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【算数】持っている武器を使いこなせ!立教新座中の濃厚論理パズル

普通に入試問題の紹介をします。2024年の「時間床」など、毎回ユニークな問題で思考力を使わせてくれる立教新座中です。


【問題】算数のテストの数学のテスト

10点満点の数学の確認テストを受けた生徒20人の得点と人数をまとめたところ,次の表のようになりました。また,この20人の得点の平均は6.25点でした。次の問いに答えなさい。

(1) 表の(ア),(イ) にあてはまる数を答えなさい。
(2) 確認テストは問題数が4問あり,それぞれの問題の配点は問題1が1点,問題2が2点,問題3が3点,問題4が4点です。問題3を正解した人は12人,問題4を正解した人は15人いました。問題3だけを正解した人はいませんでした。また,得点が5点の人で,問題2を正解した人はいませんでした。
① 得点が7点の人が,全員正解した問題がありました。その問題番号を答えなさい。
② 得点が7点の人で,問題3を正解した人は何人いましたか。
③ 問題2を正解した人は何人いましたか。
④ 問題1を正解した人は何人いましたか。

立教新座中 2020年

【解説】平均・集合・つるかめ算…

(1)全員の合計得点→6.25点×20人=125点。
表より判明している合計得点→(0点×0人)+(1点×1人)+(2点×0人)+…=87点。
よって、残りの合計得点→125点−87点=38点。
また、残りの合計人数→20人−(0+1+0+1+3+3+2+3+1)人=6人。
つるかめ算を用いて、(7点×6人−38点)÷(7−5)点/人=2人…ア
6人−2人=4人…イ
※穴埋めが1箇所だけ、あるいは得点だけでも問題になりますが、残りの得点と残りの人数を両方求めてバランスを探るという、上位校の基本問題です。

(2)同じ得点を取るにも、どの問題を正解するかで分岐しますので整理します。

例えば5点=1+4=2+3。ちなみに真ん中で○×が入れ替わっている。

さらに問題に書かれている条件を書き込むと、不明な部分が明確になります。

試験中はここまで丁寧に書く必要は無い。というか狭くて書けない。

① 7点=1+2+4=3+4より、どちらの得点の仕方でも必ず4点を取りますので、問題4。(もし2通りのうちの片方が0人だったら、残りの問題も「全員が正解した問題」となってしまうので、一応確認は必要。)

② 問題3と問題4で、合わせて12+15=27個の○があります。
その内、得点8〜10の人たちが、(2+3+1)×2=12個の○を取りました。
得点4〜6の人たちが、3+2+3=8個の○を取りました。(内訳は不要)
よって、残りは27−12−8=7個の○。これを得点7の4人が取り合う。
○を1個取る人が1人、○を2個取る人が3人のとき適する。
※<別解>得点4と得点6については問題2以外の状態が全て等しいことから求めるなど、いろいろな解法がありそうです。

③ 上表と②の情報より、問題2の○の人数は、0+1+0+3+1+3+1=9人
※こちらも、得点6の人たちは必ず問題2を正解しているので、区別しなくてよいことを利用しています。

④ (合計得点)−(問題2〜4の合計得点)=(問題1の合計得点)で求まります。
{125−(2×9+3×12+4×15)}点÷1点/人=11人
※注目する対象が再び「得点」へと戻りました。
問題4の正答率が最も高いテストだったのですね(どうでもいい)。


【感想】様々な視点が求められる良問

一見、パターン問題のようですが、かなり思考力を要します。シンプルな場面に対して、「人数・得点・正解した問題の組み合わせ・正解数」などで情報を分割し、「全体・個数は不明だが1あたりは分かる2つ・それぞれは不明だが合計は分かる2つ」などの視野を次々に取り替えて同時に扱うことでパズルが埋まる、栄養満点で食べ応えのある問題です。
しかし、考えるための紙面と時間の厳しさよ。

2024年6月3日

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