東大入試、合格者数

週末のドバイ競走では日本馬が世界を席巻しましたが、日本では学歴甲子園こと東大合格者数ステークス(Jpn1)の結果が出揃ったようです。

理系トップ層の少なくない割合が国立医学部に抜ける時代に「東大」に限定したランキングを出すこと、本来は予備校の実績のはずの浪人生も高校別に含めること、合格「率」ではなく合格者「数」を競うこと(数打ちゃ当たるで特攻した高校が有利)に意味があるのかは甚だ疑問ですが、実際に週刊誌が売れてアクセス数が増えて中学受験の偏差値が動くんだから影響力は健在です。お花見と同様、日本の伝統的なイベントとして楽しめば良いのです。

さて、今年の東大入試。文系は難度調整された共通テスト分と数学が大きく易化した影響で合格最低点が前年比大幅上昇しました。理系は逆に数学・物理の難化により得点が潰れてあまり上昇せず。結果的に文系は数学弱者を落とす出題、理系は英語強者が合格しやすい出題になりました。

入試はどうしても年によって難易度にブレがあるので、どのタイプに追い風になるかは「運」次第。運に左右されたくなければ全科目得点源にしておくこと、要は苦手科目を作らないことが鉄則ですが、ここで言う「苦手」とは、河合塾の全国模試で偏差値70に届かない科目のことです。60台半ばでは劣後します。東大の受験生はそのレベルの人たちの攻防ですからね。

注目ポイントは理科二類の足切り点の異常な高さでしょうか。合格最低点も理科二類だけ大幅上昇して理科一類との格差がほぼ消滅しました。

ここ数年、AIブーム、高給が期待できるGAFA人気もあって、理科一類のハードルがジリジリ上昇、理科一類・二類スプレッドは拡大トレンドでした。今年は理科二類の合格最低点の相対的な低さが「美味しい」と見なされて志願者シフトが起こった結果、スプレッド妙味が消失、逆に大激戦となり足切りが大量発生してしまったという事象。「読み」は受験戦略の一つですが、みんなが同じ「読み」をして同じ方向に動けば勢力図は簡単に変わります。

クラスで一番可愛い子よりも三〜四番目に可愛い子の方が「自分にもチャンスありそう」に思えて告白が殺到、結果的に競争率が高くなってしまうのも同じ現象。自信がないからみたいなふわっとした理由で安易に矛先変更せず、初志貫徹して一番好きな子(第一志望)に出願しましょう。


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