企業広報バイブル#2 組織ガチャ
コーポレート部門の広報と言っても、その会社の規模と組織によりやりやすさ、やりにくさ、大変さがある。若者が親ガチャなどと運を語るが、採用だって同じである。
会社は入ってみないとわからない。
コーポレートの広報が自分1人の場合もあれば、数名のチームにジョインするケースもある。また、広報部門が社長直轄の場合もあれば、社長と広報部門の間に数名の担当役員がいるケース。全く企業広報を理解していない会社など、社長直轄のコーポレートマーケティングの下に何とコーポレート広報部門が置かれている。
私がキャリアの中で1番長く身を置いた会社も、実はこのコーポレートマーケティングの下に置かれた広報部門であった。しかし、これもまた、運である。
マーケティング部門のトップが、「広報のことは分からないので社長と直接やってね」と言ってくれていたのである。何が起こっているか、何を進めているか、を情報シェアしながら、時には相談しながら、私はのびのびと社長と仕事ができた。これもまた、ガチャ。
社長と広報部門の間に広報が全く分からない役員が入っているケース。これ、しんどい。社長との間に高い壁を建てられている様なものである。その担当役員の忖度、保身などがめいいっぱい入り、社長の本心がわからなかったりする(あー最悪)。
社長はこう言った(言ってない)、こうお考えのはずだから(違う)、と何かとトンチンカンに広報部門にプレッシャーをかけてくる場合が多い。もちろん、「よし、俺に任せろ、何とかする」と、サポーティブに動いてくれる場合もあるのだが。毎回、今回はどっちのケースなのか読めなかったりするのである(疲れる)。
どのようなケースに当たろうとも、周りの人と友好な信頼関係を作り、社長と直接やりとりできる環境整備、が最初の仕事となる。社長秘書を味方につけることも重要。
彼女を上手く味方につけると、社長のスキマ時間での対話ができるからである。
明日、社長は朝早くいらしてますよ、とかお昼前のミーティングはきっと早く終わるので、そうなったら声かけますね、近くにいてください、などと配慮してくれたり、とても助かるのである。
トップと仕事をする、環境づくりが完璧でも、最後は、その社長と気が合うかである。
もちろん、会社で1番偉い人。また、私は社長になる人、は選ばれし人であると思っている。一つの会社の舵取りをするのは容易な仕事ではないし、誰にでもできる仕事ではない。社長は文字通り、選ばれし人なのである。合う合わない、などと言わず、一生懸命理解する努力、はすべきである。素晴らしい面を一つでも多く見つけ、尊敬し、社長の考える目的地に向かい進んでいる船の就航をサポートしてくのがコーポレート部門の仕事であり、やりがいである。
わかっている、、わかっているが、私のお仕えした社長の中で1人だけ、どうしてもダメだった人もいる。お互い完璧ではないし、人間なので、、どうしても合わない人に人生出くわすこともあるのだ。これ、お互い不幸。さっさと辞めて次、である。
社長室でノートを投げつけられて、とっさに手元のファイルを投げ返してしまい、ジエンドであった。そこまで社長を怒らせてしまった、私も引けなかった理由は何だったのか、思い出せない、、、(苦笑い)