【必読】文章を正確にするテクニック

Aさん「(あの弁護士の名前なんだっけ、山田先生だったか、田中先生だったか…思い出せない…)『先生』、お久しぶりです。」


Aさんは弁護士の名前を思い出せなかったが、「先生」と呼ぶことで名前の間違いを回避した。

実は、ここに文章を正確にするテクニックが凝縮されている。

Aさんがやったことは抽象化である。

先生にはいろいろある。甲弁護士も乙弁護士も丙弁護士も「先生」というカテゴリーに入っている。


ポメラニアンを抽象化するとである。犬を更に抽象化すると動物、これを更に抽象化すると生物になる。

抽象化するほど情報量が減る。ポメラニアンに対して犬と説明するよりもポメラニアンと説明する方が情報量が多いだろう。

また、抽象化すると包摂できる概念が増える。ポメラニアンは犬の中のポメラニアンしか指さないが、犬はポメラニアンもチワワもブルドッグも野良犬も含む。

「先生」と呼べば、どの弁護士も名前を間違えずにその人を指すことができる。

したがって、抽象化すると文章を正しくできるのだ。


学者の書いた教科書や司法研修所の書いた本を読むとわかるが、このテクニックをふんだんに使っている

彼らは教育効果よりも正確性を重視するからだ。抽象化して情報量を減らすことで間違いを減らすことを徹底しているのだ。

だから記述は分かりやすくはない。正確な描写を心がけてはいるが、わからせようと思って書いてないからだ。

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