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【456球目】技能承継者不足

先日は事業承継者不足のお話をしました。今日はもう1つの社会問題である、技能承継者不足=現場人材不足についてのお話です。


その昔

20年くらい遡ると、町の小さな中小企業であっても、ハローワークに求人を出せばそれなりの効果が出ていました。ハローワークで効果が無ければ有料求人媒体に求人を出すと、何とかなっていました。単純に働く人が多かった時代ですね。そこからジリジリと採用が困難になって来ています。このジリジリと言うのがポイントですね。一気に変化があれば気づきやすいのですが、毎日一緒にいる人の変化が気づきにくいのと同じで、少しずつ何かが変わるとその変化に気付かない場合があります。

中小企業の町工場の場合は、採用力という所にポイントを置いていません。営業力や技術力はあるのに採用力がない会社は数多くあります。そして、採用困難な今の時代においては、工場で働く人の平均年齢が50代、60代という会社があります。M&Aにおいてもよくある話です。

例えば、30百万の利益が出ている会社があります。仮に社員数が30名でその会社の社員の平均年齢が60才だとしましょう。キーマンとなる人が65才。この場合の30百万の利益は本来の実力値だとは判断をしません。人的投資をしていないがために、出てきた利益です。人を1人雇用すると、4百万から5百万程度の経費がかかります。直接的な給与の他に法定福利費や福利厚生費等の費用も含めてです。絶対にキーマン含めた数名の技能承継を考える必要があります。5人から6人、そういう人を雇用しているとこの利益は全て飛びます。人的資本経営と言われていますが、人的投資が出来ない会社はこの現在においては間違いなく淘汰されていきます。


HRの強み

三陽工業においては1460名の生産推進グループメンバーがいます。

この仲間がそういった会社の技能承継者の候補生です。もちろん、全員がそうではないですが、この中からその気のある人が子会社のリーダー候補として、技術の軸、心の軸を伸ばす為に子会社へと配属されていきます。直近でM&Aをした愛知県豊明市の太田工業所においても現在その動きを取っています。一般的な会社であれば、その1人を配属するのにとてつもなく大きなコストと工数がかかります。そのコストや工数をかけずに実現できてしまうのが三陽工業の強みの1つです。HRとものづくりの相乗効果、何年も前から言っていることですが、その相乗効果をこういった所で感じることが出来ます。


HRの強みを生かす為に

HRの強みを生かす為に、営業拠点がある近隣に製造拠点を置いていこうとしています。その手法がM&Aです。

兵庫県、福岡県、長野県、そして愛知県に製造拠点があります。まだまだ製造拠点が無い拠点の方が多いです。営業拠点しかない場所に製造拠点も誕生させていく。そうすることによって、HRとものづくりの相乗効果を生み出していく。三陽工業全体としての大きな方向性です。まだまだ製造拠点はこれから増えて来ます。HRの拠点の様な増え方はしていきませんが、三陽工業の力がもっと強くなっていけば、今よりも早いペースで製造拠点が増えていく時がやって来ます。しかもある日突然できますからね。M&Aは契約終了時までオープンにすることができないので、その拠点からすると、本当にある日突然製造拠点ができることになります。そんな日が来ることを楽しみにしていてください。

10年前、20年前と世の中は大きく変化しています。リーマンショックやコロナ禍といった大きな変化の度に三陽工業は強くなって来ました。外部の大きな変化は止めることが出来ません。それに対応していくしかないのです。それに対応出来た会社だけが生き残っていきます。これからもシンカしていきます。

本日もありがとうございました。
明日もよろしくお願いします。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!