【PJCS2022 ベスト64】ミュウVMAX解説(全文無料・投げ銭式)(27000字超)
1. はじめに
こんにちは、サンタマリアJAPAN(@santa_jpnjpnjpn)と申します。
私は関東でポケモンカードをプレイしている社会人です。ポケモンカード歴は本記事執筆時点で3年弱で、ポケモンカード公式大会の実績としては以下のような実績を持っています。
今回、6/11(土)、12(日)の日程で開催された「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022」(以下、JCS2022)のカードゲーム部門に参加し、1日目の予選を62位で通過し、総合ベスト64の成績を収めることができましたので、その備忘録としてnoteを投稿します。
私自身初のnote投稿ということで文章構成や内容に拙い部分はあると思いますが、ご了承いただければと思います。また、本記事は全文無料公開の投げ銭式とさせていただきますので、記事の内容を気に入っていただけましたら投げ銭いただけますと幸いです。
※記事の本文中ではカード名、デッキ名が多く記載されますので、一部略称を使用します。
2. ミュウVMAXを使用した理由
2.1. 環境考察
今の環境を語る上で外せない2つのデッキタイプが存在します。それはオリジンパルキアVSTARとミュウVMAXです。
オリジンパルキアVSTARはHP280、気絶させられてもサイドが2枚しか取られないという圧倒的耐久パフォーマンスに加え、技あくうのうねりはエネルギー2つという技速度から素の打点で最大260の打点を出すことができ、こだわりベルトやクイックシューター等の補正があればVSTARポケモンまで一撃で気絶させられる火力を持ちます。VSTARパワーのスターポータルも強力で、エネルギーの手貼り込みでアタッカーを1ターンで2体育てることが可能です。スターポータルのおかげでかがやくゲッコウガやインテレオンを非ルールのアタッカーとして運用することも容易であり、相手にサイド2-2-1-2を押し付けることも可能です。同じ水タイプのジメレオン、インテレオンの特性裏工作を活用することで盤面の再現性も高くスキがありません。
ミュウVMAXは気絶させられた際に取られるサイドの枚数は3枚のVMAXポケモンでありながらHP310と耐久は低めですが、その分攻撃能力と技の汎用性が高く、無色エネルギー2つで使用できる技クロスフュージョンはベンチのフュージョンポケモンの技を何でもコピーできます。ゲノセクトVのテクノバスターは多くのVポケモンのHPラインに近い210ダメージを出せ、メロエッタのメロディアスエコーはVSTARポケモンの最大HPである280ダメージまで出すことができます。その他にミュウVのサイコジャンプは技の使用後に山札に戻ることで実質回復技として使用可能、オドリドリのじょうねつのしずくはダメカン5つを自由にばら撒くためダメージ調整に使用可能、更にミュウVMAX自体のダイミラクルも貫通技としてジュラルドンVMAXやミルタンクの特性を無視してダメージを与えます。ドローエンジンとしてゲノセクトVのフュージョンシステムは強力でミュウVMAXの盤面再現性を支えており、専用グッズであるパワータブレットによってVSTAR、VMAXポケモンを一撃で気絶させることも多々あります。
私が考える強いデッキタイプの条件として以下があります。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、この3つの条件をクリアしているデッキタイプは意外に多くなく、この条件を今の環境でクリアしているのはオリジンパルキアVSTARとミュウVMAXのみだと私は考えています。このことから今の環境でのデッキタイプ使用率のトップ2がオリジンパルキアVSTARとミュウVMAXになるのは必然であり、この傾向はJCS2022でも変わらないだろうと考えました。
勿論、オリジンパルキアVSTARとミュウVMAXばかりが使用されるようになればこれらのメタデッキが流行ることも予想されますが、片方のデッキは対策できてももう片方のデッキを対策するというのは想像以上に難しいです。加えてオリジンパルキアVSTARとミュウVMAXが流行っているとはいえその他のデッキタイプも存在はしており、メタデッキはメタに寄せている分デッキ全体のパワーは低くなるため、その他のメタ外デッキに足元を掬われる可能性は少なくないと考えています。そのためメタに寄せたデッキの使用率が高くなるとはあまり考えられず、各デッキタイプが持つ純粋なデッキパワーと各デッキタイプの使用率は概ね比例するものと考えました。これらの思考から、私が考えたTierランクは以下になります。
2.2. デッキ選択
私が実際に使用するデッキについて考えた際、意識したポイントは以下でした。
正直に言うと、①の条件を考えた時点で使用できるデッキタイプがオリジンパルキアVSTARかミュウVMAXの二択になってしまいました(ただJCS2022優勝がレジギガスだったことを考えると、もう少し他のデッキも検討して良かったかもと思っています…)。
では選択肢として残ったオリジンパルキアVSTARとミュウVMAXのどちらを選択するかですが、正直な感想では純粋なデッキパワーだけ見ればオリジンパルキアVSTARが最強だと考えています。しかしオリジンパルキアVSTARも私自身少し練習し、ミュウVMAXと比較して劣っていると考えられる点を見つけました。それは先攻1ターン目の安定性です。
ミュウVMAXはデッキの性質上、たねポケモンが多いこととボール系を大量に採用すること、ゲノセクトVの特性フュージョンシステムが先攻1ターン目から使用してドローできることから、初手の盤面展開が比較的安定します。一方でオリジンパルキアVSTARの場合はバトルVIPパスやキャプチャーエネルギーを多く採用したとしても、先攻初手で引ける枚数は7枚(スタートポケモン含めて8枚)であり、その7枚で満足な盤面展開をすることが意外に難しいと感じました。アルセウスVSTARの場合はVSTARパワーのスターバースがあるためメッソンとアルセウスVを展開できていれば次ターンのジメレオン進化→裏工作から何とか盤面を作れますが、オリジンパルキアVSTARの場合はそうも行かず満足な盤面を作るためにはメッソンが複数枚欲しいということもあり、先攻初手の盤面展開のハードルという意味で上記条件の②③を満たせないのではと考えました。以上の考えから、
と徐々に考えるようになり、JCSのような長期戦を考えたときに初手事故による負けを防ぐことを優先したいと考え、ミュウVMAXを選択することを考えました。
また、使用率の高いデッキタイプを使用する際に避けて通れないのがミラーマッチです。ミラーマッチを考える際に先攻か後攻はかなり重要な要素で、ミラーマッチは基本的に同じ動きをするため先に攻撃できる先攻が有利になることがほとんどです。オリジンパルキアVSTARではこの傾向が特に顕著だと考えています。一方でミュウVMAXでは後攻から攻撃する手段があり、後攻の方が勝利までの要求が高く不利なのは間違いないですが、それでも後攻からでも捲れる可能性が現実的にあり得るのは魅力的でした(逆に言うと先攻を取っても捲られる可能性もありますが、少なくともオリジンパルキアVSTARのミラーマッチよりはじゃんけんによる運の要素を軽減できると考えました)。
上記以外にもVSTAR同士の対面のゲーム展開はどうしても攻撃回数が増えてしまうことから時間切れが発生し得ることが分かっており、それを避けるためには練度を高める必要があります。しかし、私自身がオリジンパルキアVSTARのミラーマッチ練習に時間を割ける環境、状況に無かったことからオリジンパルキアVSTARの使用を諦め、ミュウVMAXの使用を決定しました。
3. デッキリスト
以下がJCS2022にて私が使用したデッキリストになります。
3.1. 採用カード解説
●ポケモン 15枚
・ミュウVMAX - ミュウV 3枚 - 4枚
ミュウVMAXは大体の対面で2体は使いたいため、サイド落ちや途中でコストとしてトラッシュしてしまうことを考慮して3枚採用です。
ミュウVは世間的には3枚採用の構築が多いですが、ミュウV4枚採用には以下のメリットがあると考え、本構築では4枚採用しています。
・ゲノセクトV 4枚
デッキを回すためのドローエンジン、かつクロスフュージョンのコピー先として最も使用する技であるテクノバスターを持っているため、問答無用の4枚採用です。
・メロエッタ 2枚
メロディアスエコーが強く、アルセウス、パルキアといったHP280のVSTARポケモンを気絶させるためにフュージョンエネルギー4枚を盤面に揃えて突破していく役割から、カミツレのきらめきを使用して後攻1ターン目から200以上の打点を出す役割等があり、ミュウVMAXをTier1に押し上げた原動力である1枚だと考えています。非ルールポケモンであることもメリットとして大きく、ゲーム中に1枚は使用することが多いため2枚採用です。
・オドリドリ 1枚
色々な対面に対して地味に強い1枚です。ですが調整開始当初は実は採用を疑っていました。特にオリジンパルキアVSTAR対面で強い(オドリドリを出しておけばあくうのうねりでのミュウVMAX一撃気絶を防げるから強い、かつメロエッタに対するかがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんでの気絶を防げるから強い等)という意見に対して、オドリドリ自身をボスの指令で呼び出される、もしくはクイックシューターでダメカン調整されると結局げっこうしゅりけんでオドリドリが気絶させられるため、あまり意味がないのではと考えていました。しかし色々な対面を考えたときにオドリドリの有効性が分かってきました。例えば、
等が挙げられます(他にも有効なプレイングはあると思います)。オドリドリが無いと勝てない対面は多くないですが、地味に色々な対面に対しての勝率を上げてくれるカードとして考えており、JCSの予選序盤は特に色々な対面が考えられるため幅広く有効なオドリドリを採用しました。
・バケッチャ 1枚
頂への雪道対策のカードです。最近ではバケッチャを抜いて、ベンチスペースを埋めながらフュージョンシステムでデッキを回し、かつトレッキングシューズを入れて回転率を上げてデッキを圧縮することで、終盤の頂への雪道+ツツジに対抗するためのスタジアムを引ける、もしくはドローできなくても困らない盤面を先に作れるという考えが流行っています。この考え方でしばらく調整していましたが、やはりどうも上手くスタジアムが引けずに負けることが多かったので、霧の水晶を入れていることもあってバケッチャを採用するに至りました。BO3ならともかくJCS予選はBO1のため、頂への雪道+ツツジでの事故による1敗は避けたかったです。
ちなみに序盤で引いてしまったバケッチャは邪魔であれば迷わずトラッシュします。その際はバケッチャ抜き構築と同じ考え方で、序盤〜中盤に極限までデッキを圧縮していき終盤に備えるという考え方でゲームを進めます。あくまでバケッチャは保険であり、バケッチャに踊らされて盤面を展開できないのは本末転倒です。
●グッズ 28枚
・クイックボール - ハイパーボール - バトルVIPパス 4枚 - 4枚 - 4枚
ミュウVMAXのデッキは盤面にフュージョンポケモンを展開することが最重要であり、汎用性の高いこれらのボール系は最大枚数採用が必須であると考えています。
バトルVIPパスは初手で引けたら当然使用しますが、クイックボールとハイパーボールは手札を捨てられることがメリットになり得るため、ある程度盤面が完成してからは適当に使用せずに手札に残しておくのもプレイングの1つです。また、頂への雪道を使用してくる可能性のある対面では、バケッチャをサーチできるカードとしても残しておく必要があります。
・霧の水晶 2枚
採用の有無が分かれるカードですが、個人的にはかなり重要なカードだと思っています。というのも、ミュウVMAXの敗北要因として初手でフュージョンポケモンを展開できず押し負けるパターンがかなり多く、そういう意味ではボール系が上述の12枚で足りるとは思っていません。霧の水晶はゲノセクトVこそサーチできませんが、ミュウV、メロエッタを呼べる上に頂への雪道対策のバケッチャといざというときの基本超エネルギーまでサーチでき、汎用性もかなり高いと考えて2枚採用しています。ミュウVMAXのデッキポテンシャル自体が高いので、あとは事故らずにそのポテンシャルを活かすための安定札を多く採用するという考え方です(特にCL、JCSのような長期戦であればこの考え方はより重要だと思っています)。
・ウッウロボ 4枚
表が出たときのメリットが大き過ぎるため、ウッウロボは調整してて必須だと思いました。初手で盤面展開用のバトルVIPパス、後攻1ターン目からのメロディアスエコーを決めるためのカミツレのきらめきやフュージョンエネルギー、中盤以降は適宜必要な入れ替え札、パワータブレットやボスの指令、ダブルターボエネルギー、終盤に飛んでくる頂への雪道+ツツジの返しとしてスタジアム等、何でもサーチ可能なのは想像以上に強力でした。裏が出たとしてもゲノセクトVのおかげでドローにつながるため、ほとんどデメリットがありません。感覚的にはミュウVMAXに許された裏工作みたいなイメージで、想像以上のパワーカードだったので4枚採用です。
余談ですが私自身5月まではウッウロボを持っておらずウッウロボ否定派だったのでした。しかしウッウロボが強すぎることに今更気付き、ウッウロボの値段が多少下がったタイミングで4枚購入しました…笑
・ポケモンいれかえ - あなぬけのヒモ 2枚 - 2枚
入れ替え札は合計4枚採用です。合計3枚にしている構築もありますが、テクノバスターの返しに攻撃できない展開があると昨今の高速環境では負けに直結するので減らしたくないのが個人的な考えです。また、展開的にミュウVMAX側が有利になるとワンチャンス賭けてボスの指令でゲノセクトVをバトル場に呼び出されて縛られる可能性があるので、その意味でも入れ替え札は多くしておきたいです。アイアントLOにも強く出られます。
比率としてはバトル場へ攻撃したい時とベンチから呼び出して攻撃したい時どちらも同じくらいの確率で発生するイメージのため、ポケモンいれかえとあなぬけのヒモ2枚ずつにしています。
・パワータブレット - こだわりベルト 4枚 - 2枚
一番一般的な比率にしています。VSTAR対面からミラーやジュラルドン等のVMAX対面、サイコジャンプを上手く使用しないといけない非ルール対面等、基本的に使用しない対面はないのでパワータブレットは最大枚数採用で、こだわりベルトはアタッカーとなるポケモン2体に付けられれば良いので2枚採用です。
●サポート 7枚
・カミツレのきらめき 3枚
メロエッタの項でも記載しましたが、後攻1ターン目からのメロディアスエコーを決めるためにも必須であり、メロディアスエコーで280を出すのにも必須なカードです。必要なタイミングでなるべく引きたいのですが、4枚採用は終盤で手札に余りフュージョンシステムの邪魔になるため3枚採用です。
・ボスの指令 3枚
ミュウVMAXの速攻性能と相性が良い1枚。カミツレのきらめきと同様の理由で3枚にしていますが、フュージョンシステムのドロー性能やウッウロボのおかげで割と必要なタイミングで手札に持ってくることが可能です。
・シマボシ 1枚
パワータブレットの再利用等、必要なカードを再利用するためのカード。ダンデと採用を迷ったカードですが、パワータブレットの再利用以外にも序盤にコストにしてしまったり相手にトラッシュさせられたフュージョンエネルギーやダブルターボエネルギー、また適宜必要になる入れ替え札等も再利用でき、ダンデよりも汎用性が高いと考えて採用しました。1/4の確率で何もできないカードになりますが、1/4のリスクよりも汎用性というリターンが勝ってる印象です。
●スタジアム 3枚
・ローズタワー - コトブキムラ 2枚 - 1枚
バケッチャも採用していることから、頂への雪道対策としてはスタジアムは合計3枚あれば良いと考えています。その中でミュウVMAXの動きと一番親和性のあるスタジアムがローズタワーでした。トレッキングシューズがスタジアムになったような感覚で使用感が良かったので2枚採用とし、残り1枚は初手事故回避のためのコトブキムラを選択しました。CLやJCSのような長期戦を勝ち抜くためには事故回避が最も重要です。
●エネルギー 7枚
・基本超エネルギー - フュージョンエネルギー - ダブルターボエネルギー 1枚 - 4枚 -2枚
まず、ミュウVMAXのデッキではアタッカーを2体もしくは3体作ることが多く、また1体のアタッカーにエネルギー2つを付けることになります。そのため1ゲーム中に必要なエネルギーの合計は6枚になりますが、サイド落ちやコストにすることも考慮し、エネルギーの枠は合計7枚がベストであると考えています。フュージョンエネルギーはメロディアスエコーの関係上で4枚必須として残りをどういう比率にするかですが、本構築では霧の水晶を採用していることから基本超エネルギーを1枚採用し、残りをダブルターボエネルギーとしました。基本超エネルギーの使用感は悪くなく、エネルギーが引けずに攻撃できない確率を減らしつつ、ハピナスミルタンク等で採用されるイベルタルの破壊の叫びのケアにもなります。
3.2. 不採用カード解説
・コオリッポ(フュージョン)
非ルールのアタッカーの選択肢で、フュージョンエネルギーを集めればベンチ狙撃が可能、かつコオリッポ自体が警戒されてないので見せなければマナフィで防がれることがないので通りは良さそうです。今の環境だとベンチ狙撃よりも打点を意識したほうが良いと考えており、メロエッタの方が打点を出せるためにメロエッタを優先しました。非ルール相手が流行るようであればコオリッポも採用が検討できると思います。
・かがやくルチャブル
詳細は4章で記載しますが、ミュウVMAXミラー対面にて後攻を取った場合にミュウVMAXを一撃で気絶させる必要が出てきます。その際にボールからサーチできるパワーアップアイテムとしてかがやくルチャブルの採用を考えましたが、ベンチ枠を埋めてしまう点が強くなく、シマボシを優先しました。
・トレッキングシューズ
不採用カードの中で一番真剣に採用を検討したカードです。ドローすることでデッキを進められるので必要なカードを引ける確率が高まります。リスクはほぼ無く使いやすいカードですがリターンも大きくないため、本構築では霧の水晶やウッウロボを優先した形です。霧の水晶の項でも記載しましたが初手でポケモンを展開できずに負けるのが一番発生し得る負けパターンであり、これをケアしようと思うとクイックボール、ハイパーボール、バトルVIPパス以外に採用したいグッズの優先度としては、
になるという感覚を持っています(個人的な感覚ですが)。ウッウロボと比較しても、ミュウVMAXにおいてウッウロボはミドルリスクハイリターン、トレッキングシューズはローリスクローリターンなカードだと考えており、差し引きのリターンが勝ってるのはウッウロボだと考えました。
また、世間的にはバケッチャを抜いてもトレッキングシューズを入れて回転率を上げることで頂への雪道+ツツジに対抗するためのスタジアムを引ける…という考えがありますが、実際試してみてピンポイントで都合良くスタジアムを引けることがほぼ無く、デメリットこそあるものの確実に対応できるバケッチャを優先したためにトレッキングシューズは枠の都合もあって不採用としました。
・スマホロトム
トレッキングシューズの項で記載した通りですが、スマホロトムの優先度は低いと考えたために不採用としました。5枚見ても解決札に当たらないことは往々にして発生し、確実にサーチできる霧の水晶やコストとコイントスは必要なものの万能サーチになり得るウッウロボの方が優先度が高いです。
・回収ネット
4章で詳細を記載しますが、オリジンパルキアVSTAR対面でメロエッタが棒立ちしているとかがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんで効率良くサイドを取られてしまい負けに直結します。そのためスタートしてしまったメロエッタを回収できる、またバケッチャを再利用できる入れ替え札として試しましたが、ボスの指令で呼び出されたゲノセクトVを入れ替えられないデメリットがあまりにも大きく、無難にポケモンいれかえを優先しました。上手く使えれば強いと思います。
・クロススイッチャー
後述のピオニーとセットで使い、入れ替え+ボスの指令になるのがかなり強いと考えて採用を検討しました。ピオニーとの組み合わせは理論上はかなり強いと思ったのですが、実際に使ってみてクロススイッチャーを使いたくない場面で手札に余ってしまい、フュージョンシステムの邪魔になることが多発したために不採用にしました。実際に回してみることの大事さを知りました…。
・やまびこホーン
HP280のVSTARやジュラルドンVMAX等、ミュウVMAXで倒しづらいポケモンを押し付けられた場合にもサイドプランとして2-2-2を通せる可能性のあるカードで、実際に使って強かったです。ただしやまびこホーン入りのミュウVMAXが世間的に一般的となり、普通の釣り竿やベンチを非ルールで埋める等のプレイングで対策されることも多く、意外と有効に使えるケースが少なくなってきたため、枠の都合で不採用にしました。アルセウスジュラルドンの対策カードとして必須だと考えていましたが、意外とやまびこホーン無しでも5分5分くらいには戦えます。強いカードではあると思うので61〜62枚目のカードのイメージです。
・ともだちてちょう
序盤にコストとして捨ててしまったボスの指令を回収する役割があり、調整当初は採用していて実際便利だったのですが、ある日抜いてみて無くても何とかなると感じたので不採用にしました。不採用にする明確な理由はないので、やまびこホーン同様に61〜62枚目のカードのイメージです。
・ダンデ
シマボシの項で書いた通り、シマボシの汎用性を優先した形になります。確実性を優先するなら採用もありだと考えています。
・マリィ
初手の事故防止かつ裏工作やアルセウスジュラルドンに対して有効に働くカード。ミュウVMAXの手札干渉はあまり警戒されてないために割と有効に働くことも多いのですが、初手の事故防止としてサポート権を使うのが強くなく、ミラーにも刺さらないことから不採用としました。
・ピオニー
上述のクロススイッチャーとの組み合わせの他、必要なタイミングで入れ替え札、パワーアップアイテム、スタジアム等を回収でき、デメリットもフュージョンシステムで補えると思いましたが、実際に使ってると手札を全て捨ててしまうので既に引いてしまったリソースを手札に抱えておけないことが想像以上に使いづらく、不採用としました。後攻1ターン目にバトルVIPパス回収で事故防止も可能ですが、ピオニーを使うということはカミツレのきらめきが使えず攻撃が遅れるので、今の高速環境に向いていないと思いました。
・いにしえの墓地
頂への雪道対策としてのスタジアム枠、かつ20ダメージが入るとパワータブレット1枚分浮く可能性があるので採用を検討しました。しかし頂への雪道対策として使用する場合先貼りするのは好ましくなく、オリジンパルキアVSTAR相手だとスターポータルでエネルギーを貼ってくることも多いためにあまり有効に使えない印象があったため、ドローでデッキを回せるローズタワー、コトブキムラを優先しました。
・トレーニングコート
いにしえの墓地同様で頂への雪道対策としてのスタジアム枠として考えましたが、基本エネルギーが1枚しか入れていないために有効活用できないと考えて不採用にしました。基本エネルギー2枚以上採用であれば、エネルギートラッシュやジュラルドンVMAXのケアとして有効に使えるのではと考えています。
・悪の塔
こちらも他のスタジアムと同様で頂への雪道対策としてのスタジアム枠、かつドローを進められるスタジアムとして考えましたが、頂への雪道対策なのにドロー効果を使う場合に悪の塔の現物を捨てないといけないことに矛盾を感じ、不採用としました。
・ホラー超エネルギー
20ダメージが大きいのはいにしえの墓地で分かっていたのでホラー超エネルギーの採用も検討しましたが、霧の水晶とのシナジーを考えて基本超エネルギーを優先しました。ダメージソースはシマボシで補うことで対応しました。
4. 各対面への意識ポイント
私が大会にて対戦する可能性のあると考えた対面への意識ポイントを、私自身が把握している限りで記載します(あくまで私個人の考えなので、誤りが含まれている可能性はあります)。
4.1. vsオリジンパルキアVSTAR
※JCS2022後に世に出回り始めたターボパルキアではなく、裏工作を利用するオリジンパルキアVSTARを想定します。
先攻:5分〜微有利、後攻:微不利
ミュウVMAXとオリジンパルキアVSTARの対面は飽きるほど練習しました。正直最初は不利対面だと思っていましたが、戦い方が分かってくると明確な不利対面では無いと分かってきました。
ミュウVMAXから見て、オリジンパルキアVSTARに対して警戒すべきパターンは以下になります。
①(サイドプラン2-2-2によるゲーム進行)については防ぐ術はありません。特にオリジンパルキアVSTAR側が先攻2ターン目からボスの指令、クロススイッチャーを連発して来た場合の対抗策はありません。しかし、世間のオリジンパルキアVSTARの構築はクロススイッチャー採用型と不採用型がおよそ半々くらいの印象で、不採用型で2-2-2のサイドプランを進める場合はボスの指令にサポート権を使用することになるため、博士の研究やカイを使用できずに息切れすることが多いです。そのため現実的にはボスの指令3連発からの2-2-2のサイドプランは実現できないと考え、上記①(サイドプラン2-2-2によるゲーム進行)のパターンは無視できるものと考えました(ただしクロススイッチャー採用型の場合はクロススイッチャー2回とボスの指令1回を撃つ余裕がそれなりにあり、無視できないものと考えます)。
②(ミュウVMAXの一撃気絶)についてはベンチをお互いがフル展開した場合のオリジンパルキアVSTARの技あくうのうねりが260ダメージになるため、こだわりベルト+ダンデやこだわりベルト+クイックシューター、アクアバレットの20ダメージにてミュウVMAXが気絶します。ミュウVMAXが一撃で気絶してしまうとサイドプラン3-1-2を3回の攻撃で通されてしまうため、サイドレースで間に合わなくなる可能性が高くなります。
これを防ぐにはベンチポケモンの数を絞る、オドリドリをベンチに出す等の対策が考えられます。
③(かがやくゲッコウガによるサイド複数枚取り)についてはかがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんがポケモン2体に90ダメージずつ与えるためメロエッタを気絶させることが可能で、オリジンパルキアVSTARの技あくうのうねりで220ダメージ以上のダメージを受けているミュウVMAXも同時に気絶します。このプランを通されるとオリジンパルキアVSTARとかがやくゲッコウガの攻撃1回ずつでサイドを4枚取られることになるため、結果的に②(ミュウVMAXの一撃気絶)同様にサイドプラン3-1-2を3回の攻撃で通され、サイドレースで間に合わなくなる可能性が高くなります。
これを防ぐにはオドリドリをベンチに出してダメージを軽減すること…と言いたいのですが、オドリドリは水弱点でありボスの指令でオドリドリをバトル場に呼び出されてしまうとげっこうしゅりけんで気絶してしまうため、あまり有効な対策になっているとは言えません(他にもベンチに出ているオドリドリの特性込みでげっこうしゅりけんを70ダメージに軽減しても、クイックシューターやアクアバレットの20ダメージでオドリドリが気絶することもあります)。本当に有効な対策は非ルールポケモンを場に出さないこと、またはミュウVMAXがダメージを受けたタイミングでサイコジャンプで山札に戻って回復することだと考えています。他にも非ルールポケモンを場に出してしまった場合は、なるべくオリジンパルキアVSTARの攻撃で非ルールポケモンが気絶するようにし、先にサイドを1枚取らせれば残りのサイド5枚を2回の攻撃で取りきることは②(ミュウVMAXの一撃気絶)のパターン以外はありません。
④(頂への雪道+ツツジによる行動停止)についてはオリジンパルキアVSTAR対面に限ったことではありませんが、頂への雪道をトラッシュできるようにバケッチャをベンチに出すスペースを作っておくこと、スタジアムをなるべく残しておいてデッキを圧縮しておくこと、または頂への雪道を貼られても問題ない盤面を先に作っておく(サイドを先行しつつ無傷のミュウVMAXを2体育てておく等の)ことが対策として重要です。
上記のパターンを踏まえて、先攻と後攻での理想盤面と展開について説明します。
先攻:前提として、先攻の場合は相手の理想のサイドプランに持ち込まれてもこちら側が2-2-2のサイドプランを通せれば勝てます。そのため考えることは
となります。つまり(1)のプラン(2-2-2のサイドプランを通せるか)であれば先に3回攻撃できれば勝てますし、(2)のプラン(相手の理想のサイドプランを防ぐことができるか)であれば相手に4回の攻撃を強要しながら先にこちらが4回の攻撃でサイドを取り切れれば勝ちになります。
(1)のプラン(2-2-2のサイドプランを通せるか)を通すためには、非ルールポケモンを無視してサイドを2枚ずつ取る必要がありますが、サイドを2枚取る方法は大きく分けると以下の3つになります。
上記リストの上から順番に実現難易度が低いため、例えば[1]でオリジンパルキアVを2体気絶、[2]でオリジンパルキアVSTARを1体気絶等が理想の展開です。[1]はボスの指令とこだわりベルトとパワータブレット、[2]はフュージョンエネルギー、[3]はこだわりベルトとパワータブレットの枚数に依存するため、どのプランを取れるかを適宜判断する必要があります。
(1)のプラン(2-2-2のサイドプランを通せるか)を通すためにはひたすらデッキを回せば良いので、初手の理想盤面はミュウV2体、ゲノセクトV3体、メロエッタになります。先攻2ターン目からサイドを2枚ずつ取りに行くだけです。後攻2ターン目からミュウVMAXを一撃で気絶させる盤面を作るのは難しく、また盤面が完成してしまえば頂への雪道+ツツジもそう怖くはないはずなので、あまり気にせずベンチを展開しても問題無いと考えています。
フュージョンエネルギーやパワータブレットがサイド落ちしており、(1)のプラン(2-2-2のサイドプランを通せるか)が実現できそうにない場合は(2)のプラン(相手の理想のサイドプランを防ぐことができるか)について考えます。この場合は警戒パターン②③④(ミュウVMAXの一撃気絶、かがやくゲッコウガによるサイド複数枚取り、頂への雪道+ツツジによる行動停止)をケアしないといけないため、かなり慎重なプレイングが必要です。②③④(ミュウVMAXの一撃気絶、かがやくゲッコウガによるサイド複数枚取り、頂への雪道+ツツジによる行動停止)の対策方法を総合すると、(2)のプラン(相手の理想のサイドプランを防ぐことができるか)を通すための初手の理想盤面はミュウV2体、ゲノセクトV3体の盤面、またはミュウV3体、ゲノセクトV2体、オドリドリの盤面になると考えています。
ミュウV2体、ゲノセクトV3体の盤面は警戒パターン②③④(ミュウVMAXの一撃気絶、かがやくゲッコウガによるサイド複数枚取り、頂への雪道+ツツジによる行動停止)全てをケアできており、ミュウV3体目を出してサイコジャンプで回復することや、フュージョンエネルギーが集まった段階でメロエッタを出してメロディアスエコーを撃つことも可能であり、理想の盤面といえます。欠点はフュージョンポケモンが5体しか存在しないためフュージョンシステムのドロー枚数が少なくなること、やまびこホーンで盤面が埋まってしまうことが挙げられますが、一番欠点の少ない盤面と考えています。
ミュウV3体、ゲノセクトV2体、オドリドリの盤面はオドリドリによって警戒パターン②(ミュウVMAXの一撃気絶)をケアできており、ミュウVMAXがダメージを受けた際にサイコジャンプで山札に戻って回復することで警戒パターン③(かがやくゲッコウガによるサイド複数枚取り)をケアできています(サイコジャンプを使う際にボスの指令やあなぬけのヒモを使ってメッソンやジメレオンを呼び出し、サイドを取りながら山札に戻ることが重要です)。また、同時にやまびこホーンもケアできています。欠点はゲノセクトVが2体しか存在しないため、フュージョンシステムの使用回数が少なくなることです。
(2)のプラン(相手の理想のサイドプランを防ぐことができるか)でゲームを進める場合はこのどちらかの盤面作りを目指しますが、どちらも一長一短なのでどちらの盤面が作りやすそうかをゲーム中に判断して作る盤面を決定します。
後攻:後攻の場合のゲーム展開は概ね3パターンに分かれます。
(1)'の展開が理想で、この場合は2-2-2のサイドプランを通せば勝てるため先攻時の(1)のプラン(2-2-2のサイドプランを通せるか)に沿って戦うことで後攻でも有利になります。
(2)'の展開は1-2-2-1のサイドプランとなるため、相手に2-2-2のプランを通されたら負けになります。一方で攻撃後のメロエッタがオリジンパルキアVSTARに攻撃されてお互いのサイドが5枚になる展開であれば、先攻時の(2)のプラン(相手の理想のサイドプランを防ぐことができるか)で進めれば勝機があります。
(3)'の展開はサイドを先行されます。この際、相手に2-2-2のプランを通されたら負け確定になります。一方で非ルールポケモンが攻撃を受けて相手に4回の攻撃を強要できるのであれば、先攻時の(1)のプラン(2-2-2のサイドプランを通せるか)を通せば勝てる可能性があります。
現実的には(1)'の展開になることは少ないため、(2)'の展開で進める想定が良いと考えます。その場合の初手の理想盤面はミュウV2体、ゲノセクトV3体、メロエッタになります。メロエッタが気絶した後はミュウV2体、ゲノセクトV3体、もしくはミュウV2体、ゲノセクトV3体、オドリドリと盤面を作って警戒パターン②(ミュウVMAXの一撃気絶)をケアしながらゲームを進めます。
ここまで色々記載しましたが、私の感覚では先攻の方が若干有利で後攻の方が若干不利という印象です。また、色々記載はしたもののどの盤面を作っても何かしらの裏目はあるためどれが完全に正解とは言い切れません。オリジンパルキアVSTAR対面の考慮ポイントは多岐に渡るため、現状の私の思考の範囲内で暫定的にこれが良さそうというのを記載しました。オリジンパルキアVSTAR対面は考えることが多くて大変ですが、一方で考えることが多くて楽しいので一番好きな対面でもあります。プレイング次第でどうとでもなる対面でもあると思っているので、擦りがいがあります。
4.2. vsミュウVMAX
先攻:微有利、後攻:微不利
要求の勝負です。先攻の方が勝利までの要求が低いため有利ですが、後攻でも順当に動ければ勝てる可能性は十分にあります。
先攻:サイドプラン2-2-2を狙います。初手の理想盤面はミュウV2体、ゲノセクトV2体、メロエッタ、オドリドリです。後攻1ターン目のメロディアスエコーでVポケモンが気絶させられると捲られるので、必ずメロエッタまたはオドリドリをバトル場に出し、出来ればあなぬけのヒモのケアでベンチにも非ルールポケモンを出しましょう。後攻1ターン目を凌げば、あとは相手のVポケモンをボスの指令を使いつつ気絶させていくだけです。先攻2ターン目は可能であればフュージョンエネルギーの付いたミュウVを気絶させておくと、相手のミュウVMAXが攻撃するのにダブルターボエネルギーが必要になることがほとんどなので、オドリドリをベンチに出しておけるとパワータブレットの要求枚数を増やすことができます(ダブルターボエネルギーの-20とオドリドリの特性-20でテクノバスターのダメージが170になるため、ミュウVMAXのHP310を削り切るためにはこだわりベルト、パワータブレットの枚数が合計5枚必要になります)。
後攻:サイドプラン1-3-2を狙います。初手はとにかくメロエッタでメロディアスエコーを狙い、相手のバトル場のポケモンを気絶させます。この際、カミツレのきらめきの対象は可能であればメロエッタとオドリドリを指定し、Vポケモンを倒されてもフュージョンエネルギーが残るようにできるとメロディアスエコー280ダメージが狙いやすく、ミュウVMAXを一撃で気絶させられる可能性が高まります。そのため理想盤面はミュウV2体、ゲノセクトV2体、メロエッタ、オドリドリになりますが、第一優先はメロエッタをメロディアスエコーを成立させることなので、オドリドリの枠をゲノセクトVにしてドロー優先することも多々あります。
メロディアスエコーを決めて最低限サイドを1枚取った後は、ミュウVMAXを一撃で気絶させる必要があるため、こだわりベルト、パワータブレット、シマボシがかなり重要になります。上手く行けば後攻3ターン目で勝負が決まります。パワータブレットの残り枚数的にミュウVMAXを一撃で気絶させられない場合、ゲノセクトVをボスの指令で呼び出しつつオドリドリのじょうねつのしずくでミュウVMAXにダメカンを乗せつつ1ターン動かないことをお祈りします。
4.3. vsヒスイゾロアークVSTAR
先攻:微有利、後攻:微有利
お互いがお互いを一撃で気絶させ得る対面である一方で、ミュウVMAXとヒスイゾロアークVSTARでは気絶したときに取られるサイド枚数が違うため、ミュウVMAX側は2-2-2のサイドプランを取って速攻で勝利を決めたい対面です。しかしヒスイゾロアークVSTARにはディアンシーが採用されているため、先攻2ターン目テクノバスターからヒスイゾロアークVを気絶させることは意外と難しいです。ミュウVMAXを適当にバトル場に出してしまうとヒスイゾロアークVSTARから一撃で気絶させられてサイドレースで不利になってしまうため、適宜サイコジャンプを上手く使いつつメロエッタを壁にしながらヒスイゾロアークVSTARの攻撃をかわしていくことがポイントになります。
先攻:後攻1ターン目で相手のバトル場にディアンシーが出てくるかがポイントです。ディアンシーが出てこないのであれば、オドリドリをベンチに出しつつボスの指令→ヒスイゾロアークVをバトル場に呼び出し、ミュウVMAXを一撃で気絶させられないことを祈りながら2-2-2のサイドプランを狙うでも良いと思います。
ディアンシーが出てくる場合は、あなぬけのヒモで対処可能であれば上記パターンで2-2-2のサイドプランを狙いますが、それも不可能であればメロエッタまたはミュウVのサイコジャンプで山札に戻りつつメロエッタを壁にしてディアンシーを攻撃し、1-1-2-2のサイドプランで進めるのが良いと思います。ヒスイゾロアークVSTAR側もボスの指令を撃ち続けて2-2-2を取るのは割と要求が高いので、結果的に4回の攻撃を強要させる形になればサイドレースでこちらが勝ちます。また、サイコジャンプやメロディアスエコーで非ルールポケモンを攻撃する際にかがやくルチャブルを攻撃できると後々ミュウVMAXが攻撃を耐える可能性が高まります(かがやくルチャブルは超弱点なのでサイコジャンプでも倒しやすいです)。
後攻:相手のバトル場のポケモンによって動きを変えます。ヒスイゾロアークVがバトル場にいる場合は迷わずメロディアスエコー210ダメージを狙い、サイドを2枚先行できればそのまま2-2-2のサイドプランに持ち込めます。
相手のバトル場のポケモンが非ルールポケモンの場合は1-1-2-2のサイドプランを強要されるので、こちらも1-1-3-3のサイドプランを相手に強要します。その場合の初手の理想盤面はミュウV3体、ゲノセクトV2体、メロエッタです。カミツレのきらめき(対象ミュウV2体)+手貼りでミュウVにエネルギーを集め、サイコジャンプで(相手のバトル場のポケモン次第ではパワータブレットも使って)山札に戻りながらサイドを取り、メロエッタを壁にします。相手の盤面の完成具合次第ですがヒスイゾロアークVSTAR側の攻撃要求もそれなりに高いため、先攻2ターン目ではベンチのミュウVが気絶しないことも多いです。バトル場のメロエッタが攻撃されるのであれば、ベンチのミュウVを進化させないままメロエッタ2枚目とカミツレのきらめきを使ってメロエッタのメロディアスエコーでヒスイゾロアークVSTARを気絶させます。こうすることで、相手としてはフュージョンエネルギーが盤面に残るためメロエッタを無視できず、結果的にはメロエッタ2体を相手することになって1-1-3-3のサイドプランを強要させることができます。後はミュウVMAXで攻撃し、オドリドリまでベンチに出せると相手の要求も上がって盤石です。
ヒスイゾロアークVSTAR側の攻撃要求も結構高いため、上手く戦えば先攻後攻ともに微有利だと考えています。
4.4. vsアルセウスジュラルドン
先攻:微有利、後攻:微不利〜5分
とにかく速攻を仕掛けます。やまびこホーンが入っていないのでジュラルドンVMAXが育ってしまったら苦しいです。そのため、先攻であれば2ターン目にテクノバスター、後攻であれば1ターン目にメロディアスエコーを撃ってアルセウスVかジュラルドンVを気絶させてサイドを先行し、相手の準備が整う前にサイドを取り切ることを目指します。先攻の方がサイドを取り切る要求が少ないため先攻の方が有利です。
相手の初手盤面は概ね以下のケースがあり得ます(ジュラルドンV2体のケースはほぼないと思います)。
①のケースは盤面のポケモンを気絶させれば勝ちなので迷うことなくデッキを回します。
②のケースはなるべくエネルギーの付いたアルセウスVを気絶させ、返しにキバナを強要させてマスタードの使用を防ぎたいです。
③のケースはジュラルドンVを気絶させたほうが安心に見えますがアルセウスVSTARに進化されるとマスタードを使われる可能性があるのでアルセウスVを気絶させるほうが無難です。ジュラルドンVMAXに進化されてもエネルギーが付いていなければ攻撃と回復はできないので、ダイミラクルで先に削りきれる可能性も割とあります。
④のケースはジュラルドンVを気絶させます。そうすればマスタードからジュラルドンVMAXが出てきても残ってるアルセウスを2体気絶させれば勝ちになります。
アルセウスジュラルドン対面ではあなぬけのヒモがほぼボスの指令になり得るので、後攻1ターン目からでもベンチのポケモンを呼び出して気絶させることが可能です。また、全体的に相手ポケモンのHPが高いのでパワータブレット等のパワーアップアイテムはかなり重要です。
4.5. vsアルセウス裏工作
先攻:有利、後攻:微有利
意識するポイントはオリジンパルキアVSTAR対面と似ていますが、オリジンパルキアVSTAR対面と違ってサイド2-2-2プランは取られづらく、ミュウVMAXの一撃気絶やかがやくゲッコウガも無いためオリジンパルキアVSTAR対面より楽なため、全体的に有利だと考えています。その代わり大きなお守りやかがやくサーナイト、チェレンの気配りがは採用されているため耐久が高く、パワータブレットの枚数やメロディアスエコー280ダメージを積極的に狙いに行く必要があります。また頂への雪道が複数枚採用されているケースもあるので、バケッチャや各種スタジアムの残り枚数には気を付けましょう。追加で気を付けるべきポイントとすれば、アルセウス系統のデッキタイプ全般に言えることですが、イベルタルの破壊の叫びでエネルギートラッシュさせられる可能性もあるので注意しましょう。
4.6. vsアルセウスバレット
先攻:有利、後攻:5分
基本的なことしか書けませんが、狙うべき基本的なサイドプランは2-2-2となります。最近ではかがやくサーナイトやキルクス温泉で耐久UPを狙う構築が多いため、パワーアップアイテムの枚数が重要です。また、ガラルファイヤーVが採用される構築が多いため、メロエッタをアタッカーとして運用してミュウVMAX2体でサイド3-3で取られるのを避けましょう。勿論、狙ったサイドプランを通すためにボスの指令も重要となります。Vポケモンが中心のアタッカーとなるデッキタイプ相手は2-2-2のサイドプランを通しやすいので弱点を突かれたとしても勝ち筋があり、全体的に有利な印象です。
4.7. vsアルセウスカプコケコ
先攻:有利、後攻:5分
vsアルセウスバレットと同様の戦い方になりますが、こちらはカプ・コケコVMAXがいるためVMAXに進化されると一撃での気絶を狙うのは厳しいです。そのため、なるべく進化前のカプ・コケコVをボスの指令で呼び出して気絶させられるとベストです。アルセウスカプコケコ側の打点が高くなく、ミュウVMAXを一撃で気絶させることは難しいためになるべくサイド先行したいのですが、ダイショックでの麻痺と頂への雪道+ツツジには注意しましょう。全体的にはサイドを取る速度がこちらのほうが速いため、先攻では特に有利な印象です。
4.8. vsオリジンディアルガVSTAR
先攻:有利、後攻:5分
オリジンディアルガVSTARは型が固まってないため一概には言えませんが、基本的にはエネルギーの付いているオリジンディアルガV、VSTARから気絶させてサイド先行するのが勝ち筋です。サイドプランは2-2-2を狙いますが、オリジンパルキアVSTAR同様にHP280あるためパワーアップアイテムの枚数は重要です。狙えるのであればメロディアスエコーで280ダメージ出せる状況を先に作れると早いタイミングでサイドを4枚くらい取れるので、スタークロノスを撃たれても耐えきった返しにサイドを取り切ることができます。サイドを取る速度がこちらのほうが速いため、先攻では特に有利な印象です。
スタークロノスを撃ちに来る多くのパターンはキバナ+メタルソーサー+手貼り等での1ターン3枚加速になるはずなので、エネルギー2枚付いているオリジンディアルガVSTARには注意しましょう(流石に1ターン4枚加速は難しい印象です)。また、スタークロノスを撃たれる際はなるべくミュウVMAXで攻撃を受け、追加ターン込で2体のポケモンが気絶しないようにしたいところです。
4.9. vsハピナスミルタンク
先攻:5分、後攻:微有利
概ねハピナスVを3体相手にすることになります(ミルタンクあたりでスタートしてきてハピナスV2体と非ルールポケモン2体でサイド6枚取り切れる展開であればラッキーです)。ハピナスV3体を気絶させるためにはタフネスマント込みで考えると、シマボシを含めてもパワータブレットが足りなくなる可能性があるため、可能であればメロディアスエコー280ダメージを狙いたいです。だからといって適当にフュージョンエネルギーを付けているとイベルタルの破壊の叫びでトラッシュされてしまうため、最初は基本超エネルギー+フュージョンエネルギーをミュウVMAXに付けて攻撃していき、盤面にフュージョンエネルギーを4枚揃えられるタイミングでカミツレのきらめき+フュージョンエネルギー手貼りでハピナスVを気絶させてパワータブレットを節約するのがベストです。
また、この対面はサイコジャンプがかなり有効です。ハピナスVの攻撃の威力が上がり始めるスピードが高くないため、最初の2ターンくらいはミュウVMAXがハッピーボンバーを耐えます。そのためサイコジャンプで山札に戻ることでダメージを与えつつ回復し、結果的にパワータブレットを節約したり相手に回復を強要させたりすることができます。
当然ですが頂への雪道は警戒しなければならないのでバケッチャや各種スタジアムはなるべくトラッシュしないようにしましょう。最近のハピナスミルタンクの構築として、環境的にセイボリーが多く積まれることからマリィ等の手札干渉が大量投入されていることは少ないため、頂への雪道の対策札を手札に持っておくのは割と有効な印象です。
ミュウVMAX側が先に盤面を作ってゴリ押しできれば有利ですが、頂への雪道等を含めてハピナスミルタンク側が盤面を先に作ってしまうと勝ち目がなくなるので、どちらにも勝ち筋があるという意味では相性は5分5分だと考えています。後攻の場合はハピナスミルタンク側のたねポケモンが少ないことから、後攻1ターン目のメロディアスエコーでたねポケモンを切らして勝ちが狙えるので微有利だと考えています。
4.10. vsドガス系(ドガスバット、ドガスダイナ、ドガスダイケンキ、ドガスダークライ等)
先攻:微有利、後攻:微不利
ドガス系の悪タイプデッキでまとめてしまっているので厳密には各デッキタイプとの相性は異なると思いますが、共通して狙うべきは相手の準備が整う前にサイドを取り切ることです。弱点対面のため相手のペースに合わせて戦ったら負けます。そのためボスの指令を使いつつVポケモンを優先して気絶させ、可能な限り2-2-2のサイドプランを通すことを目指します。また、メロエッタをアタッカーとして運用してミュウVMAX2体でサイド3-3で取られるのを避けましょう。
ガラルマタドガスの特性でゲノセクトVの特性が使えなくなりますが、ミュウVMAXにはあなぬけのヒモやボスの指令が多く採用されていることやクロスフュージョンがダブルターボエネルギーのみで撃てることを考えると、ガラルマタドガスは割と突破しやすいです。ただしゲノセクトVをボスの指令でバトル場に呼び出しつつガラル鉱山で逃げエネを増やし、ガラルマタドガスで特性を止めて縛られると対処できないことがあったりするので、入れ替え札のリソース管理は必須です。
先攻であれば速攻を仕掛けてサイドを取り切れる可能性は高いですが、後攻の場合は相手の準備が速い可能性もあるので総合的には5分5分だと考えています。
4.11. vsアイアントLO
先攻:5分〜微有利、後攻:5分〜微有利
とにかく相手の妨害に屈せずに6回攻撃を通せるかが鍵です。アイアント側の妨害手段は大きく分けて
の3パターンが主になると思います。3パターンに対応するために共通する重要事項はリソースを大事にすることです。①③に対しては入れ替え札が何より重要ですし、②に対してはエネルギーの残数を確認しておくことが重要です。また、これらのリソースを手札に抱えておくことでアイアントや野党三姉妹に先にトラッシュされず、かつマリィを使用されたとしてもデッキの一番下に送られるため、アイアントや野党三姉妹に即トラッシュされることはありません。
別のアプローチとしては、③に関しては進化前のミュウVで戦い、混乱させられたタイミングでミュウVMAXに進化することで状態異常を回復するというアプローチもあります。アイアントで使われるポケモンはHPが高くないので、ミュウVのサイコジャンプでも十分戦えます。
ミュウVMAXのデッキはフュージョンシステムでドローを繰り返すためにLO系は不利と思われがちですが、フュージョンシステムの使う回数を調整しつつリソースを大事にしながら攻撃することで5分以上に戦える印象です。アイアント側も実は事故が発生しにくいデッキとは言えないので、その点を考慮すると微有利と考えています。
4.12. vsヒスイウィンディ
先攻:5分〜微有利、後攻:5分〜微有利
微有利と考えています。ミュウVMAXを一撃で気絶させられるグラエナこそ入っていますが、ミュウVMAXを出さずにオドリドリを出すことによりヒスイウィンディ側からミュウVを一撃で気絶させる方法がなく、非ルール相手とはいえサイドレースで互角に渡り合えるからです。
初手の理想盤面はミュウV2体、ゲノセクトV2体、メロエッタ、オドリドリです。ヒスイウィンディは放置してもミュウVを気絶させることはできないので、積極的にゾロアを狙っていきます(ゾロアはHP70なのでサイコジャンプで気絶させやすいです)。ヒスイウィンディから攻撃を受けたタイミングでボスの指令→ゾロアまたはビッパを呼び出してサイコジャンプ、またはパワータブレット2枚使用してヒスイウィンディにサイコジャンプを撃ちつつ山札に戻り、メロエッタまたはゲノセクトVを壁にして相手の攻撃をかわしていくのが基本的な戦い方になります(ゲノセクトVを壁にするときはザクロがトラッシュにあるかどうかは気にしたほうが良いです)。メロエッタも途中でアタッカーとして使うことで、パワータブレット無しにヒスイウィンディを気絶させることができます。また、頂への雪道が入っている確率は感覚的には50%くらいなので、スタジアムもなるべく捨てずに残しましょう。
奥の手として、ヒスイウィンディの構築は入れ替え札を絞ってること構築もあるため、相手のトラッシュの入れ替え札の枚数次第ではボスの指令でビーダルをバトル場に呼び出してオドリドリのじょうねつのしずくでベンチにダメカンを乗せ続けるという勝ち筋もあります。サイドレース的にどうしようもないときはこれを狙うのもありです。
4.13. vsレジギガス
先攻:不利、後攻:不利
正直どう戦っても不利です。非ルール対面はミュウVMAXが一撃で気絶させられないようにサイコジャンプで山札に戻りながら相手のポケモンを気絶させることで誤魔化しながら戦いたいのですが、レジ系はみんなHPが高いので上手く決まらない可能性が高いです。やるのであればオドリドリを出してレジギガスやレジエレキからの被ダメージを減らしつつメロエッタを挟み、ミュウVMAXで攻撃する時は嵐の山脈でサーチできないレジエレキ、レジドラゴ以外を狙って気絶させることで盤面が揃わないのを祈る等の方法がありますが、トレンド構築では普通の釣り竿4枚採用になってるため盤面が揃わないことはあまりありません。正直言うと相手の事故以外では勝てない対面なので当たったら負けと割り切っていました(JCS2022のDay2トーナメント1回戦でいきなりレジギガスと当たってしまったのは不運でした…)。
4.14. vsゼラオラファイヤー
先攻:不利、後攻:不利
この対面も不利です。ミュウVMAXが一撃で気絶させられないようにサイコジャンプで山札に戻りながら相手のポケモンを気絶させることで誤魔化しながら戦い、サイドを1-1-1-2で押し付けて4回攻撃を耐え、初手でサイドを取られないようにしてこちらが先に6回攻撃するしかないと思います。具体的には先攻であればミュウVMAXから攻撃し、後攻2ターン目でミュウVMAXが攻撃を耐えた返しにサイコジャンプでサイドを取りながらオドリドリを壁にし、またカミツレのきらめきからエネルギーを補給してメロエッタまたはミュウVでサイコジャンプしてメロエッタを壁にし…を繰り返します。ただ途中でインテレオンを挟まれるとサイコジャンプで気絶させるのが厳しく、またボスの指令を挟んで1-1-2-2でサイドを取られるパターンがほとんどなので、これも相手の事故以外では勝てない対面で当たったら負けと割り切っていました…。
5. 対戦成績
ここでは、冒頭に記載したJCS2022の大会成績の他に、JCS2022の前週である6/4(土)に開催された第3回POKE◓BASE杯に私が参加したので、そちらの成績も併せて記載します。
(長くなるので1試合ごとの詳細は割愛します)。
2大会合算して15-5(BO3を2敗とカウントすると15-6)のため勝率は7割を超えており、それなりに優秀な勝率だと思っています。また、JCS2022では後攻の方が多いにもかかわらずかなり勝てているので、これはミュウVMAXの強さが発揮されたものだと考えています。
6. おわりに
かなりの長文となってしまいましたが、ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。そして、いつも練習に付き合ってくれている友人達のおかげで考察を深めて大会での成果を出すことができ、本記事を執筆できたものだと思っています。本当にありがとうございました。
改めてになりますが、本記事の内容気に入っていただけましたら投げ銭、いいね、RT等いただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、記事の内容へのご質問、ご意見ございましたらサンタマリアJAPAN(@santa_jpnjpnjpn)にリプライ、DM等でご連絡いただけますと幸いです。
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