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暗いよ狭いよ怖いよー

今から20年ほど前。スギ花粉症をいきなりフルスロットルで発症した私、大量に出た鼻水が悪さをして副鼻腔炎になりました。

副鼻腔炎とは。人間の顔の内側って、意外と多くの穴が開いております。これを副鼻腔と言いまして、ここに鼻水が迷い込んで炎症や化膿したりすると、すごーい頭痛が起こります。これが、副鼻腔炎。ちくのうとも言います。

それ以来、花粉の季節だったり大掃除してハウスダストを大量に吸ったり、風邪をひいたりして鼻水が出ると、副鼻腔炎がぶり返すようになりました。

鼻の奥にある前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞が描かれた、副鼻腔(ふくびくう)のイラストです。(By いらすとやさん)

先日シャワーを浴びている際に下を向くと、鼻がツーンと痛んで口の中に血の味が広がりました。このところ風邪をひいていたので、副鼻腔が良くない環境にあるようです。頭痛はまだ無いので、薬局でチクナイン買ってきて飲んで様子を見ています。

さて

副鼻腔炎になるたび、私にはつらい思い出がフラッシュバックします。

つらい思い出①

それは、初めて副鼻腔炎になった日のこと。その日は家族旅行の予定でした。

私はとにかく頭痛がすごくて、ジガッっと頭が痛むたびに「ギャー」と声が出てしまう始末。なのに、決行しました。家族旅行を。まだ長男と長女が小さい頃の話です。

耳鼻科の先生には止められましたが、夫さんは「ホテル、キャンセル料取られるからなー」と。行き先は群馬でした。高速道路を運転中も、頭痛がするたびに「ギャッ」と声が出てしまう私でしたが、運転嫌いの夫さんは後部座席で高いびき。

ギャーとかヒーとか言いつつも何とか運転を頑張って、館林でうどんを食べている最中に薬が効き、驚くほどの鼻水が出ました。その後は体調も劇的に回復し、運転も子どもたちのお世話もバッチリでした。

その頃は子育て忙しかったし、結婚ってそんなものかなと思っていましたけれど、時が経てば経つほど「いや結婚ってそれ違うだろう」「私はイジメられてただけなんじゃないだろうか」との思いがムクムクとわいてきます。

とどめは、当時幼かった娘がその時のことを覚えていたこと。「ママ、ギャーって叫びながら運転してたの覚えてるよ。かわいそうだった。」と言われて、涙がホロリの私。

つらい思い出②

末っ子を妊娠中に、大掃除のハウスダストがきっかけで副鼻腔炎になった私。妊娠中で薬が飲めないので、ひどい頭痛が来るたびにのたうち回って耐えていました。

家族旅行の予定だったけど、車の運転できないや。ごめんね。と私が言うと、夫さんは「わかった。じゃあ、代わりにお袋を連れて行くよ。車運転したくないから、電車で行ってくるわ。」と。

そして子ども3人と夫さんと義母さんで、栃木旅行に出かけて行きました。家には超絶体調の悪い、妊婦の私だけが残されました。「こういうのって結婚生活では普通なの?当たり前なの?」と疑問が起こるも、頭痛がひどくて考えられず、ご飯も作れず、ベッドの上で一人のたうち回る長い夜を過ごしました。

まあ確かに夫さんが私にできることは何もないし、子どもたちを連れて行ってくれてゆっくり休めるようにしてくれたのかな?と、当時の私はひたすら良く思うようにしていました。これは夫さんの優しさなのだと、良いように、良いように…。実際の私は体調の急変が不安で仕方ありませんでしたが。

翌日、たまたま実家の母が電話をくれたので頭痛に耐えながら事情を話すと、母は実家から食べものを持って車を飛ばして駆けつけてくれました。「お腹の子は諦めて、薬を飲みなさい。このままではあなたが死んでしまう」と言い、母は泣いていました。

お母さんごめんなさい。私、もうちょっと妊娠がんばるよ。
それから一週間ほどで副鼻腔炎は良くなりました。夫さんは栃木旅行、とても楽しかったようです。

さてさて

私の心に澱のように沈んだ、あの時々の寂しさと悲しさとかすかな怒り。時が経てば忘れられるのかと思っていましたが、子どもたちがだんだんと巣立ち夫さんと過ごす時間が増えると、どんどん鮮明に思い出されて嫌な気持ちになります。

そんな自分が、暗くて心が狭くて鬼のようで怖くて嫌いです。これ、私が甘ったれてるのかな。性格が悪いのかな。でも、夫さんに腹を立てても良いよね。相手を許せない自分を許したい。そう思う今日この頃です。

今日のチクナイン、効くかな。効いてほしいな。

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