ターゲティングはYoutube「えがちゃんねる」に学べ!
お笑い芸人、江頭2:50さんのYoutubeチャンネル、えがちゃんねるが話題になってますね。
チャンネル登録わずか9日で、チャンネル登録者数100万人を突破。嘘みたいな快進撃ぶりです。
昔から一貫して変わらない身体を張ったパフォーマンスを行い、熱狂的なファンを持つ江頭2:50さんですが、その過激な芸風から物議を醸すことも多く、嫌悪する方が多いのも彼の特徴の一つでしょう。
さて、えがちゃんねるを見ていて、しみじみ思ったことは「マーケティングにおけるターゲティングの重要性」です。
はっきり言って、「ターゲティング」の真髄が、このえがちゃんねるには詰まっているなと思いまして、今回はターゲティングについて取り上げつつ、えがちゃんねる快進撃を私なりに解説します。
ターゲティングとは何か
さて、マーケティングの領域において、ターゲティングの重要性は言うまでもありません。
ターゲティングとは一体何か。
一言で言うと、「商品・サービスを売り込む相手を明確にする」ということです。
グロービスさんの解説記事を掲載しましょう
よく「この商品は20代女性をターゲットにしています」とか「ファミリー層向けのサービスです」といった解説がなされることがありますが、簡単に言えばこれがマーケティングにおけるターゲットであり、ターゲットを決めることをターゲティングと言います。
ところがこのターゲティング、説明するのは簡単ですが、実行は容易ではありません。
ターゲティングは難しい
一見、ターゲットは広いほうが多くの顧客にアプローチができて良さそうですが、そうなると商品・サービスの特徴が出しにくくなり、いわゆる「尖った製品」にならず、誰向けのものだかわからなくなってしまいます。
こういう「誰向けの商品か分からない」という商品は、消費者から見ればあまり特徴がないものとなり、魅力的に映りません。要するにあまり売れないのです。
一方で、ターゲットを狭めれば狭めるほど商品・サービスの特徴が際立って来て「尖った商品」になりますが、同時に戦える市場は小さくなってしまいます。
ですから、商品を発売する側としては、心理的により多くのターゲットを狙いたくなりがちです。
たとえば、「20〜30代の女性を狙います」というようなターゲティングをしたとします。
一見かなり絞っているように見えますが、20〜30代女性というのは、全女性の20%近くを占めており、全人口から見ても10%程度を構成しています。日本の人口は1億2,000万人以上いますから、20〜30代女性というのは1,000万人もいるわけです。こんなにいては絞ったことにはならず、その他のセグメントである「既婚歴」「収入」「住んでる場所」などで、より詳細なターゲット像を作らなければなりません。
私はよく仕事でこの話をするのですが、ターゲティングはできるならば「市場の1%」を狙うと良いなと感じています。1%と聞くと、かなり絞り込んでいますが、絞り込めば絞り込むほど、狙うべきターゲット像は明確となり、商品・サービスのどの部分を打ち出していくのか、どうやってプロモーションしていくのかなどのマーケティングがやりやすくなります。1%というのは、個人的に結構わかりやすい数字だと思っています。
そして実はこの1%という市場は、そんなに小さくありません。全日本人の1%は約120万人ですから、市場に顧客になる可能性がある人が100万人以上もいると思えば、相当なボリュームであることがわかると思います。
市場の99%を捨てたエガちゃん
こういった意味で、エガちゃんは理想のターゲティングしています。
なぜなら彼は広い顧客層をはじめから狙っておらず、マニアックな1%の顧客を明確に狙っており、99%からは嫌悪されても問題ないとすら思っています。
何がすごいって、彼自信がそれを公言しているのです。
こちらが、えがちゃんねるで最初に投稿された動画です。
あいかわらずのハイテンションぶりですが、注目はその内容。
この動画の冒頭、30秒すぎで彼はこのような発言をしています。
「99人に嫌われても1人が笑ったらそれで勝ちじゃねぇか!」
そう。
彼の中には「自分の芸が刺さるターゲット」が明確にあり、それが市場のたったの1%で構わないことを、なんと明言しているのです。
少し前のデータになりますが、Youtubeの国内ユーザーは6000万人強です。
えがちゃんねるの動画の中身は日本語で構成されていますので、登録者(2020/02/17時点で150万人)はほぼ日本人であると仮定すると、全ユーザーの2.5%程度を獲得していることになります。
「1%を狙ってコンテンツを尖らせた結果、想定以上の顧客を獲得できた」というターゲティングのお手本のような事例だと思います。
ちなみに、99%に嫌われる手法は、視聴率などを気にするテレビなどのメディアでは通用しづらいのですが、特定の層にダイレクトにアプローチできるYoutubeは、理想的なプロモーションチャネルだと言えるでしょう。
言うなれば、Youtubeは彼のようなエンターテイナーのためにあるようなものなのかもしれません。
エガちゃん、引き続き頑張ってください。
今後も彼の動向には注目していきます。
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