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ピリカ目線~上げたり下げたりご苦労ですな

昭和49年生まれの私、今月で50歳である。

無理やり括るとロスジェネ、就職氷河期などと呼ばれる世代だろうか。

先日会議に出ていたら、本社から女性の管理職が少ないと言われたので、いい人はいないかとか、女性がどうやったら働きやすいか、みたいな話になっていた。

女性役員がある程度の割合いることがSDGs的に好ましいとのことで、まあ、体裁作りである。

私にも意見を求められたが、正直いい気持ちはしなかった。なんなら一昔前のエリカ様みたいに、腕組みして「別に」とかぶちかましたい気分だった。

ひとりひとりのキャリアというのは、ほっといてすくすくと育つものではない。

子育てや介護をしながら働く人には両立のしんどさ、そういう立場にない人では、時短や急なスタッフの休みの割を喰う辛さ。納得いかないことも多かろう。

100人いれば100人の辛さがあるし、それはなにも女性にかぎったことでもない。その中で企業の理解が得られず、やむなく転職や退職を選んだ人たちも多かった。

企業というのは基本、スタッフを見たいようにしか見ないではないか。

私が子育て全盛期の時には、(もちろん今の会社ではないけれど)「ピリカさんひとりの給料で若い子がふたり雇えるので」とか「寿退社は女の幸せだよなあ」と皆の前で言われたりしたこともある。

そうやって、要らないときはどんどん減らしておいて、今になって「女性の管理職が少ない」「知識の蓄積がなされていない」なんて。

あったりまえだろ。

あんたたちがそういうふうに今までしてきたんじゃないか。

誰にもぶつけようのない、世の中への怒りが込み上げてきて、私はあまりいい意見を出せなかった。

若くて、やる気がある時期に「要らない」と言われ今になって「女性の力をもっと出して」と祭り上げられてもかなわない。

経験値が育つには時間がかかる。
管理職として今、即戦力になる人たちは、ある程度長いスパンで、集中して働けている人たちだ。
そんな人は、地方では全体の1割2割である。

その小さい分母の中から「ウチにふさわしい優秀な人を」なんて、聞いてあきれる。

私の年齢付近はそれでなくても非正規雇用が多い世代。短期雇用で、広く浅く、小刻みにキャリアを積み上げてきた人も大多数いるだろう。

不要なときにはおとなしく家庭に入り、出てきてほしいときに100%の能力を期待するなんて、都合が良すぎやしないか。

あと10年、どうやって働くかも含め、私も色々と考えなければならない。
会社に踊らされるのではなく、自分の幸せ、お金、ライフプランを考えるいい機会となった。

どう働くか、どう生きるか。どう楽しむか。
いずれにしても、悠長にしている時間は、もうあまりないのである。




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