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#118 子どもたちに明るくて暖かい遊びの場を

 朝から子どもたちの元気な声が響き渡っていた。海老名市教育委員会が主催している「相模国分寺跡あそびのひろば」だ。広い芝生の上に、ちょっと珍しい遊具が持ち込まれ、子どもたちは大はしゃぎ。転んでも痛くはない。思い切って身体を動かして遊んでいた。
 子どもたち、そして、子どもたちの親や関係者も満面の笑顔だ。遠くの大規模な遊園地に行くのもいいが、近くの公園で、青空の下、太陽の光を浴びて、素朴な遊具を使って思い切って身体を動かすことを親子・友人とともに楽しむもいい。
 一角に、海老名市の農家が野菜を直売しているコーナーがあり、無農薬で野菜を育てているという若い売り手がいた。手間が掛かるから、どうしても少し値段が高くなるという。会話をしていたら、その人を応援したくなり、私はブロッコリーとサニーレタスとサツマイモを買った。それにしても、売り手と対話をしながら野菜を買ったのは、随分と久し振りのことだった。

 相模国分寺跡南側隣接地に14階建ての高層マンションが建設されると、太陽の光は遮られる。子どもたちが遊んでいた場所も、野菜を直売していた場所も建物の陰の中になる。横幅が数十メートルもある大規模建築物であるため、冷たいビル風も吹き抜けることだろう。
 日陰で、寒さに震えながら遊んでも楽しくはない。冷たい風が吹き抜ける場では無農薬野菜についての会話も盛り上がりはしない。公園は明るく、暖かであってほしい。

 一部の人達の利益のために、市民の社交の場が損なわれようとしている。
 子どもたちのあそびの場、市民の交流の場を奪わないでほしい。
 人は、ささやかな一日に幸せを感じるものなのだ。

(23.11.24)

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