ある朝の情景

いつもの通勤電車に乗ったときのことです。

後ろから、男女の二人組が車内に入ってきました。

「おはよ!いつもこの電車乗ってるんだ!」

若い、男の人の声。
生き生きした、とても明るい調子。

歳は、大学生か、新人の社会人くらい。二人とも整った顔立ちで、イマドキの雰囲気で、服装も
お洒落。

二人は、一緒に横並びの席に座り、話し始めました。



わたしは向かいの少し離れた席に座ります。

わたしは思いました。

さっきの「この電車乗ってるんだ!」という
男の人の声には特別な響きがあった。

弾んだ、明るいトーン。

彼はたぶん彼女に好意を抱いている。
本気で恋してるかはわからないけれど、少なくとも、朝、偶然に、同じ電車に乗れたことを幸運に思っている。



わたしもかつて、結婚する前は
こういうことがあった。



誰かが誰かに向けている好意、あるいは
ある人が私に向けてくれた好意。 

はっきりと言葉にしなくてもわかる。

声や、ちょっとした目つきや、雰囲気で。



そういうの懐かしいな、と思う。


今は夫との生活が気に入っていて、
新たに恋をする余地はほぼないけれど、

(アニメや漫画のキャラにハマったり、何かしら趣味に没頭することを恋と呼ぶのなら、しょっちゅうしているけど。笑)



人と人が出会い、
心に変化が生まれる。
口に出さずとも、
体から、思いが滲み出てくる感じ。







それは、いつかの自分を見てるよう。



いつかまたそんな自分に
出会えるときは来るだろうか。。。



そんなことを思った朝でした。



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