2021.1.12 「仕事脳と育児」
気付けばひたすらに人体について考えている日がある。今日はそんな日で、このご時世だから在宅で働く人の身体がどんな状態にあるか考えることをやめられない。
先週は、不安を抱える人の身体はどうなるか考えてばかりいた。人に説明しやすいように、コラムで使えるように、常に様々な筋肉のイラストを揃えておくようにしているので、私のデスクトップは気づいたら乱雑な上にややグロテスクだ。
脳裏に人体の組織図を浮かべながら移動していることもしょっちゅうある。仕事熱心と言えなくもないけれど、筋肉や臓器の名前をぶつぶつ言いながら歩いているのが聞こえたらギョッとするだろうし、どうか無意識に口に出していないことを願う。
頭の中が人体の組織図に支配された日でも、息子を保育園に迎えに行けば意識は一気に息子に向く。いったん仕事を忘れて目の前の息子に向き合う。私が作った料理を「おいしいねー!」とにこにこしながら食べてくれる様子を目尻を下げながら見つめ、「ぷられーるしよう!」と誘われれば四苦八苦しながらレールを組み立てる。
普段は人体についてばかり考えていて、息子のお風呂あがりには肩甲骨の位置をはじめとした骨格チェックをこっそりやって歪みを確認するような母親でも、息子にとっては「おかあさんだいじ」らしい。息子に優しくされるたびに、ハグしては息子のリクエストに応える。
息子が生まれるまでは気づいたら年々仕事ばかりになっていた人間が、息子がいたらずいぶんとリラックスする時間を過ごすようになった。育児を通して人間らしい生活をさせてもらっている身としては、育児の大変さよりもありがたみを感じている。今日も思う。私の脳裏から脊柱起立筋と腸腰筋を追い出してくれてありがとうと。
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