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約束の記憶 第三章 11話


この物語はフィクションです。

ここまでのお話はマガジンからどうぞ↓
https://note.com/saorin11/m/me6fc5f2a8b10

【Rプロジェクト本部】

静かに見守っていた空気が破られた。

ガタッ

「室長!!ヤバいです!」

小坂桃子が立ち上がって叫んだ。

「何を騒いでいるの」

別の部屋にいた中島室長が入ってきた。

「あれ‥」

桃子がモニターを指さした。
有沢が妻の恵に手をかけようとしていた。

「一葉は何してるの」

「それが1時間前から連絡がとれなくなっていて」

桃子は涙目になっていた。

「なにやってんのよ、一葉!聞こえてるでしょ?どこにいるの!!」

通信を遮断していても、テレパシーで感情は伝わっているし、わかっているはずなのに‥。

モニターに映る有沢恵は、もう意識を失っていた。


もうこれで終わりだ‥。


Rプロジェクトは失敗に終わった。

中島はモニターを直視できずに俯いていた。

そのとき

聞き覚えのある声が、モニターから聞こえてきた。

見上げると、画面にはさらさらの金髪の男性が立っていた。

「学‥」

有沢と学が小さな声で何か話し、その後有沢はどこかに行ってしまった。

有沢がいなくなったのを見届けて、学は恵の様子を見た。

かすかに息があり、間一髪だった。

その様子をモニター越しにみていた、桃子と中島も安堵した。

「学さんが現れること、室長は知ってたんですか?」

そんなわけないと、首に横をふった。

「難は免れたけど、問題がなくなったわけじゃないわ」

一葉はどうしたのか。

嫌な予感しかしない。


つづく
(次回は7/3にUPします)

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