東進の次年度継続条件

東進スーパーエリートコース、週末に継続条件に関するWeb説明会がありました。11月末に学年が切り替わるはずなのにずっと更新できなかったのは、本部の策定する新基準待ちだったからなのね。今年の学年切り替わりは12月末に伸び、履修期限も延長されました。いい加減な企業だなw

昨年の説明会では突然の締め月変更に始まり、ノルマ大量追加、点数基準厳格化、英検一級が目標として掲げられる等、見切り発車だったスーパーエリート制度の悪い面が露見して基準がインフレしまくるひどい内容でした。今年の説明会は一転して緩和的な内容。昨年の説明会後アンケートで上記エントリーのような批判をオブラートに包んで投げた甲斐がありました。


以下、主な変更点を中心に書いていきます。

①特待期間は"六年間"に延長

制度開始時は中学生の三年間限定、昨年からは(通常の数学特待と同じ)高校一年秋までだった終了時期が高校三年までに延長されました。なんと六年契約です。薔薇色のオフ。生涯、東進(しかも無課金)

(画像はイメージです)

既存の(公開模試等の成績で認定される通常の)数学特待とスーパーエリートとの違いは特待期間・ライブ授業ぐらいでしたが、この改訂で差が大きく開くことになりました。2023年入試で指定18校に進学することになった御家庭はダメ元でも選抜試験受けた方がいいです。100万円単位で浮きます。一部で話題のワセアカ負担の灘遠征ツアーとは恩恵の桁が違います。

(灘ツアーをはじめとした「特待」を「下位クラスが搾取されている」と嫌悪する風潮が一部にはあるようですが、アレは広告宣伝費の一種、芸能人の代わりに生徒を起用したCMなんですよ。選抜基準も点数だけで決めてるんだから極めて公平。「彼はロイヤルな家系だから推薦合格!」とかやるよりも全然健全でしょう。)


②コマ数基準に"累計"追加

▪️中一:単年度132コマ
▪️中二:単年度100コマ or 累計232コマ
▪️中三:単年度100コマ or 累計332コマ

累計基準が追加されました。最大の改善点はこちらでしょう。これで「年度目標を達成した意欲がある子も次年度を見据えて進捗にブレーキかけることが最適行動」という矛盾した足枷が解消することになりました。早く進めれば進めただけ次年度以降が楽になる、とても健全になったね。

※中一の単年132コマは下記を達成すれば足ります。
▫️中高一貫講座 ハイレベル代数 (48コマ)
▫️中高一貫講座 ハイレベル幾何 (48コマ)
▫️高等学校対応 数学1A 標準 (36コマ)

※中二は下記を消化すれば累計236コマになるので4コマ余ります。
▫️高等学校対応 数学2B (38コマ)
▫️高等学校対応 数学3C (26コマ)
▫️共通テスト対策 数学1A (20コマ)
▫️共通テスト対策 数学2B (20コマ)

※中三は下記のように組めば累計316コマ、残り16コマで目標達成。
▫️数学ぐんぐん[基本編] (20コマ)
▫️数学ぐんぐん[応用編] (20コマ)
▫️数学の真髄ー基本原理追求編ー文理共通 (40コマ)


③点数基準は"努力目標"に格下げ

進級基準 → 努力目標
▪️
中二:全統高 数学計134点以上
▪️中三:全統高 英数国計400点以上 且つ 東大模試 数学偏差値50以上
▪️高一:全統高 英数国理578点以上 且つ 東大模試 数学偏差値55以上

点数はあくまでも目標であって基準ではない、ゆえに到達していなくても継続可能という温情采配。しかも六年契約。ノルマ未達でクビになる心配をせず、六年間の長期スパンで他科目を含めた学習計画が可能になりました。いつノンテンダーで放出されるのかビクビクしながら移籍先の塾について調べる必要はもうありません。

「ハードコアに受講しろ、点数を取れ、署名しなければ解雇だ」「画期的なスーパーエリート2.0を構築するためには超ハードコアでなければならない」とされた昨年のストイックな説明会は何だったのか。

(画像はイメージだよ✨)

敢えて言えば、「達成しなくてもいい目標」だと誰も本気で目指さなくなるので、目標点数を達成すれば他科目の通期講座受講料が半額になる等のインセンティブが付けばさらによかったかな、と思います。


④その他基準

・英検は中二で三級、中三で二級に下方修正
・高校生のライブ授業は月1回テストゼミとして行う
・高一以降は東大特進(数学・英語・現代文)に接続

浮世離れしたスーパーな基準から現実的な目標に落とし込まれた今回の改訂は非常に好感が持てるものでした。制度設計も目標も毎年ころころ変わってきましたが、だいぶ完成形に近づいた印象。スーパーエリートも制度として充実してきたなと感じます。門戸が狭いのが玉に瑕だけどね。


にほんブログ村に参加しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?