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写真展やります

にのみやさをり写真展「Sの肖像~二十代の群像より」を催します。

10月3日~15日(※日曜祝日休み)12:00から22:00(土曜のみ13:00からになります)
CAFE NOOK 東京都渋谷区代々木1-37-3岩崎ビルB1 03-3373-7009


二十代の群像。私が出会った幾人かの二十代の若者を、ひょんな縁から、約十年の間追い続けて来ました。
そもそもどうしてそうなったのか。
それは自分の記憶の欠損が大きなきっかけでした。
私は24の冬に性犯罪被害に遭い、重度の複雑性PTSDと解離性障害を患うようになりました。何とか二十代三十代、四十代と生きてきましたが、その二十代三十代の記憶がほぼほぼ残っていません。抜け落ちてしまっています。医者によると、ほぼ解離して過ごしていた為だろうとのことでした。私の場合解離性障害の中でも解離性健忘が酷く、断続的にしか記憶を残しておけなかったりもしています。
私は一体どうやって生き延びてきたんだろう、私の二十代三十代は一体どんなものだったんだろう―――。いくら辿ろうとしても欠落してしまったものを辿ることはできません。途方に暮れていた頃、若い彼らと出会いました。
最初まさか十年ずっと追い続けるとは思っていなくて、折々に撮らせてもらえたらいいな、話を聞かせてもらえたらいいな、程度に思っていたのですが、二十代という歳を懸命に生き足掻いている彼らと向き合う程に、私の方が彼らのその眩さに魅せられてゆくようになりました。時にだらしない、どうしようもない顔もあったり、いわゆるイマドキの子の感覚に辟易させられたり、でも、総じて彼らはいつも、一生懸命その時その時を生きていました。
ああこんなふうに私もあの頃生きていたのかな。
私はいつの間にか、彼らを通して、二十代を辿り直している自分に気づかされました。
もちろん、彼らの人生は彼らの人生、私の人生は私の人生、同じじゃありません。同じ時代を生きていたらもしかしたら交叉さえしなかったかもしれません。でも、今私は彼らと向き合いながら、確かに、彼らの向こうに微かな自分の影を見るのです。
私の時間は巻き戻せないし、やり直せない。でも、こんなふうに辿り直す/やり直すことはもしかしたらできるのかもしれない。そんなふうに、思うのです。

二十代の群像、初年の今年はSくんの写真群を展示します。お近くにお越しの際はぜひ、お立ち寄りください。会場がカフェですので、展示をご覧になる際にはオーダーも併せてお願いします。

なお、期間中、下記の日に在廊を予定しています。
・3日(月)
・6日(木)※昼間のみ
・7日(金)※修作君も在廊してくれます
・8日(土)
・11日(火)
・14日(金)
・15日(土)※修作君も在廊してくれます
会場で、みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。おいしい珈琲とカレー、そしてホットサンドなどなど食べながらゆっくり眺めてもらえたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

よかったらサポートお願いいたします。いただいたサポートは、写真家および言葉紡ぎ屋としての活動費あるいは私の一息つくための珈琲代として使わせていただきます・・・!