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出汁がにごる原因


お出汁が好きすぎる
お出汁研究家のさぴこです。


自分で出汁を引いたとき、
出汁が濁ったこと、ありますか?

意外と多くのかたが
悩む部分かな~と。

まあでも家庭ならあまり気にせず
濁ってもいいと思うのですが、

せっかくならクリアな出汁を
引けるようになりたいですよね。


今日は、
毎日出汁を引く出汁オタクの私が
・出汁がなぜ濁るのか、

出汁が濁る原因についてお伝えします。



結論から先に言うと、


出汁が濁る原因は

鰹節です。

鰹節の劣化だったり、
脂肪分が溶け出し過ぎて
濁っちゃうんです。


なので、
おうちの出汁が濁る方は
ぜひ今日お伝えする3つ、

鰹節の種類や使い方の原因を
見直してみてください。



①古い鰹節を使っている

↑これは同じ鰹節(本枯節)なんですが、
・左は開けたて
・右は封を開けて室温で数週間放置
したもの。


見た目の色が
全然違いますよね。


鰹節ってずっと置いておくと
酸化し、質が落ちてしまうんです。

鰹節は乾物なんですが鮮度が命、ということ。


酸化した古い鰹節を使うと
出汁は濁りやすくなり、
出汁の味も悪くなります。


たとえばずっと戸棚に置いておいた
中途半端な鰹節を
出汁として使ってしまうと、

色は出るけど出汁も濁るし、
味もよく分からない味になる。
(出汁の色は黄色いのに味ないな~みたいな)


なので、
鰹節はまずキレイな色のものを買い、

封を開けたあとは冷蔵か冷凍で
きちんと保管しましょう。



②荒節を使っている

荒節が悪い、ってわけではないんですが、
でも荒節を使うと出汁は濁りやすいです。

なぜかというと、
荒節は鰹の脂肪分が多く、
その脂肪分が多いと
出汁は濁りやすいから。

まずそもそも
荒節とは何かというと、

鰹節には種類があります。

▶荒節(あらぶし)
 鰹を煮て燻した、ベーシックな鰹節

▶枯節(かれぶし)
 荒節にカビ付けして発酵させたもの


カビをつけて進化させたのが
枯節って感じですね!


なぜカビをつけるのかというと、

カビをつけることによって
カビ(微生物)が、

・たんぱく質
・脂肪分
・水分
をぱくぱく分解してくれて
鰹節の質が上がります。



具体的にいうと、

たんぱく質が分解されることによって
うま味(アミノ酸)が増す、

脂肪分が分解されることによって
出汁が濁りにくくなる、

水分が分解されることによって
魚臭さがなくなり保存性も増す、

といった感じ。


で、
鶏ガラの白湯とか分かりやすいですが、
脂肪分って出汁を濁らせるんですよ。


だから、
脂肪分がそのままの荒節のほうが
濁りやすいんですよね。


プラス、余談ですが
脂肪分が溶け出すと
味がボケます。

濁った出汁の味が、
「なんか薄い?よくわからん」
みたいになる原因も脂肪分が大きいです。


なので、
もし出汁の濁りが気になる方は
きちんと質の良い枯節を
使ってみてください。




③鰹節を浸け過ぎている

最後の原因は
出汁の引き方です。

「良い枯節を使っているのに出汁が濁る」

というかたは、
・浸ける温度が高すぎor低すぎ
・鰹節を浸け過ぎ
です。


さっきもお伝えしたように
鰹節の脂肪分は出汁を濁らせます。

なので出汁を引くときに
長く浸け過ぎたりすると、

枯節を使ったとしても
脂肪分が溶け出て濁りますし、

温度によっても
脂肪分が溶け出しやすいので
出汁が濁ります。


温度計ではかる必要はないんですが、
鰹節って温度大事なんですよね…!

このあたりは
私が作った有料の出汁講座で
細かい引き方・適切な温度をお伝えしているので
ご興味がある方はまた見てみてください。
https://sapiko-laughalot.com/lessons/contents/online_class_odashi/

キレイな出汁は
味もキリっとして本当に美味しいですよ。


というわけで、
出汁の原因3選でした。


ただ、ひとつお伝えしたいのは
出汁が濁る原因はもうひとつ、

鰹節のそもそもの製造工程にも
原因があったりします。

見た目が良くても
脂肪分の多い鰹節ってありますし、
それは私たちの目利きでも
どうにもできないので、

もし濁ったとしても
出汁を引くのを楽しみましょう!

いろ~んな鰹節を日々使って
お気に入りの鰹節を
見つけるのもオススメですよ。


出汁というのは、
「おうちで手軽に引き、
毎日の料理に活用して
美味しいごはんを楽しむためのもの」。

出汁を美味しく活用して
美味しくしあわせ満たされる暮らし、
過ごしていきましょうね。


峰村咲子


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