【 ロウバイの香りに引き寄せられて 】~中村篤史先生の魂の叫び~
室内に入るとふわっと良い香りが鼻に触れた。
公共の施設ではあまり感じることのない珍しい感覚。
程なくして黄色い小さな花を咲かせた大きな鉢植えが目の前に現れた。
「梅かしら?」花に鼻を近づけた。
とんでもなくいい香り。
鼻と口を覆っていてはこんなに素晴らしい香りを放っていることを知ることはなく、香りを感じなければ、この鉢植えはただのオブジェにしか見えず、近づこうともしないのかもしれません。
口と鼻を覆う生活により多くの人々は、こういう日常の体験が知らずに
奪われ失い続けて