傘をぱっとひらいた、その瞬間。一粒のしずくがわたしの頬をつたった。それはまるで、ずっとがまんしていたわたしの心のなかを表してくれたように思えて、あわてて傘の下に顔を隠した。次第に強くなる雨音とわたしの嗚咽、そして涙が一秒ごとに時間のなかへ溶け込み、そして静かに消えていく。
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