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OSSスポンサーシップはじめました

こんにちは!AI型教材「Qubena(キュビナ)」を開発・提供している株式会社COMPASSの山田です。このたび株式会社COMPASSの取り組みとしてOSS(オープンソースソフトウェア)スポンサーシップをはじめましたので、その背景や思いなどを紹介させていただければと思います。

なお、COMPASSは今回の取り組みで下記の3つのOSSに対してスポンサーシップを始めています。(2022年2月現在)

なぜOSSスポンサーシップをはじめたか

OSSスポンサーシップは偏にテックカンパニーとして正しいOSSとの関係性を持つべきという信念のもとに取り組むことにしました。

OSSは理想的には利用者すべての貢献に基づいて発展していくべきものです。貢献の仕方はさまざまです。利用者が開発者であれば機能開発や不具合修正を手伝うことができますし、開発者でなければ不具合の報告であったりドキュメントの修正を手伝うといった貢献ができます。スポンサーシップも貢献の1つです。しかし、現実には貢献を行う利用者は非常に稀です。大多数を占めるフリーライダー(貢献をしない者)からの要望ばかりが増え開発者が疲弊するという状況に陥りがちです。

開発者ではない方には想像がつきにくいかもしれませんが、私たちが使っているソフトウェアのほぼすべてにOSSが使われています。OSSとその文化は間違いなく世界を支える非常に重要な存在であるにもかかわらず、その開発は健全な状況にありません。

もちろん、COMPASSでは日頃利用しているOSSに不具合があれば問題を報告したり修正パッチを送る活動もしており、これまでもフリーライダーであったわけではありません。しかし、この不健全な状況に対して、テックカンパニーである私たちはより模範的であるべきです。こういった考えから、OSSへの貢献を強化するため、私たちはOSSへのスポンサーシップを始めることにしました。

OSSスポンサーシップという手段を選んだ理由

述べた通り、貢献にはたくさんの方法があります。そのなかで、スポンサーシップは企業が真っ先に検討すべき貢献の1つです。企業活動として行う以上、その活動の費用対効果が重要となりますが、OSSスポンサーシップは低コストのエンジニア向けプロモーション活動として機能します。

まず、スポンサーシップは人的リソースをほとんど取りません。他の企業活動を圧迫せずに行うことができます。スポンサーシップ費用も多くのOSSで数ドルから数百ドルでプランを用意してくれています。企業にとってプロモーション活動に使う費用として決して高いということはないでしょう。

上位のプランでは企業ロゴを大きく分かりやすい場所に掲示してくれる見返りを用意してくれていることが多く、これはエンジニア向けのプロモーション活動になります。採用難であるエンジニア向けのプロモーション活動はとても重要です。下記画像のようにロゴを載せてくれたりします。「GitHub」の右下の宝箱が弊社のロゴです。

出典: https://react-query.tanstack.com/

費用対効果を説明しやすいOSSスポンサーシップの仕組みは、マネージャー層やエンジニアではない方にも納得感を持ってもらいやすく、さまざまな意味で選びやすい施策です。COMPASSとしても、次にできる貢献としてもっとも手が出しやすくデメリットの少ない手段であるOSSスポンサーシップを選択しました。

最後に

OSSの持続可能性やセキュリティの問題は長年議論されており、緩やかではありますが改善が進んでいます。重要なプロジェクトの開発者が企業に直接雇用されることも増えました。GitHub Sponsorsなどのスポンサーシップの仕組みが整ってきたのも良い傾向です。それでもOSSが世界に与える影響とその重要度に比べて、十分な環境かというと、まだまだ理想には遠い状況です。

毎年のようにOSSに関する大きな事件が起きます。これらを完璧に解決するのは難しいですが、それでもより良いエコシステムの構築を目指して、企業が何らかの形でOSSに貢献するというのが当たり前な社会になることを心から望みます。COMPASSもOSSに支えられている意識を忘れることなく、継続的にOSSに貢献できる組織であり続けたいと思います。

COMPASSではエンジニアや開発ディレクターなどのポジションを積極的に採用中です。ご興味がある方はぜひ求人ページをご覧いただけますと幸いです。


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