【無料部分8000字超・全39000字超】ハイブリッド型ミュウVMAX解説
1. はじめに
こんにちは、サンタマリアJAPAN(@santa_jpnjpnjpn)と申します。
私は主に関東(特に東京と神奈川)でポケモンカードをプレイしている社会人です。ポケモンカード歴は本記事執筆時点で約3年半で、ポケモンカード公式大会の実績としては以下のような実績を持っています。
今回は、前回記事から構築を少し変更したハイブリッド型ミュウVMAXの考察についてnoteを投稿します。なお、3/12(日)に私が参加した第5回カードラッシュCS(3人チーム戦)にてこのハイブリッド型ミュウVMAXを使用し、成績としては5勝2敗の成績を収めることができました(チームとしては残念ながら予選敗退でした)。当日のマッチアップ等について以下のようにツイートしています。
※5勝2敗の成績は勝率7割程度なので圧倒的に勝つことができたわけではありませんが、32人規模のシティリーグに置き換えた場合には効率良く進んで準優勝(予選3-1、トーナメント2-1)、CLに置き換えた場合にはドロップにならずに5勝のプロモが貰えるくらいの成績ですので、そこそこは勝つことができているという認識です(これはあくまで個人の感想です)。勿論、前回記事同様で環境、採用カード、各対面へのプレイングについては時間を割いて考察できたと考えているので、続きを読んで頂けますと幸いです。
※前回記事と重複する内容については割愛している箇所もあります。
※本記事は初心者の方にもなるべく内容が伝わるように記載しているので、冗長な表現が多々あることをご了承下さい。
2. 環境考察とデッキ選択
●環境考察
基本的な環境考察と各デッキタイプの特徴については、先月末に公開している前回記事の2.1.(無料部分)に記載していますので、そちらを参考にしてください。
前回記事公開時から環境に影響があった点は、以下と考えています。
①については、2月末時点での3000人規模の大会でのデッキ使用率分布の公開、および上位入賞したデッキの公開が特に影響を与えたと考えています。
デッキ使用率分布、および使用率の高かったデッキタイプごとの勝率まで以下のように公開されています。
このデータから分かることは、ロスト系のデッキ(ロストギラティナ、LZB)、ミライドンex、ミュウVMAX、ルギアVSTARの5デッキの使用率が高いこと、この中でミュウVMAXとルギアVSTARの勝率が高く、ロストギラティナとミライドンexの勝率が比較的低いということです。この時点ではミュウVMAXとルギアVSTARがいわゆる勝ちデッキだったと言えます。
一方で、CL愛知の優勝はLZB(ザマゼンタ(かたきうち) + 空の封印石Vバレット型)、準優勝はサーナイトexとなりました。この結果は衝撃的で、Day1の段階ではさほど使用率の高くないLZBとサーナイトexが決勝まで残ったということになります。
(なお別のデータとして、Day1とDay2でデッキタイプを変更した人の割合は少ないというデータが出ています)。
CL愛知優勝のLZBはドラピオンVやライコウVと空の封印石を組み合わせることで、Day2で使用率の高かったミュウVMAXとルギアVSTARに対して高い勝率を維持しているものだと考えています。ミュウVMAXとルギアVSTARがDay2まで勝ち残ってくることを予想してこのデッキ選択をしたとしたら、流石と言わざるを得ません。
サーナイトexについては上記した5デッキと比較して注目度の高いデッキではなかったため、サーナイトexに対して有効なカードの採用やプレイングの研究を怠っていた人も多かったのではないでしょうか。私もCL愛知に仮に出場していた場合、サーナイトexに対して有効なカードを採用することは無かったと思います。
これらの情報からその後の環境では、CL愛知にて使用率と勝率が共に高かったデッキタイプであるミュウVMAXとルギアVSTARの増加、CL愛知にて優勝、準優勝の結果を残したLZB(ザマゼンタ(かたきうち) + 空の封印石Vバレット型)、サーナイトexの増加を予想しました。
②については新弾(トリプレットビート)のリストが3/3(金)時点で公開されていましたが、正直新しいデッキタイプが環境に登場する感じのしないリストとなっていました…。
しかし細かくリストを見るとボウルタウン、ジェットエネルギー、ルミナスエネルギーの3枚は少し環境に影響を与えそうだと思いました。
ボウルタウンは非ルールのたねポケモンを展開できるので、例えばLZBのキュワワーやサーナイトexのラルトス、クレッフィ等を展開しやすくして安定性を高めることができます。ジェットエネルギーは入れ替え札兼無色エネルギーとなるので、ロスト系のデッキにてキュワワーを使い回しやすくしたり、ルギアVSTARにてエネルギーのかさ増し兼貴重な入れ替え札として使用することができます。そのため、ロスト系のデッキ(ロストギラティナ、LZB)、ルギアVSTAR、サーナイトexの使用率に影響を与えると私は考えました。
そしてボウルタウンとルミナスエネルギーの存在により、ルミナスエネルギーと基本エネルギー数種類(&エネルギー転送)を採用したレジギガス(こだいのえいち)がある程度台頭すると考えました。私もボウルタウンとルミナスエネルギーが公開された時点でレジギガスのデッキ構築について考えており、新弾発売日に以下のようなツイートをしています。
上記とその他シティリーグの結果等を総合して、第5回カードラッシュCSの開催日である3/12(日)時点でのデッキタイプ別使用率分布は以下のようになると予想しました。
なお、予選終了後に公開された第5回カードラッシュCS全体の使用デッキ分布は以下だったようです。
こう見るとレジギガスの使用者が全然いなかっただけで、上記の使用率分布の予想は割と当たっていたと思います(新弾要素はレジギガスよりもマスカーニャexの方が多かったようです)。
●デッキ選択
上記のデッキタイプ別使用率分布予想を踏まえて私がどのデッキを選択するかですが、前回記事を作成した時点のようにロスト系のデッキが圧倒的に多い等ではなく、多くのデッキタイプが一定以上の割合で存在する環境となっています。そのため、特定のデッキタイプを仮想敵としてメタカードを採用するデッキタイプよりも、一定以上の安定感とパワーを兼ね備えたデッキタイプを選択したいと考えました(パワーについては何をもってパワーを有しているとするかはありますが)。このように考えた時に候補に挙がったのはやはりロスト系のデッキ(ロストギラティナ、LZB)、ミュウVMAX、ルギアVSTARの4つでした。この4デッキの強みについて簡単にまとめたものが以下となります。
上記より、それぞれの強みは違いますがどれも強力であることに間違いはないため、現在の環境ではこれらのデッキタイプに優劣を付けることは難しく、どのデッキタイプを選択してもそれなりの勝率を維持できると考えました。そのため、今回はチーム戦ならではの観点と自分自身の各デッキタイプの練度で選択することにしました(第5回カードラッシュCSは3人チーム戦のため)。
チーム戦ならではの観点として、まず対戦相手としてチーム全員が1種類のデッキを使うチームが存在することが可能性として有り得るので、こちら側としてはデッキタイプの相性差での敗北リスクを軽減するために3人とも違うデッキタイプを選択したいという考えがありました。
次に、チーム戦では一人の勝ちは0.5勝、一人の負けは0.5敗になるため、個人戦と比較してリスクとリターンがどちらも小さくなる(ハイリスクハイリターン気味のデッキタイプは少し丸くなってローリスクローリターン気味になる)という特徴が前提としてあります。上記4デッキの中で言うと、ルギアVSTARは事故率が高いものの序盤を乗り越えればどのデッキにも勝てる性能(パワー)を持っており、一番ハイリスクハイリターンなデッキであると認識しています。そのため、チーム全体のパワーの底上げとしてチーム内で一人がルギアVSTARを使用し、仮にルギアVSTARが事故を起こして負けたとしても残りの2人で勝つために、どのデッキタイプが相手でも比較的安定して戦えるロストギラティナとミュウVMAXを選択しました。
あとは誰がどのデッキタイプを使用するかですが、個人の練度として私は上記4デッキの中では圧倒的にミュウVMAXの練度に自信があったため、私がミュウVMAXを使うことで決定しました。
ちなみに仮に個人戦でデッキ選択をするとしても、ロストギラティナはルギアVSTARに若干不利、LZBは自分自身の練度に自信無し、ルギアVSTARは上記の通りで事故率が高めという懸念点からミュウVMAXを選択していたと思います。
ミュウVMAXを使用すると決めた時に考えなければならないことが、どの型のミュウVMAXを使うかということです。前回記事2.2.(無料部分)に記載の通り、ミュウVMAXにはフュージョン型と雪道ダブルターボ型が存在しています。この2つの型の特徴をまとめると、以下のようになります。
上記より、どちらの型にもメリットとデメリットが存在していることが分かります。私がシティリーグに出場した2月3週目の時点から環境が変わっていないのであれば、前回記事でも真剣に考察した雪道ダブルターボ型を使用するのが良いと考えていましたが、環境考察の節でも記載した通り、LZBとサーナイトexの存在が気になりました。
特にLZB(ザマゼンタ(かたきうち) + 空の封印石Vバレット型)に対して雪道ダブルターボ型ミュウVMAXは圧倒的に不利となります。頂への雪道+手札干渉で行動を制限してもドラピオンV以外の攻撃は防げず、特にザマゼンタはあなぬけのヒモと合わせてゲノセクトVを気絶させてきたり、ウッウやヤミラミ、かがやくゲッコウガでミュウVMAXのHPを削りながらザマゼンタがミュウVMAXを攻撃して気絶させてくるため、相手の事故以外ではサイドレースでどうやっても勝てないことが分かりました。肝心のドラピオンVも必ず頂への雪道で止まってくれるわけではないので、空の封印石+ドラピオンVでミュウVMAXを気絶させられてサイド4枚取りをされてしまうと、簡単にサイド6枚(サイド2-4)を取られてしまいます。
この点を改善するために、敢えてフュージョン型ミュウVMAXを使ってLZBと戦ってみたらどうか?と考えました。というのも、空の封印石+ドラピオンVのサイド4枚取りに対して、非ルールアタッカーでウッウに気絶させられないデオキシスを1体目のアタッカーとして使えば、サイドプラン2-4を避けてサイドを先行できるので、有利に試合を進められるのではないかという考えです。フュージョン型ミュウVMAXの懸念点として、事故率の高さと雪道ダブルターボ型ミュウVMAXに不利であるという点があるので、それらをなるべくケアしつつフュージョン型の本来の強みをなるべく活かせるようなリストを考え、お試しとして以下のリストでvsLZBで一人回しをしてみました。
結果として、それでもLZBには勝てませんでした。理由は単純で、序盤はデオキシスで攻撃していけるのですが、3ターン目くらいでデオキシスを気絶させられた後はミュウVMAXをアタッカーとして使わざるを得ない、かつ上記の構築だとドラピオンVが簡単に通ってしまうので、ミュウVMAXを気絶させられて残り1体を適当に攻撃されるだけでサイドレースで負けるからでした。
以上より要点をまとめると、
つまり、フュージョン型はLZBに対して序盤は強いが中盤以降に弱く、雪道ダブルターボ型は使用できるアタッカーの関係上でLZBに対して序盤からリスクが付き纏うということが分かりました。これらの要点を見直していた時、とある考えを思い付きます。
どっちも入れれば良いんじゃない…?
この考えの原案はCL愛知ベスト4に入賞されていた、はにわさんのミュウVMAXです。
このフュージョン型と雪道ダブルターボ型を組み合わせたハイブリッド型ミュウVMAXは画期的なデッキタイプであり、CL愛知の開催前からシティリーグで入賞していたので存在は知っていたのですが、いざCLの上位入賞まで達成したとなると注目せずにはいられません。
上記の要点から考えた時に、序盤はデオキシスと可能であれば手札干渉を挟んでサイドを先行し、デオキシスが気絶する中盤以降は頂への雪道+手札干渉で行動を制限しつつミュウVMAXで攻撃してサイドを取る、という両者の良いとこ取りをすることで、両者の欠点を補って先にサイドを6枚取り切れないかと考えました。実際に試したところ、事故が発生しないという条件付きであれば、相性をギリギリ5分5分にできそうということが分かりました。少なくとも圧倒的に不利ということは無さそうでした。
また、使用者が増えるであろうサーナイトexに対してはメロエッタのメロディアスエコーの出し得る打点の関係でフュージョン型の方が戦いやすいということもあり、ハイブリッド型ミュウVMAXを考察して使用することに決定しました。
ただ、ハイブリッド型ミュウVMAXも万能ではなく、具体的に言うと事故率の高さとプレイングの難しさという欠点を有しているということも同時に分かりました。上記でも記載の通り、フュージョン型ミュウVMAX自体の事故率が高い上にデッキを回すという意味では邪魔になる頂への雪道を複数枚採用しているため、事故率が高いのは当然と言えます。また、取り得るプレイングの選択肢がフュージョン型、雪道ダブルターボ型よりも多いため、プレイングも必然的に難しくなります。事故率の点については構築でなるべくケアしているつもりなので詳細は3章に記載しています。
3. デッキリスト
以下が3/12(日)に参加した第5回カードラッシュCS(3人チーム戦)にて私が使用したデッキリストになります。
前回記事でも記載していますが、サイド落ちの確認が必要なカードについては試合中に素早く確認して時間の消費を減らすこと、試合中の疲労度を上げないことを目的として、カードのレアリティを上げることでカードの視認性を重要視しています。具体的には以下のカードについてはカードのレアリティを揃えています。
フュージョンエネルギーはミラー以上のレアリティが存在しないのでミラーとしていますが、他のカードについてはサポートをHR、サポート以外をURでまとめています。
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。以降の内容については、有料記事とさせていただきます。以降の内容は、デッキリストの解説(採用カード・不採用カード)、各対面への意識ポイントとなります。ここまでの内容を読んで、続きを読みたいと思っていただけましたら、ご購入をお願いいたします。
参考として、私が最初に公開した記事(無料記事)や私の予想以上にご購入頂けました前回記事(有料記事)はこのような内容で記載しています(ご購読頂いた方、本当にありがとうございました)。本記事についても、概ね同程度の分量と内容で記載しております。また、本記事を購入して頂いた方にはTwitter(@santa_jpnjpnjpn)のDMにてご質問を頂ければ回答いたします(可能な限り速く回答します)。DMにて特に多く頂いた質問については、有料部分にて追記する予定です。
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