見出し画像

出産を通じて湧いた感情と変化した思考|第一子出産体験記

11月に念願の第1子を出産しました。滅多にない経験なので、その時の感情や感じたことをnoteに書き起こしておこうと思います。

予定日より10日早く、実感が湧かないまま出産突入

出産予定日より10日早い日の朝方。
お腹の痛みで目が覚めました。
まだ前駆陣痛もおしるしも来たことがなかったので、これが前駆陣痛なのかな?とのんきに思い、布団で横たわりながら、引いては訪れる痛みを感じていました。

一人目の出産の時は予定日から遅れることも多いと聞いたことがあったので、産まれるのはまだまだ先だろうと思っており、前の日も普通に外出して坂道を歩いていたり、この日もコーチングの相互セッションする約束があったり、次の日にはラッキーピエロであんかけ焼きそば食べたいな~と予定を立てていたりと、とにかくこんなに早く出産タイミングが来るなんて思っていませんでした。

なので、痛みがきても「いやいや、これまだ陣痛じゃないよね?」と全然現実を受けいれられませんでしたし、この段階では思ったより痛くなかったので、なおさら「いやいや、これ違うよね?」と思っていました。

それでも痛みがくる間隔が狭くなり、定期的に続くので念のため病院に行ってみると、
先生「子宮口7cm開いてるね、すぐ入院です」
私「え、もう今日産まれるんですか?」
先生「今日産まれますよー」と言われ、急展開すぎて「へー、産まれるんですね……? え、ほんとに?」とどこか他人事な気持ちでした(笑)

実家のある函館での里帰り出産だったので、親に電話して入院の荷物を持ってきてもらうよう頼み、
東京で仕事中の旦那さんに電話をかけて、今日産まれそうだって、と伝えました。

旦那さんは兼ねてから、「出産時の天気や景色を見たい。その場所の空気を感じたい、できる限り近くに行きたいから、産まれそうになったら函館まで急いで行く」と言っていました。

コロナ感染者数は減っていた状況でしたが、未だに出産時の家族の立会いは禁止で、かつ産後5日間の入院中の面会も禁止だったので、来ても会えないよ~とは言っていたのですが、それでも行きたい!と言ってくれていました。

病院に行った段階で思ったよりもお産の状況が進んでいたので、旦那さんが函館に到着する頃には産まれているかもという状況でしたが、

「函館に着いた頃にはもう産まれちゃってるかもしれないけど、それでもいいの?」「それでも行く」という会話ののち、旦那さんは急いで退勤。
新幹線で函館へと向かったのでした。
(職場にも事前にお願いしていたので、快く退勤させてもらえたとのこと。温かい職場です。)

私は病衣に着替え、そこからは病院のベッドに横たわって機械でモニタリングされながら、ひたすら訪れる陣痛を耐え忍ぶ時間。

出産前の日々においては、出産に対して不安や怖いという感情があったのですが、このときはなぜかあまり感情は湧かず、どちらかというと呆然としていて、ここまで来ても「え、ほんとに今日産まれるの……?」とまだ実感が湧かない状況でした。

破水して陣痛も強くなっていき、遂に分娩室に入ってからはかなり痛くて、痛さから逃れるため早く産みたい、怖さや不安の感情よりも、早く終わってーーという気持ちでした。


産まれてようやく湧いた安堵の感情

無事に産まれた直後に助産師さんが「産まれましたよー!」と、ドラマで見たような仕草で赤ちゃんを見せてくれたのですが、そこでようやく感情が湧いてきて、安心で涙が溢れ出てきました。

本当に無事産まれてきてくれてよかった。
私も無事でよかった。赤ちゃんが元気でいてくれてよかった。身体はめちゃくちゃ痛かったはずだけど、安堵と喜びの感情が一番に優先して、それ以外の事はささいなことのように思える。早速自分がたくましくなったような感覚を覚えました。


産まれるタイミング、身に宿るタイミングを計ってくれた我が子(こじつけ)

出産後に知ったことですが、旦那さんは産まれる20分程前に、無事に病院に着いていたようです。
病院のカフェで、産科のある方向を向いてひたすら祈ってくれていたとのこと。
(私と子どもには会えないので、両親と祝杯をあげて、翌日東京に帰っていきました。)

着く前に産まれてしまうかもという状況だったけど結局長引いて、パパ到着の20分後に産まれてきてくれたので、
こじつけではありますが、パパが到着するまでお腹から出るのを待っていてくれた、パパの願いを叶えてくれた、そんな気がしました。

それに、ママの願いも叶えてくれているのです。
兼ねてより3000g前後で産みたいな~と思っていてそう念じていたのですが、ほんとに3000g弱で産まれてきてくれました。
予定日より10日早かったけれども十分に育って産まれてきてくれて、感謝です。

パパとママの願いを察して産まれるタイミングを計ってきてくれるなんて、なんて優しい子なんだ~と、早速、親バカ思考モードに入りました(笑)
もちろん、無事に産まれてきてくれたことだけで安堵と感謝の気持ちでいっぱいです。

こじつけついでにもう一つあるのですが、
私には、ハードワーク会社員生活と不妊治療を並行していたけれどなかなか身ごもることができず、退職を決意して不妊治療に専念することにしたという経緯があります。
しかし無事に退職してゆったりと過ごしていたら、あっさりとすぐに、今の子が身に宿ってくれました。

それも思うと、激務で疲れている私にはまだ早いよ、退職できて心身ともに落ち着いてから行くよ、と思ってくれていたように感じるのです。
実際、とても穏やかな妊娠生活を過ごすことができました。


偶発的なできごとへの感謝

不妊治療・妊娠・出産は自分の努力だけではどうにもならない体験であり、それはそれまでの勉強や仕事など自分で計画を立てて積み上げていくこととは全く違う体験でした。
何をしたらいいのかわからない、どういう気持ちでいればいいのかわからない、そんな風に感じることもありました。

けれどもだからこそ、叶った時に自分で計画的に手に入れた時以上の幸せを感じる、まさに「奇跡に感謝」としか言いようのない、より大きな感謝の気持ちが湧いてくるような気がしました

思い返せばここまで長かったなぁ、辛いことたくさんあったなぁという感情も湧いてくるし、この子がお腹にいて自分から産まれてきたなんて信じられないなぁ、不思議だなぁとも思いますし、とにかく目の前の存在が愛おしくて、今の状況が幸せで、満ち足りた感情にもなります。

これは出産に限らず、人とのご縁で生まれた何かや、多くの人や組織が関わるプロジェクトなど、自分の計画だけではどうにもならないことでも起こりうる感情だろうなぁと思いました。
そういうことの積み重ねで、心や人生は豊かになっていくのかも……と感じています。

振り返ると、受験勉強から始まり、働いてからも、割と短いスパンで計画を立てて自分でコントロールできることにフォーカスして達成していくスタイルでやってきており、
大学院で自然相手の研究(農学分野)をしたり、会社で多くの人や組織が関わるプロジェクトに参加したりもしましたが、どちらも想定外や不確実なことが多くて大変で、根気強く続けることはできませんでした。

けれども、確実そうなことに取り組むだけでなく、不確実だけれども実現できたら嬉しい、というようなことも夢として掲げて歩んでいくのもいいのかもなぁと感じました。
育児が不確実すぎて大変だと思うので、仕事までそうしてしまうとちょっと厳しそうで、取り組むタイミングは見計らないといけないですけどね。

これからもどうにもならないことがたくさんあると思うけれども、今回の様な偶発的な出来事に感謝をしつつ、楽しい生活を送っていきたいと思います。


この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

32,854件

いただいたサポートは本代として使い、より自分をアップデートしていきます。 オススメやスキがなにより嬉しいです!!