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課金とか推し活とか好きとか、そういう変遷と楽しむことへのアンテナ

カテゴリ:最近の自分、好き語りと課金

■ロスト・バゲージ・クラブ

2023年末。リスナーとして聴いていたsatoruさんと岡田悠さんによる『旅のラジオ』がリニューアルされた。内容はお二人(とDPZの石川さん)による旅を軸としたトークラジオなのは変わらないものの、タイトルは『超旅ラジオ』へと変更。それにともない、有料のファンコミュニティが誕生。
せっかくなので、入ってみることにした。

「ロスト・バゲージ・クラブ」。カバンを失うというネーミング、まさに旅という感じ。

僕はカバン紛失こそ経験はないけれど、旅先での大小さまざまな失敗談は枚挙に遑がない。それこそ笑い話になるものから、思い出すだけでウッとなるものまでいろいろ。そう考えたとき、旅でのトラブルも失敗も「まあ、あるよね」と優しく迎え入れてくれるようなこのネーミング、なんだかとってもあたたかい。

閑話休題。
有料といっても月300円のもので、巷のサブスク各種からすれば微々たるところだけど。でもこういうコミュニティに入る経験がなかなかないので、ちょっと新鮮な気分だったりする。会員はディスコードサーバーで交流ができたりもするし、限定で読めるnote記事があったりもする。今後もいろいろ特典的な要素があるとかないとか。まあ見返り目当てというよりは、どちらかといえば今後も『超旅ラジオ』が楽しく続いてほしいなという気持ちで入ったものなので、今後もゆるく応援していきたいなと思う。

家事の片手間にラジオを聴くことが多い昨今。肩肘張らず気軽に聴ける感じも魅力のひとつ、みたいに思っています。

ちなみに僕は岡田悠さんのファンである。『0メートルの旅』の感想については上記リンク参照。

■不器用ビンボーダンス

そういえば時同じく2023年末頃から、なををををををさん(@70_pocky)のFANBOXを支援し始めた。

これも月100円だし、金額的には大それた話ではないんだけど。

WEB漫画作品『不器用ビンボーダンス』。ツイッターでぐうぜん見かけて、作者の投稿を後追いする形で辿って、一気にハマってしまった。

毎日更新の2コマ漫画。1700話を超えるエピソード。軽快で狂気的なまでの巧みな言葉遊び。そこに彩られる人間関係。バカバカしさと、全力の楽しさと、言葉を深めることのすごさを見せてくれる感じ。

大前提としておもしろいことはもちろんなんだけど、継続って本当にすごい。毎日続けることの大変さって、いろんな部分でみんな感じることだと思う。本当に恐れ入ります。キャラクターにも個性も魅力もたくさん。僕はちよりんと、あと最近は籤くんと白道さんコンビが好き。

■あことバンビ

HEROさん(@dka_hero)による漫画『あことバンビ』に出会ったのは何年か前になる。既に連載後半の頃ではあったけど、これもpixivでたまたま見かけて、そのまま一気にハマったのを覚えている。

売れない若手小説家と、彼が住む事故物件アパートに現れたおばけの少女。不思議な出会いに、彼女を知るまた別の女の子からのメッセージが送られてきて、物語が動き出す……。
宣伝文句などでしばしば引用されている「そちらに亜子がお邪魔していませんか?」のフレーズがとにかく印象的。一見するとあのアパートで出会った二人の物語のように見えるけど、山城さんがいろんな意味で鍵だってことがこういうところでも再認識できる。
周囲の誰が欠けてもダメだと思わせてくれる各人の個性と魅力、交わされる言葉の数々。もう本当に、本当に、言葉ひとつひとつが素敵で、その空気に、その笑顔に、その言葉に見惚れてしまった。僕は瞬く間にこの作品のファンになった。

二人の関係がどうなっていくのか、あこはどういう存在なのか、山城さんは、入舟は、周囲のみんなは、何を拠り所に、何を支えにして生きていくのか。
きっとみんなそれぞれに、その人だけの「大切なこと」があって、そこに気付いたり向き合ったりする瞬間ってたまらなく美しくて。それがストーリーのなかで触れられている瞬間がとても魅力的で。その「丁寧さ」が嬉しくて。

現在は書籍化にともないWEB上で読めるのは一部になったけど、連載中はpixivやニコニコ漫画で全話開放されていた。いやこれ全話無料でいいのか? と本気で思っていた。ありがたいと感じるとともに、創作者が収益をあげる仕組みって昨今ほんとうに難しいなと感じる部分でもあった。僕はめちゃくちゃこの作品が好きなので、本当に好きなので、作者に還元したい気持ちもあったから。

ソノラマ+コミックスから出た書籍版で改めてひとしきり買って。いまは番外編も追いかけている。僕自身がさながら小鹿先生に対するキキくんのような気分。

あとLINEスタンプも購入。作中でも出てきたバケバケのスタンプ、かわいい。

作者のHERO先生といえば『堀さんと宮村くん』が有名で、他にも短編作品含めいろいろ描いていらっしゃって、『あことバンビ』はそのうちのひとつといえばそう。それはわかっているし、他の作品ももちろん魅力的なのは言うまでもない。だけど、だけどなぜか、本当になぜか本作だけ特に頭抜けて僕は大好きで、心の奥底の何かをがっしりと掴んでいくものがあって。それがなんなのか、という言語化は今もできないままでいる。

本編が終了して少し経つけど、いまでもよく読み返す。読むたびにこの世界に浸り、会話に触れ、いいなと感じて書籍を閉じる。この作品が好きということは漫画好きの友人との会話の折にもしばしば出すんだけど、まだまだ語り尽くせていないし、どうやっても言葉にしきれない感じがある。それは上述の「心の奥底の何かをがっしりと掴んでいく」ところ、すなわち「自分にとっての特別さ」の理由みたいなものがうまく言い切れていない気がするからなんだと思う。そこはまあ僕の経験不足のせいでもあるし、焦っても仕方ない。これからもいろんな作品に触れたり、生きていくなかでいろんな悲喜交々があったりするなかで、きっと読み返すたびに僕は考えるし、いろんな形で言葉にしていくことを諦めない。

■ふるさと納税と地域知識の備蓄

そういえば、2023年にはじめてふるさと納税に挑戦してみた。いろいろ是非があるシステムなのはわかっている。今後も続けていくかはわからない。ともあれ存在するものとして、試してみるかなと。それと、せめてこれを機にいろんな自治体に興味を持ってみよう、という前向きな意識につなげることにした。

奥さんと一緒にあれこれ検索し、お互いに「ここはどう?」とか話をしつつ、オススメを紹介しつつ。最終的に自身の拠出分は自分で判断し、それぞれ手続きを済ませた。

ゲンキンな話ではあるけど、返礼品としてはやはり食べ物に目がいく。けっきょく僕はアイス、うどん、そうめん、チーズケーキ、ウィンナーなどを選んだ。北は北海道から東北、南は四国、九州まで。選んだ五ヶ所のうち四ヶ所の市町村名は、恥ずかしながら初めて知った。でもそれはそれ。言ってしまえば、人生このかた縁もゆかりもなかった地域のことを、大人になってから知る機会に巡りあえたのだ。楽しいと思うべきだ。せっかくなのでその名で検索してみる。知るためのアプローチがしやすい時代になったのは本当に助かることだ。自治体のホームページも、Wikipediaも、観光地紹介のサイトなどもある。可能ならばその地特有の文化や社会を知りたい。そう思ってリンクを幾つか飛び続ける。産業構成を知る。基礎自治体を調べるのはおもしろい。都道府県のような大きな枠組みから見えるイメージとはまた違った色味が各市町村には存在するから。はからずも今回の対象だった五ヶ所の市町村は僕の住むところからは距離のある場所ばかりだったわけだけど、ひとつ調べ、ひとつ知り、まだ見ぬ土地に思いを馳せる。アクセスはどうなんだろう。近隣自治体はどうなんだろう。それらを知ることだけでも己のストックとしては魅力的で、いつかそっち方面に出かける機会があるなら訪れてみよう。行ってみたい場所として記録しておこう。そういう「備蓄」として積み重ねる良さはある。今日活きる、明日役立つ、みたいな直接的なものじゃなくたって、知識はきっと僕たちを豊かにしてくれる。

冒頭の「ロスト・バゲージ・クラブ」も旅がキーワードだったけど、こうした何気ないキッカケで知ったことや積み重ねられてきた知識に裏打ちされることだって、旅のアドリブには必要なことだと思う。いずれ活きる日だって来るかもしれない。来なくてもそれはそれで人生の楽しさだ。

■コストと維持と向き合う姿勢

ゲーム然りコンテンツ然り、いわゆる「基本無料」で触れられるものが多くなって久しい。いっぽうで必要だと感じる物事にきちんと対価を払うことも求められるし、ケータイやタブレットなど、なんだかんだそのスタートラインとしてかかるお金は安くない。むしろ高い。サブスク然りクラウドファンディング然り、相応だと思うものに対しては直接投資する時代でもある。

その背景には、世の中の多くのシステムやサービスはけっこう綱渡りな状態で動いているという事実があるように思う。長く不景気が続いたなかで構成されてきた現代社会のさまざまな実情。前提にそれなりに無茶があって。ちょっとした綻びからいろんな問題が噴出したり、あっさりとサービス終了や閉業なんてことが発表されたり。当然のように享受しているさまざまなものが、明日もあるとは限らないという怖さが常にある。

だからこそ、せめてお世話になっているものや、助けてあげたいと感じるものに対して、きちんと対価を支払ったり、積極的に利用したり、クラウドファンディングに応じたりというような、向き合う姿勢が大切になってくるのが令和の時代性なのかもしれない。

もちろん自身に無理のない範囲で、という前提がつくのだけど。なんせ現代はまず、自分が生きることすらとても大変だから。お金の多寡は僕にも変化あれど、将来安泰なんて言葉には永遠にお目にかかれそうにない。

それでも生きるのは楽しい。それはこれだけ溢れるコンテンツによるところも大きい。だからこそ、お金は可能な範囲で動かし続けたい。循環ってきっとそういうことだ。

そういえば何年か前に、サグラダファミリアに少額だけど寄付をしたことがあった。かの有名なスペイン・バルセロナのシンボル。建築着工が1882年なのでもうすぐ1世紀半。永遠に建築が続けられるのかと思っていたけれど、聞くところでは2026年完成予定なのだとか。ガウディ建築群がもともと好きだったこともあるんだけど、これも言ってしまえば、好きなことに対する「自分のできる範囲でのアクション」かもしれない。

投資も貯蓄もあれもこれも。これまで、お金の話としっかり向き合うのはなんだかとっても面倒くさい、という気持ちが心のどこかにあった。いや、今も正直ある。めっちゃある。仮にも大学は経済学部を出ているクセに、実生活に直結するような数字ほど何か忌避感があって、けっきょく数字には強くなれなかった。それでもやれNISAだiDeCoだ株だ外貨だと、自分で頑張って工夫して増やしましょうねみたいな話が当然になった。
少しずつ楽しむしかない。それが動かす楽しさなのか、何かを得る楽しさなのか、将来に対する安心感みたいなものなのかはまだわからない。わからないけど、そのあたり、生きるとは「面倒くさい」の連続なのだ。それはそういうもの。

有名になりたいとか名を残したいとか、そういう野心的なことはまるでないけれど。でも、だからこそ「生きているな〜〜〜」って実感みたいなものは日々のどこかに欲しいと思うわけで。作品やコンテンツを好きになったり、食べ物がおいしかったり、地域の魅力に触れたり、知らなかったことを知ったり学んだり。きっとそのどれもが、かけがえのないものなのだ。

個人的にも一昨年の結婚以来、「自分一人で生きているわけではない」ということをより強く実感するようになった。当然だけど、家計は二人のお金だし、これからを考えずに即物的に生きるわけにもいかないから。
周囲や社会に対しても、それは似た感覚があるのかもしれない。たくさんの繋がりがあって、たくさんお世話になっているものがある。どうかみんな相応に報われてほしいと思うばかり。
そしてせっかくなら、いろんな循環や連鎖のなかを生きるなかで、僕ももっと知って、触れて、楽しんでいこう。今はそう思っている。

面倒くさくて、理不尽で、歪なことも多い現代社会。でも幸せだって少なくないはずだから。どうか潰れず、どうか腐らずいられますように。みんなそうありますように。生きていこう。

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