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料理人を志すきっかけ

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料理人を志すきっかけ 子供の頃から料理は身近で、煮干しの頭を取り、昆布の入った鍋に入れ、水を注ぎ、出汁を取る。残った煮干しの頭は猫のご飯に。これは小学生だった私の作業でした。染色業を営んでいた私の家は、母も工場に入ることが多かったので、よく食事作りの手伝いをしていました。中学生になった頃も、ご飯はつば釜で炊いていて、重たい木の蓋が乗った釜から噴き出る良い香りの記憶もしっかりあります。家の裏には畑があり、ジャガイモや長ねぎ、茄子、トマト、胡瓜、トウモロコシなどを作っていました。採れ立てのトウモロコシが大好きで、今でも私の大好物です。あの頃毎週土曜日はカレーの日で、近くの肉屋さんや八百屋さんを回り、材料揃えから最終仕上げまでしていました。確か、小学校4年生くらいからだったかと思います。カレールーを替えたり、隠し味に林檎を入れてみたりと、まるで遊ぶように楽しく作っていました。そんな身近すぎる料理は職業と考えられにくく、高校3年生の時に進路のことで父に相談した際、「お母さん(私の母)は栄養士になりたかったのだけど、家の事情でなれなかったから、もし特になりたいものが無いのであれば、栄養士になってあげれば」。その一言で、私はこの業界に入ることになりました。

(2016.4.1公開)

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