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2019年の奄美記(5月) 郷友会

奄美の人たちは、きっとどこのシマの子もそうだろうけど、子どもの頃からいつか島を出ることを、人生設計の中に組み込んで育つのだと思います。そうしてシマを出た奄美の人たちは、移住した先で、故郷を同じくする者同士が集まり、親睦や相互扶助そして、何よりもシマを忘れないために、郷友会と呼ばれる集まりをつくります。その単位は、市町村ごと・校区ごと、もっとも小さいものは集落(シマ)ごとに集まり、年に一度は顔を合わせて、ふるさとへの想いを確かめ合います。


奄美大島の離島、加計呂麻島から日本本土へとやってきた母。彼女のふるさとの集まりに、私も小さい頃から一緒に参加してきました。そこでは、シマの料理が振る舞われ、シマの言葉や唄そして踊りを通じて、「シマの子」というアイデンティティが植え付けられます。

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郷友会で振舞われるシマ料理も、昔はそれぞれ持ち寄っていたので、いろんな食べ物がありましたが、今では参加者数の減少や高齢化が理由で、出される品数も減りました。それでも、シマの名物「ダイバンの刺身」は、会の目玉なので、この日に合わせてシマから送ってもらい、参加者に振舞われます。ちなみに、シマでは刺身を酢味噌で食べます。写真だと、中央右側にあるナゾ物体が、ダイバンの刺身(酢味噌和え)になります。


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見た目は非常によろしくないのですが、味は良いです。目玉ですから。

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婦人部のどなたかが作って持ってきてくれた「フクレ」黒糖蒸しケーキ的なやつです。

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会食には、島唄がつきもの。有志が歌いますが、シマの人々は基本的にみんな唄って踊れるので、ほぼ全員が一度はステージに立つ状態になります。

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島唄が流れると、もう座ってなんかいられません。みんな引き寄せられるようにステージへ上がります。これぞシマッチュ。

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最後は「六調(ロクチョウ)」を全員で踊ります。沖縄はカチャーシー、奄美は六調です。これがないと、会が終われません。いわゆるグランドフィナーレ。


六調を踊って、お開きになります。また来年の再会を約束して。

今年の参加者最高齢は92歳。また来年も、元気でここに来て欲しいです。



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