参加ください。
皆さん知恵を出し惜しみしないと思いますので。(笑)

まとめ・感想

地域コミュニティは防犯、防災にとどまらず、地域の孤独・孤立の防止にも繋がるなど、とても重要だと思います。
希薄化していると言われる現代でこそ、その必要性が再認識されているのではないでしょうか。

行政としても、そこにテコ入れすべく、アレコレと施策を打っていますが、現状はなかなか厳しいようです。

災害や犯罪、様々な社会課題に強靭(打たれ強く、被害が小さく、治りが早い状態)であるためには、ある程度のバッファー(余裕)を残しておく必要があります。
一方で、平時にはバッファーのことを「無駄」と呼びます。

全ての無駄が良いとは言いませんが、効率的であることが必ずしも正義ではないことを、私は昨日の議論で考えふけっていました。

DX化も良いけど、人の心までデジタル、1か0かにならないよう、その間のバランス感覚みたいなものを大事にしたいな、と抽象的な結論で今日は終わりたいと思います。

では。

あんbe


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