約束の記憶 第二章 7話
小説の第二章 7話です。
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https://note.com/saorin11/m/me6fc5f2a8b10
学が先に店を出て、一葉はしばらくぼーぜんとしていた。
学に探りを入れられて、余計な動きをするなと釘を刺されたようだった。
R空間に仕掛け人として配置された者は、元の世界に戻ったら、当人と接触してはならないという絶対の掟があった。
それはわかっていたけど、どうしても「もみじ」にもう一度会って話がしたかった。
願わくば、再度友人としてはじめたかった。
彼女がやろうとしていることを、そばで見ていたいし、応援もしたい。
偶然を装って出会えないかと思ったら、阻止された。
しかも、もみじに私の記憶が残っていることがわかり、わざと記憶を消さなかったのではないかと疑われた。
確かに消したはずなのに・・
仲間の悪さなのか、もみじが特別なのか。
考えてもわからないけど、絶対会ってはいけない状況になった。
顔や年齢も自在に変えれるけど、まだこのままでいたかった。
「明日から顔を変えて次のミッションに進もう」
ようやく気持ちを切り替えて、店をでた。
店をでて振り返ると、さっきまでいたコーヒーショップは花屋になっていた。
「この街も最後かな」
とぼとぼと歩いていると後ろから声をかけられた。
「一葉さんですか?」
振り返ると、驚いた顔をしたもみじだった。
つづく
(次回は4/17にUPします)
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