アジフライにたどり着く|歴史的にリーズナブル
最近よく行っている立ち飲み屋でアジフライを注文するようになりました。理由は安くて旨いからです。
天ぷらを売りにしているお店で、日本酒を注文しながら天ぷらを合わせて呑んでいることが多かったのですが、ひと通り色々な天ぷらを試して楽しんでいたところ、最近になって結局アジフライばかり注文するようになってしまったのです。
天ぷらと日本酒の相性は非常に良く、どれもお気に入りではあるのですが、結局のところ「アジフライが一番美味しい(しかも安い)」という結論にたどり着いたわけです。
スタンダードでありリーズナブルな庶民の味方と呼ばれるメニューは、いつの時代になっても愛される食べていて落ち着いた気持ちにさせてくれるものだとあらためて思った瞬間でした。
アジフライは、東京都銀座にある明治28年創業の洋食屋「煉瓦亭」で、洋食のメニューを創作する過程で生まれたとする説が有力です。
当時「煉瓦亭」では様々なフライ料理の試作が行われており、何とあの「カキフライ」や「エビフライ」も、この「煉瓦亭」で創作されていました。
そんな煉瓦亭で様々なフライ料理が新しい洋食のスタンダードとして開発されるなか、アジフライも同じように創作されていきます。しかし、創作はされていたのですが、アジフライが正式な採用に至ることはありませんでした
。
その理由は、アジは当時から既に一般家庭に普及していたため、当時の「洋食屋」というイメージに沿わなかったことが原因のようです。アジは当時からリーズナブルな存在だったため「洋食」という新ジャンルに昇華されなかったのです。
つまりアジフライは「洋食」ではなく、その辺の居酒屋や立ち飲み屋でこそ愛される、真の庶民のメニューだと言えます。そのポジションは今も守り続けているように思えます。
庶民的な価格でお気に入りのものを見つけることができれば、それはそのまま節約生活をすることにも繋がります。贅沢をしなくても満足して暮らしていくことができるわけです。
自分に合った味わいの安い日本酒と美味しくてリーズナブルなアジフライがあれば、僕には充分なようです。円安だろうが物価高だろうが、問題なく楽しく過ごすことができそうです。