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読解力テスト(IQ120想定) #アイデンティティーとは#アイデンティティーの確立とは#指示語とは#冗長とは#まとまり語句#言葉の密度#文章の深さ#IQ120

問題

下の文章の「このこと」が指す内容として最も不適切なものを、次の選択肢から一つ選べ。

心理学者のエリクソンは、アイデンティティのことを、「自分らしさ」または「自分が自分であること」といった言葉で表しています。 つまり、「自分とは何者なのか」という疑問に対して、「自分はこういう人間だ」という自覚を持つことがアイデンティティの始まりであるとし、このことをアイデンティティの確立と呼んでいます。(https://manapedia.jp/text/1226)

選択肢

1.アイデンティティとは、「自分が自分であること」を意味すること。

2.アイデンティティの自覚を持つこと。

3.「自分とは何者なのか」という疑問に対して自覚的な答えを持つこと。

4.「自分らしさ」を自覚するという、アイデンティティの始まりのこと。

正解


の前にヒント

・「このことをアイデンティティの確立と呼んでいる」ということは、「このこと」とは「アイデンティティの確立」の意味内容を指していると考えられます。


正解は


➀です!


●解説


ヒントで説明したように、「このこと」とは、「アイデンティティーの確立」の意味内容が当てはまります。ここが重要なポイントです。

・選択肢ごとの解説と指示語とはどういう性質があるか

・指示語が示す内容の探し方のコツ

・「まとまり語句」を一つの言葉として理解する

・「言葉の密度」と「文章の深さ」

↑について以下で解説していきたいと思います!


・選択肢ごとの解説


➀は、「アイデンティティー」の意味を説明した内容であって、「アイデンティティーの確立」の意味を説明した内容ではないので、選択肢としては不適切です。よって、これが正解です。下で詳しく説明します。

②③④はどれも、「アイデンティティーの自覚をもつ」という「アイデンティティーの確立」の意味内容を表しているので、「このこと」を指す内容としては、適切だといえます。

それでは、本文を見ながら、「このこと」の内容を詳しくみていきましょう。

心理学者のエリクソンは、アイデンティティのことを、「自分らしさ」または「自分が自分であること」といった言葉で表しています。 つまり、「自分とは何者なのか」という疑問に対して、「自分はこういう人間だ」という自覚を持つことがアイデンティティの始まりであるとし、このことをアイデンティティの確立と呼んでいます。(https://manapedia.jp/text/1226)

「このこと」の内容を本文から抜き出すと、「『自分とは何者なのか』という疑問に対して、『自分はこういう人間だ』という自覚を持つこと」という部分になります。


等式で表してみると、以下のようになります。

「アイデンティティ」=「自分らしさ」=「自分が自分であること」≒「自分はこういう人間だ」

「アイデンティティーの確立」=「『自分とは何者なのか』という疑問に対して、『自分はこういう人間だ』という自覚を持つこと」=「アイデンティティーの始まり」

ということです。

ここから「アイデンティティーの確立」を言い換えると、選択肢2~4の内容になるわけです。

2.アイデンティティの自覚を持つこと。

3.「自分とは何者なのか」という疑問に対して自覚的な答えを持つこと。

4.「自分らしさ」を自覚するという、アイデンティティの始まりのこと。

ちなみに、「アイデンティティー」≒「自分はこういう人間だ」と、ニアリーイコール(≒)にしたのは、「自分はこういう人間だ」という個人の自覚自体をアイデンティティーとするのは、必ずしも正しくないからです。

たしかに、アイデンティティーを自覚することは、「自分はこういう人間だ」と自覚することではありますが、「アイデンティティー」の定義自体は「自分はこういう人間だと自覚すること」ではありません。つまり、「自分が自分をどう思うか」は、自分のアイデンティティーを自覚ことではありますが、「アイデンティティーそのもの」ではないのです自分が知らない自分も「アイデンティティー」自体に含まれる、というと分かりやすいでしょうか。

よって、「アイデンティティー」の定義とは、「『自分はこういう人間だ』と自覚すること」ではありません。

一方で、「アイデンティティーの確立」とは、「『自分はこういう人間だ』と自覚すること」とするのは正しいといえます。

「アイデンティティー」と「アイデンティティーの確立」ということを区別して読解ができると、難しい文章も正確に理解できるようになりますよ!!


・指示語とは?


「指示語」とは、「こそあど言葉」とも呼ばれ、ある物事を指し示す言葉のことをいいます。

「これ」「それ」「あれ」「どれ」などの語句です。

「指示語」は、話し言葉では「実際のモノ」を指すことが多いですが、文章においては「前に書かれている内容」を指し示します。


なぜ、「指示語」を使うのでしょうか。


それは、文章が冗長にならないようにするためです。(冗長とは、文章や話が無駄に長いことをいいます。https://dictionary.goo.ne.jp/word/冗長/)

なぜ、指示語を使うのでしょうか。なぜ指示語を使うかという理由は、文章が冗長にならないようにするためです。

とすると、無駄に長い文章になってしまいますね。無駄に長くなってしまうと逆に読みづらくなってしまいますね。


・指示語を追えていなかったり指示語が指す内容を見誤ると「誤読」が生じる。


論評文や説明文は、指示語が多くなります。なぜなら、「これはこうで、これはこう、こっちはこう」というように、概念同士の複雑な関係を説明しなければならず、どうしても指示語が多くなってしまうのです。

問題文もその一例です。「このこと」が指す内容は、本文から抜き出すと長いですよね。無駄に長くして読む労力を削いだり、逆に文章が分かりにくくなったりしないように、指示語が使われるのです。


指示語が示す内容を的確に捉えなければ、正確な読解はできません。


なぜか。先に、「アイデンティティー」が示す内容はどれか、という話をしましたが、「アイデンティティー」と「アイデンティティーの自覚」というのは、意味合いが違ってきます。これを読み間違えてしまうと、「アイデンティティーの自覚」とは、なんだ「アイデンティティー」そのもののことか、と浅い理解になってしまいます。これは、実は大きな誤読です。問題文の主題は、「アイデンティティーの確立」とは何かの説明なのに、それを誤読してしまっているのです。

指示語を取り間違えることは、読解においては致命的になります。

例えば、「それ取って?」と言われたときに、違うものを渡してしまったら、「違う!」と怒られますよね。そういうイメージです。筆者に怒られてしまわないように注意しましょう。


・指示語が示す内容を探すコツ


通常、順当に読解していけば、指示語が示す内容は問題なく分かります。しかし、集中を途切らせたり、難解な文章を読んでいると、指示語が示す内容が分からなくなることがしばし起こります。ここでは、そのような指示語が示す内容を探すコツを解説していきたいと思います。

まず、私は難しい文章を読むとき、自分がどれを指すか分からなかった指示語や重要語句を示す指示語には、二重の下線を引くようにしています。

もし、指示語の内容が分からなければ、指示語を含む文章をよく見てみましょう。そして、何となくこういう意味だろうな、というのを推測します。

例えば、問題文を読んで、「このことをアイデンティティーの確立といいます」となり。「ん?、アイデンティティーの確立って、なんだ?」となるわけです。そこで、確立するっていうことは、何かを確定させたりすることだよな、アイデンティティーとは「自分らしさ」ってことだから、自分らしさを確定させること、という内容を前の文章から探せばいいのか、となるわけです。

あとは、気を失っていたところから文章を読み直して、「アイデンティティーの確立」と同じ内容の文章を探せばいいのです。


・「まとまり語句」を一つの言葉として理解する。


「アイデンティティーの確立」や「自分が自分であること」などの名詞で終わる語句のまとまりのことを「まとまり語句」と呼ぼうと思います。


このような「まとまり語句」を一つの言葉として理解すると、読解がしやすい場合が多いです。実際に問題文をみてみましょう。

心理学者のエリクソンは、アイデンティティのことを、「自分らしさ」または「自分が自分であること」といった言葉で表しています。 つまり、「自分とは何者なのか」という疑問に対して、「自分はこういう人間だ」という自覚を持つことがアイデンティティの始まりであるとし、このことをアイデンティティの確立と呼んでいます。(https://manapedia.jp/text/1226)

この文章で「まとまり語句」と呼べるものを書き出してみます。

・心理学者のエリクソン

・「自分らしさ」

・「自分が自分であること」

・「自分とは何者なのか」という疑問

・「自分とはこういう人間だ」という自覚

・「自分とは何者なのか」という疑問に対して、「自分はこういう人間だ」という自覚を持つこと

・アイデンティティーの始まり

・アイデンティティーの確立

ですね。

実質、このリストの中から「このこと」を見つければいいのです。

「アイデンティティーの確立」=「『自分とは何者なのか』という疑問に対して、『自分はこういう人間だ』という自覚を持つこと」=「アイデンティティーの始まり」

ということですね。

ある言葉の定義は、「まとまり語句」によって表されることが多いと思います。アイデンティティーとは「自分らしいさ」のこと、というようにです。

・「言葉の密度」と「文章の深さ」


「まとまり語句」を一つの言葉として考えると、ある言葉の密度が高いことが分かると思います。

「アイデンティティーの確立」という言葉は、『自分とは何者なのか』という疑問に対して、『自分はこういう人間だ』という自覚を持つこと」でした。

「アイデンティティーの確立」という言葉の密度は高いといえるでしょう。

このような言葉の密度は、文章自体の「深さ」に関わります。つまり、「青年にとってアイデンティティーの確立は重要」といえば、文字数は少なくても言葉の密度が高いので、それだけ「深い」文章になるのです。

「深い文章」というのは、密度の高い言葉を多く積み上げていくことでできあがるのです。


まとめ


指示語を「まとまり語句」から見つけ、密度の高い言葉の連なった深い文章を理解できると、読解力は向上します!

是非、指示語やまとまり語句などを意識して文章を読解してみてください!

記事は以上です!最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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