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【これを読めば安心】脳出血当事者の転職活動を成功に導く5ステップ

今回は以下の記事を読んでいよいよ転職活動を始めた方に向けて”転職活動を成功に導く”の5ステップをご紹介します。

▼自己分析・脳出血当事者におすすめの転職エージェントについてはこちら

求人情報管理や内定受諾の判断をする際に活用できるシートもダウンロード可能となっていますので、ぜひ転職活動で使ってみてくださいね。

1.転職理由・志望動機は合理性×ストーリー性

転職活動は採用担当者やメンバーとのコミュニケーション(=交渉)です。

相手が知りたいことを伝えられるよう、採用担当者が転職理由と志望動機の中で何を知り、判断したいのか改めて整理してみましょう。

・「転職理由」で判断したいこと:すぐに退職しないか

・「志望動機」で判断したいこと:企業への貢献度・仕事への熱意

上記の仮説が正しいなら転職理由では合理性を求められますが、志望動機では合理性に加えて感性(=ストーリー性)が求められる傾向にあることが分かります。

志望動機にストーリー性(志望の背景)をもたせる必要がないと考える方もいらっしゃるかと思いますが、転職活動の合理性をより強く意識づけるためのアクセントと考えることもできます。

これは心理学者のポール・スロヴィックが提唱した「感情ヒュースティック」(感情から導き出された”結論に合致する情報を探し求めてしまう現象)を参照していただくとより理解しやすいかと思います。

また転職理由と志望動機につながりがない場合、採用担当者はミスマッチを感じてしまうため、両者の間には一貫性が必要です。

次のような手法で転職理由をまとめたら、転職理由に合致する企業の魅力を交えて志望動機を整理します。

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・理想のキャリアに必要なスキル、業務内容をリストアップする

└募集ポジションでは叶えられるか?

・現職で成果を出すのに障壁になったことをリストアップする

└応募企業では障壁がないor取り除きやすい環境か?

・現職で働き続けられないと考えたきっかけを思い出す

└応募企業ではなぜ働き続けられると思ったのか?

・自分が貢献したい分野、業界をリストアップする

└応募企業はどのような分野、業界に当てはまるのか?

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転職理由に紐づけて志望動機をまとめる際に応募企業のサービスを利用したことがあればその体験談を交えればよりストーリー性に厚みが出るのでおすすめです。

サービスを利用したことがなくても、応募企業が属する業界が社会貢献していると感じたエピソードを加えることで転職理由や志望動機の合理性がクロースアップされやすくなります。

2.転職直後だけではなく、数年後もイメージする

求職者側のみの視点で転職活動をしていると見落としがちですが、面接で聞かれやすい質問のひとつに「3年後・10年後にどのような状態になっていたいですか?」があります。

転職直後だけではなく、中長期的な視点でどのような状態(=スキルセット、仕事への向き合い方など)になりたいかイメージできている求職者は確かな将来像を描けている仕事熱心な人物だと評価されやすいでしょう。

このように採用担当者から将来性を評価してもらうためにも中長期的(3年後~)なキャリアビジョンを考えておく必要はあります。

しかし何より「自分が志望企業で仕事をとおしてどのように成長したいか」を明確にすることで入社後のミスマッチを防げるので求職者にとっても重要なポイントです。

3.得意な業務・苦手な業務を具体例つきでまとめる

以下の記事でもご紹介したように、WAIS-IIIの結果や画像検査から得られる次の情報を転職エージェントと相談しながら採用担当者に伝えるとミスマッチを防ぎやすくなります。

・受傷脳領域

・受傷によって一般的に低下する脳機能

・低下したと考えられる脳機能(=苦手になったと考えられる行動)

さらにこれらの情報に加えて具体例を併せて伝えることをおすすめします。

例文:私は〇脳の○○から出血したため、一般的に多くの情報を一度に処理することが苦手になります。私も病前と比較して多くの情報(特に〇覚から得た)を一度処理することに苦手意識を感じるようになりました。業務では口頭指示をいただいた後にチャットなどの文字情報で指示内容を確認させていただきたいと考えています。

なぜなら採用担当者や現場メンバーが「どのような配慮が必要か」「仕事で課題になりそうなことは何か」予想しやすくなり、スムーズな障害配慮に繋がるからです。

4.面接の回答シートにまとめる

ここまで転職理由と志望動機、自分の市場価値について言語化してきました。これらを回答シートへメモしておけば面接準備は完了です。

以下の「脳出血当事者のための面接回答シート」は私が転職活動をする中でよく採用担当者から質問された項目をまとめたものです。

転職理由や志望動機、自分の市場価値について自己分析が済んだ後ならあまり考え込まずにメモが書き込めると思います。

メモにつまずいてしまったら「1~4」について改めて考えてみましょう。

一人で考えるのが難しかったり、認知の歪みがないか気になる方は知り合って2年以上経っている友人やパートナーと対話をしながら考えをまとめるのがおすすめです。

5.転職活動の進捗管理と企業評価をする

面接準備をしっかりした上で面接を複数回受けていくと、言葉に詰まることなく面接で対話ができるようになります。そして嬉しいことに内定を複数企業からいただく場合も…。

転職活動は複数企業を同時に進める場合が多いので、進捗管理はもちろんのこと、終盤では内定受諾・辞退を判断する必要があるので、応募企業の評価(=優先順位付け)が大切になります。

合理的に転職先の企業を選び、転職の妥当性を判断するのに便利なのが「転職活動管理表・マトリクス表」です。

これは『科学的な適職』と『転職の思考法』を参考にあくまで自分の転職活動用に作成したものですが、ここまで読んでくださった脳出血当事者さんの一助になれば幸いです。

さいごに

私の実体験から障害者雇用・一般雇用どちらを選んでも「脳出血当事者だから」と評価基準が甘くなる転職活動はないと考えています。

だからこそ症状認知の機会を設けたり、自分のキャリアプランに必要な努力を続けることが大切です(体調を崩さないように気を付けながら…)。

脳出血当事者の復職・転職・社会復帰に関する記事は以下のマガジンからまとめて読むことができますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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