北海道多寄産の小麦粉「ハルヨコイ」
最初のお話は、パンを焼く際に重要な材料のひとつである「小麦粉」です。
小麦粉と言えば、パン食文化のヨーロッパ・アメリカ・カナダ・オーストラリアといった国々をまず思い浮かべると思いますが、私が最も美味しいと感じ愛用しているのは、北海道多寄の強力粉「ハルヨコイ」です。
ふっくらとした食感のパンを焼くのに欠かせない小麦に、特徴的に含まれるタンパク質成分「グルテン」。そのグルテンを、多く含む小麦粉というのが強力粉になります。数年前までは、国産小麦に対するパン業界の評価は、うどん粉(中力粉)に近いものとして、パンにするには物足りないなどと言われていました。しかし、今は国産小麦の安全性はもちろん、ふんわりモッチリとした日本人好みのパンが焼けると注目されています。中でも、北海道は小麦の産地であるカナダと同緯度であるからか、小麦の生産が日本で一番多く、製パン性に優れた(新たな)小麦開発にも熱心な土地で、今やパン業界からも注目されています。一番新しい強力小麦の品種は「ゆめちから」。他にも、北海道産小麦粉で知られているのは「ハルユタカ」「キタノカオリ」などがあります。
注目の北海道産小麦粉の中でも、私は多寄産の「ハルヨコイ」を愛用していますが、多寄春小麦の会会長の村中氏のお話によると、多寄の「ハルヨコイ」は、春撒き小麦でありながら初冬撒きーー霜の降りる前に種を撒き、冬中、土の下で待たせ、雪解けとともに発芽させるーー方法で、他の「ハルヨコイ」の栽培法とは違えているとのことです。さらに、多寄という土地が「ハルヨコイ」の植生にもっとも合っているので、美味しさが際立つのではないかとお話されていました。
そんな特別につくられた多寄の「ハルヨコイ」で作った食パン(※)・・・ふんわりとしていながらモッチリとしていて、瑞々しささえ感じられる食感に焼き上がっていて、本当に美味しい!!
元々は外来文化のパンですが、国産小麦で焼いた日本メイドなパン文化がこれから楽しみですね。
※食パンとは「食事用のパン」の略で、日本人が作った造語です。
国産小麦の食パン
北海道多寄産の強力粉「ハルヨコイ」で作った食パンです。ふんわりとしていながらモッチリとしていて、瑞々しささえ感じられる食感に焼き上がっています!
<材料>
多寄ハルヨコイ、天然酵母、自然海塩、太白ごま油
※動物性(卵、バター、牛乳など)タンパク質、白砂糖を使っておりません。無添加・天然酵母パンです。
(2015.1.19公開)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?