見出し画像

「世界で一番やさしい会議の教科書」を読んで実践してみた


はじめに

こんにちは。営業DXサービス「Sansan」のプロダクトマネジャー(PdM)を務めている乙幡(@yu_pata98)です。
突然ですが、皆さんは会議の作法についてご存知でしょうか。プロダクトマネジャーの業務は常にステークホルダーが多く、また議論しなければいけないことが多いため、会議回数も多くなりがちだと思います。私は入社してから最近まで会議の作法を知らず、プロダクトマネジメントを行う際に、以下のような問題点を抱えていました。

  • 会議の方向性はわかるが、目的がはっきりしていないため、会議の時間が無駄に長引く。その結果、タスクを消化する時間が減ってしまう。

  • 会議が時間内に終わらず、数日後に続きの会議が開催されるため、案件のリードタイムが延びてしまう。

  • 会議後に時間が経つと話した内容が曖昧になり、案件の進捗状況が把握できなくなる。

そこで会議の正しい作法を学ぼうと思い、「世界で一番やさしい会議の教科書」という本を参考に、会議の仕方を改善しました。本記事では実際に実践している内容をご紹介します。

実践している内容

会議前に行うこと

まず、会議の目的(終了条件)を明確にします。「何が決まったら会議を終了できるのか?」と考えるとわかりやすいです。
例えば、とある課題のソリューション案を検討する際は以下のようにします。

会議の目的(終了条件)
ソリューション案3つ(A, B, C)のうち最適なものを選ぶため、以下論点に対しての方向性を決める。

  • 論点1:…

  • 論点2:…

ちなみに、別の書籍にはなりますが、「生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」では、大半の会議の達成目標は次の5つのどれかであると述べられています。

  1. 決断すること

  2. 洗い出しすること(リストを作ること)

  3. 情報共有すること

  4. 合意すること=説得すること=納得してもらうこと

  5. 段取りや役割分担など、ネクストステップを決めること

以上を意識しておくと、会議の目的(終了条件)を明確にするために役立つと思います。

次は、不要な会議時間を取らないように、アジェンダに沿って必要な時間を逆算し、会議を実施する時間を決めます。このとき、「決めたこととネクストアクションを全員で確認する」というアジェンダを入れることが重要です。
例えば、以下のように必要な時間を見積もります。

  • アイスブレイク(2分)※遅れて参加する人も考慮している。

  • 論点1(10分)

  • 論点2(10分)

  • 決めたこととネクストアクションを全員で確認する。(3分)

今回は合計25分の見積もりなので、バッファーを持たせて30分で会議をセットします。

会議後に行うこと

後で会議の内容を思い出せるように、議事録を書き、関係者にサマリを共有します。サマリの項目は以下2点です。

  • 決めたこと

  • ネクストアクション(誰が、いつまでに、何をするのか)

例えば以下のようにまとめ、共有します。

  • 決めたこと:

    • XXXXという理由から、YYYYと考えたため、論点1はZZZZという方向性で進めることになった。

    • AAAAという理由から、BBBBと考えたため、論点2はCCCCという方向性で進めることになった。

  • ネクストアクション:〇〇さんが今週中に整理した論点とソリューションをまとめた資料を作成し、VPoPにレビュー依頼を行う。

会議直後にSlackでサマリを共有しています。

効果

  • 会議の終了条件が明確なので、終了条件を満たした場合、予定よりも早い時間で会議を切り上げられる。プロダクトマネジャーは多くの案件やタスクを抱えがちであるため、早めに会議を切り上げて予定した時間内にサマリの共有までできると、他のことに時間を割けるようになる。

  • 会議時間を逆算しているので、時間内に終了できるようになる。プロダクトマネジメントはひとつの案件にいくつかフェーズがあり、会議を時間内に終了できないと芋づる式にリードタイムが延びてしまうため、これを防止するのに役立つ。

  • 決めたこととネクストアクションの確認を全員で行うことにより、参加者全員の共通認識が取れる。特にプロダクトマネジャーはステークホルダーが多いため、共通認識を持っておくことですれ違いを防げる。

  • サマリをまとめているため、議論の内容をすぐに思い出せるようになる。複数の案件を整理されていないまま抱えていると、何がどこまで進んだのか曖昧になってしまうため、都度整理を行うことにより進捗状況が明確になる。

終わりに

今回ご紹介した内容はビジネスパーソンとして当たり前のことですが、特にプロダクトマネジャーはビジネスパーソンとして当たり前のことを高水準でできるように求められます。自分自身と同じく、単純に作法について学んだことが無い方がいるのではないかと思うので、本記事の内容が参考になれば嬉しいです。
ご紹介した「世界で一番やさしい会議の教科書」はかなり読みやすく、またわかりやすい内容になっているので、ぜひ皆さんも読んで試してみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?