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【理想の三線探偵団08】 怪奇!恐怖の三線ケースがあった!


 前回まで、「理想の三線探し」の一環として「理想の三線ケース」について

 いっそ自分で作ってしまおう!

という試みをやっていました。

 結果として出来た三線ケースは、安価で市販品とくらべても遜色の無いできばえ(笑)

 このシリーズはハードケースがない「はぐれ三線」のために、順次作っていきたいと思います。


 ところで、前回、前々回にケースを作るお話をした際、ある一箇所だけ「ひみつ」の作業があるのを書いておりませんでした。

 実はそれはとても重要なポイントなのですが、三線を実際に触ったことがある人でないと、いまいちピンとこないかもしれません。

 ところで、その重要ポイントに関して、

「恐ろしい!三線ケース」

に出会ってしまったので、そのお話を今日はしたいと思います。

 使い続けると、確実にあなたの心と身体をむしばんでゆく・・・(言いすぎ) そんな呪われたケースの怪談をお楽しみください。

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 それがこのケース。

 ぱっと見ると定番の守礼印ケースの模倣品に見えます。まさしくその通りで、守礼印ケースとほぼおなじような形状をしています。

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 この通り、中身だってふつう。

 特にケースとしての全体的なつくりには問題がないように思えます。作りもまあ、しっかりしています。


 ところが!このケースを使い続けていると、だんだんあなたは心身の不調を感じるようになります。

 おそろしい・・・。

 特に、演奏会などで実際にこのケースに入れて持ち運ぶ人には、毎回苦痛が訪れるというのです・・・。


 さあ、ではこのケースを手に持って、腕をめいっぱい先のほうに伸ばして持ちましょう。

 まずは定番「守礼印ケース」オリジナルからどうぞ。

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 腕を伸ばして持っているので、しばらくするとプルプルしてきます。

 では、次に今回私が作った自作ケースもどうぞ。

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 可愛い水色ケースです。

そして、今回の呪われたケースを持つと!

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うおおおおお!!!!

勝手にケースが!!!

ひっぱられるううう!!


 なんでこんな呪われたエクソシスト現象が起きるかというと、このケースのメーカーが設計したときに

やらかして

いるんですね。


 三線の重心を考えてケースを作れば、こんなことにはならないのですが、なーんにも考えずにケースを作ってしまうと勝手に胴側が下がる

「変な重心ケース」

ができてしまうというわけ。ずーっと肩こり状態になりますよ。


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 実は!三線ケースというのは、言われないと気付きませんが、取っての位置をずらしてあるのです。

 いちばん上が問題のケース。ケースのどまんなかに取手をつけてしまっています。

 真ん中が守礼印ケース、いちばん下が私の自作ケースです。

 下のふたつは胴側に少しずらして取手をつけています。

 そうすると三線の胴側と天側では、どうかんがえても胴側のほうが重いため、ちょうどこのあたりでバランスが取れるというしかけ。

 取手の位置だけのことなんですが、このずらしを行わないと勝手にウイリーするケースが出来てしまうのですね。


 どうも、この模倣ケースは、よくわからないまま形だけ模倣したようで、今も流通していることはないと思いますが、中古品ではよく見かけます。

 取手の中央部分に錠金具が来ているのは怪しいです。取手の左側に(まんなかの)錠金具が来ているのが重心のため「ずらし」てあるケースです。

 インターネットなどで実物を見ずに中古やケースを買うときは、十分注意してください。


 これに当たってしまうと、マジで運ぶのがつらくなります。


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