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料理人を志すきっかけ

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ロシア客船の料理人を務めていた私の祖父である村上倉蔵が、岩手県盛岡市の生姜町(旧名)にとんかつを中心とした洋食レストランを開業したのは昭和12年のことです。父も同じ道を歩み、その後を継ぐため東京の日活ホテルで修業しました。幼い頃から父の背中を、その周りで働く料理人の姿を見て育ってきました。周囲に「3代目」と呼ばれ、地元の人たちに愛されてきたこの店を継ぎたいという思いはずっと持っていました。しかし、その後の人生を決める転機が、高校生の時にやってきました。大好きなテレビ番組に『料理天国』というのがあったのですが、その料理番組に出演していた講師の先生やフランスから帰国したシェフたちが作る素晴らしい料理の数々にすっかり魅了されたのです。そのまま導かれるように大阪あべの辻調理師専門学校に入学し、フランス料理を志すこととなりました。地元を離れて25年、両親や弟がとんかつレストラン「むら八」の伝統の味を守ってくれている間、ひたすら修行を積みながら、フランス料理と向き合ってきました。そして、ここ地元で「みちのくフレンチ」を作り上げたいという思いへとつながり、ついには自分の店を持つことになりました。

(2017.4.21公開)

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