見出し画像

いざ、デンマークのど田舎へ

自粛モードが高まる中で、今日こそnote執筆デビューを果たすぞ!という心意気でPCに向き合ったけれど私が世の中に対して発信できる/して価値のある情報なんぞ..という悲しい事実に気づいてしまったので、まずは私の原体験を振り返りながら書きやすいことを書かせて頂くことにします。

画像1

ここは、デンマークのど田舎!
スヴァンホルムという名のエコヴィレッジです。北欧には古くから、思想や価値観を共有する人々と共に暮す、コミュニティやヴィレッジが多く存在します。確か、第一次世界大戦の後?経済力の落ちた国で満足のいく生活を送るには、住居もクルマも隣の家とシェアしないとやってけない!って思った堅実な人々の合理的な考えのもと、乱立した生活様式だったのですね。

そういった集団のひとつで、ここスヴァンホルムは持続可能な生活/サステナビリティを追求するエコヴィレッジで、最大限の自給自足/地産地消生活を営んでいます。(とネットで読んだのをきっかけに興味を持ちました)思想に賛同する100人余りの住民がここでいっしょに暮らしています。

見ず知らずの他人が、共同生活なんて、ちょっと気味悪くない?独身ならまだしも、家族もいるのに、怖くない?でもなんだ?なんか豊かそう..
とにかく時間を持て余していた私は、運良くここでの生活を体験することができましたので、その一連の経緯と体験記を以下にてどうぞっ!

遥々デンマークのど田舎へ

大学卒業前、半年間のプー太郎期という人生最大のアドバンテージを持っていた私は、こんなところで暮らしてみたいというシンプルな興味に突き動かされ、特に危険も顧みず即行動。公式サイトの問い合わせ先に連絡したところ、運良く、1ヶ月住込みのバイトちゃんとして住まわせてあげる、と連絡が!

海外は慣れているつもりだったし、北欧にも行ったことがあったので、どこかで余裕かましていたのでしょう..
指定の住所を目指して飛行機→飛行機→電車→バスと乗り継いで遥々旅路につきまして。。思ったより遠かったし不安だったー!!!
コペンハーゲンから2時間も東に行き、人里離れた(もはや野生動物の気配しか感じない)田舎のバス停で、メールで言われた通りにポツンと待っておりました。「あぁ、北の空ってこんなにピンクになるんだな」異国の夕焼けに見とれながらも確実に日の入が迫っていることを肌で感じながら、待ちました。
すると..どこかから車のエンジン音が..!!近所のおばちゃん感満載の、安心感のある女性が車から降りてきて、ちっちゃくなっていた私を無事にスヴァンホルムまで送り届けてくれました。

画像2

Hello Svanholm

そこは、今にもピーターラビットが飛び出してきそうな、メルヘンな場所でありました。太陽が南に位置する昼の時間帯以外は、霧掛かっていて空気がいつも澄んでいるところでした。そして年季の入った赤みのあるレンガ造りの建物に人々が住んでいるのですが、そのどれもが可愛くて。

画像3

スヴァンホルムの正体

ここは100人余の生活共同体で、一定の居住料を納め、衣食住の大部分を共有することで豊かな生活を享受できるシステムが成り立っています。

衣:「持続可能な生活」を共通のテーマとしているスヴァンホルムでは着なくなった服を住民の中で譲り合うことが普通に行われています。誰でも入れる「フリマ部屋」のような場所があり、そこには時代を感じるドレスからの実用性の高い作業着まであらゆるものが置いてあり、防寒具に困っていた私も一つ頂戴しました。

食:朝、昼、晩決まった時間に巨大ダイニングにて食事が提供されます。メニューのバリエーションは豊富で、食材がひとつひとつ美味しいので(後で詳しく書きますが自家製野菜は本当に美味しい)味には全く飽きません。時間になると、皆いそいそとダイニングに集まりブッフェに列をつくります。

住:家族で住んでいる方、一人や二人で住んでいる方、色々ですが、家族構成に適した住居が提供されます。住人のお家にお邪魔しましたが、かなり、キレイでおしゃれなお家です。生活に必要な消耗品は倉庫に常備されており必要に応じて勝手に持っていくシステムです。

生活をシェアすると、色々と人間の醜いところが出てきそうなものですが、私の1ヶ月の滞在ではそのようなことは全く見受けられませんでした。宗教的な思想があるのかな..とかちょっと斜めに見たりもしたのですが、実態は極東からひょこひょことやってきた髪の黒いアジア人の小娘を笑顔で受け入れてくれて、それでいて自分たちの芯のある生活はぶらさずに変化をしなやかに受け入れる、器のでかいコミュニティだったのです。
こうして私は、楽しく健康で豊かなスヴァンホルムでの生活に、混ぜてもらったのでした:)

画像5

スヴァンホルムではファームステイを実施しており、コミュニティで営んでいる農業の手伝いや住居の修繕などを行う大工さん、共同キッチンの調理スタッフなど、3つほどの役割をボランティアとして世界中から募集していて(といってもキャパがそんなにないから受け入れるのはMAX10人ほど)、私は時期的に農業がオフシーズンだったためキッチンで働くことになりました。ボランティアにはドミトリーが充てがわれ、私はフィンランド、デンマーク、フランスから来た同世代くらいの若者6人と共同生活を送ることに。

画像4

画像6

勤務開始!

早速、到着翌日からキッチンでの勤務開始。
私を除く4人のスタッフがいて、皆このヴィレッジに住みながらキッチンスタッフとして働いて対価をもらっています。
家庭と職場がまさに一体になった環境で、幼稚園(ヴィレッジからすぐのところにある)を終えた天使のような子どもたちが「パパ〜」とキッチン(職場)に駆け込んでくるという映画のような光景が披露されることだってあるのです。それぞれが仕事の顔と家庭の顔を持っていて、その両方が違和感なく混ざりあうような職場でなんとも微笑ましいんです。

毎日、100人分のご飯をつくるのは正直大変です。しかも慣れない言語環境で。それでも温かい住人たちに助けられながら丁寧な生活を紡いでいけたことは、「あぁ豊かに生きるとはこういうことか」ということを少しだけ知る経験となりました。

画像7

このままグダグダ書くのも良くないので、スヴァンホルムでの1ヶ月の生活で私が感動したこと、発見したことを、次回の記事からポイントを絞って私なりにお伝えして参りたいと思います!

次回予告:野菜は、甘かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?