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余は如何にしてデジカメ信徒となりし乎


イントロダクション

 物心ついた時からフィルムカメラを使っていたfilm-native世代の私が、どのようにしてフィルム無しの写真生活に移行していったかを書いてみた。

Film時代

 2年間アルバイトして、やっと手に入れた初めての一眼レフカメラはNikonF2。すでにF3 が発売されていたが敢えてメカニカル機を選んだ。そして、このカメラが絞り、シャッタースピード、ISO感度のすべてを教えてくれた。


Nikon F2

 そして自動露出が一般的になり、ミノルタが発売したα7000のAFの衝撃は今も忘れられない。そして次に中古で手に入れたフラグシップカメラはNikon F4。AF機能はついてる程度と割り切ってMFレンズで使うのが正解。このカメラで人生で使ったフィルムのほとんどを使った気がする。どの時代のNikkorレンズも受け入れてくれる面倒の良さがこのカメラの特徴である。当時ほとんどレンズは中古で購入したが、非Ai、Ai、Ai-s、AFレンズを自動露出で使うことができた。その後、F5、F6も手に入れたがF4ほどのフィルム消費はなかった。

Nikon F4


 お小遣いに余裕が出来るとやはりLeicaウィルスに罹る。M4-2からM4、M3、M2と台数が増えていき、最後はやっぱりスクリューLeica。Ig、Ⅲg、Ⅲf、Ⅱfと増殖していくが一番使い込んだのは、セルフタイマーなしのⅢfであった。

デジカメへの一歩

 この頃からやっとレンズの交換できるデジタルカメラが何とか買える価格帯になってきた。ミラーレス一眼は、フランジバックが短くほとんどのメーカーのフィルムカメラ用レンズが使えると知ったからだ。まだまだフルサイズセンサーのカメラは買えず、マイクロフォーサーズのOLYMPUSのPM2を手に入れて使い始めた。

OLYMPUS PEN Mini2

 フィルムカメラ用レンズは、ほとんど互換がなく、使いたいレンズに合わせてカメラも購入する必要があった。Nikon Canon  京セラContax OLYMPUS Leica-R/M と様々なレンズを所有しており、デジカメで使えれば、フィルムカメラは不要になる。

マイクロフォーサーズカメラのメリット

 マクロ/マイクロレンズは、35mm換算の焦点距離が2倍になってもそう気にならずに使えるし、被写界深度が深くなるのもメリットだ。伝説のAPO-Macro-Elmarit-R 100㎜/2.8 や Macro-Elmarit-R 60㎜/2.8 が気軽に使えるようになったは嬉しかった。パナLEICA  DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.との共演、S-Planar60㎜/2.8 や Macro-Planar100㎜/2.8の撮り比べも楽しい。

「デジカメ」を「filmカメラ」ライクに使う条件1

 「filmカメラ」ライクに使う不満は、LCD画面でのピント合わせ。液晶画面でピントを合わせ写真を撮るのでは、スマホと同じ。フィルムカメラのOVFの没入感が欲しいと、PM2専用のEVFを買ったがドット数が少なく失望した。PEN-F、OM-D EM-1 Ⅲ とカメラを更新し、LCDを裏にして使えるバリアングルがfilm-nativeには最適と確信した。

「デジカメ」を「filmカメラ」ライクに使う条件2

 次の不満は、フィルムの色調・雰囲気を再現したいこと。オリンパスにもアートフィルーターがあり、様々な色調を再現できる。フィルムユーザーと言っても、私はポジフィルム(for SLIDE)の愛用者。デジカメで言うと「現像」はしない「撮って出し」派であった。フィルムシミュレーションを得意とするのは、Fujifilm。当時 Velvia  Provia ASTIA などのフィルムを常時10本以上冷蔵庫で保管していた。そのシミュレーションができるのは、渡りに船。しかし残念ながら、Fujifilm のメイン機種の液晶はチルトタイプであった。X-T4 が バリアングル液晶で登場した。これをさっそく手に入れて、フィルムシミュレーションを堪能した。また一歩フィルムカメラからの脱却に近づいていった。

FUJIFILM X-T4

「デジカメ」を「filmカメラ」ライクに使う条件3

 ここまでくると、センサーサイズがAPS-Cであることがやっぱりネック。
値上げ前のCanon RP はフルサイズセンサーとして破格の価格だった。

Canon RP


 Canonにフィルムシミュレーション機能はなく「現像」が必須条件と思われた。ところが Picture Stile 機能を使えば良いことが判明。ユーザ設定できるPicture Stile は3つでかなり物足りない。しかし、センサーサイズの問題が解決し、広角レンズを広角のまま使えることは、さらに大きな進歩だった。とは言え、300mm超の望遠撮影や拡大撮影するのにボディ内手振れ補正機能がないが最大の欠点であった。

「デジカメ」を「filmカメラ」ライクに使える最適カメラ

 そして、2023年に Nikon Zf が登場した。バリアングル液晶、フルサイズセンサー、手振れ補正機能、フィルムシミュレーションに変わるCustum Picture Contollor が9つも任意に設定でき、MFでも被写体認識が効く。やっとすべての「デジカメ」を「filmカメラ」ライクに使うためのカードが揃った。注文後、製品の入手に4か月近く待たされた。やっとフィルム無しの写真生活が始まった。マウントアダプタ―で様々なメーカーのレンズを使えるのは本当に楽しい。
 Nikon Zfでのデジカメ写真生活はまた別の機会に…

Nikon Zf


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