さのすけ作品集2(R-16?)

BLシナリオ。少しR指定、ほぼギャグです。

登場人物

•鈴木和那(スズキカズナ)
21歳。大学生。面倒見が良く後輩に絡まれやすい兄貴タイプ。いじりがいがあるやつはとことんいじりたいドS。

•橋本季也(ハシモトトキヤ)
21歳。大学生。天然ボケの天然タラシ。かなりの甘党。いじられ役のツッコミ担当。

•テツ先輩(テッさん)
24歳。大学生(1年浪人の4回生)。カズナ曰く、思考が読みにくいし扱いにくい。家が大学から近い為、後輩達のたまり場のようになっている。ギャルゲーが好き。部屋の半分はグッズで溢れている。


あらすじ

いつものようにテツ先輩にパシられていた和那と季也。部屋に行くと先輩からある事を告げられて…

本編


(コンビニの入店音)
ト「あ、和那いた」
カ「おー季也。お前も呼び出し?」
ト「に、なるのかな?和那がここにいるだろうから行ってやれって」
カ「ったく。なら自分で来いっての、あの人はあ!」
ト「仕方ないだろー?先輩の言う事は絶対!なんだし。それに今先輩忙しいんだろ?」
カ「あの人の忙しいが何か知ってっか!?今頃画面の向こうの彼女をアフンアフン言わせてるよ。この間、家着いたらそのシーンが大音量で聴こえて帰りたくなった…狭い部屋でああいうゲームすんなよな…」
ト「俺はそういう話を大声でする和那にガッカリだよ。ほら、早くチョコ選んで。赤色でいいんじゃないの?」
カ「それは甘すぎんだよ。お前はこのカカオ75%食っとけ。あとこの柿ピーもそのカゴ入れといて」
ト「これ柿の種が辛いやつじゃん!!ねーこれじゃ俺食べられないから。せめて柿の種チョコ買っていこうよー和那ー!」

(コンビニの退店音)

ト「ちゅーちゅーちゅぶりら、ちゅぶりらら〜♪」
カ「クソ懐かしい歌だな。そんなにパピコ好きかよ」
ト「うん、大好き!」
カ「ほーん…どうでもいいや、行くぞ」
ト「ちょ、聞いといてそれ!?」

(ガチャガチャ。扉が開く音)

カ「ちわーっす。テッさん先輩、言われたの買ってき…え」
ト「っぶ!ちょ、和那。入り口で止まんない、で…って、ええ!?」
テ「おお!後輩達よ、良く来てくれたな!さぁさぁ、荷物は俺が持ってあげよう。あとレシートもくれな」
カ「あ、うっす…って」
ト、カ「ちょっと待てぇ!」
テ「おー綺麗にハモったな」
ト「いやそんな事言ってる場合じゃないですよ!え、え!?なんで!!??なんで部屋綺麗になってるんですか!?」
カ「そうっすよ!俺扉開けてすぐにあるおっぱいドーン!の暖簾を押そうと思ったらなくて、踏んでるんじゃねえかって焦りましたよ!てか、なんでグッズないんすか!?」
テ「あー、売ったからな〜」
カ、ト「はぁああ!?」
テ「お前ら声大きいぞー。とりあえず扉締めて座れ。」


テ「好きな人ができました」
カ「座って第一声それ!?」
テ「なんだよ〜言うタイミングなんていつでもいいだろー?告白みたいにロマンチックにしろってか。やっだー和那さんおっとめ〜」
カ「うっせーぞホグワーツ候補生!!!!その、好きな人?って3次元なんすか、平面っすか?」
テ「胸はそこまでないが、立体だ」
カ「ガチっすか」
テ「ガチだ。実はもうOKもらってる」
カ「もう!色々!!話す!!順番!!!」
テ「つまりだ!一か八かで告ったらOKもらえて、改めて自分の部屋を見たら彼女に来てもらえるように綺麗にしようと思ってな!今日呼んだのは1番の子分のお前たちには最初に知らせたくてはと…そうだ!まずどんな子か写真をだな!…」

(場面変わって季也宅)
(缶ビールをテーブルに叩きつける音)
ト「3次元はクソくらえじゃなかったんかあああい!!」
カ「季也さーん。酔ってるのはわかったけど、うっせーぞー。夜遅いんだから」
ト「…両隣の人、両方夜の仕事」
カ「へー確かにイケメンだったもんなー」
ト「右隣がオネエで左隣がゲイバー店員」
カ「なんだこのアパート!!つか、お前が荒れてるのはテッさんか?」
ト「うぅ…だって、先輩、平面でお腹いっぱいって、い"っでだっ」

カ<(モノローグ)季也がゲイだと知ったのは半年前。酔った勢いで「テッさんのこと好きなんじゃねえの?」って笑いながら聞いたら酔って赤かった顔が白くなった。隠していたつもりだったらしい。俺からしたら丸わかりだけど。こいつはかなり献身的に、でも悟られまいとテツさんのそばにいた。その結果がこれだ>

ト「ゲームの中ではショートのツンデレボーイッシュが好きだったのに…なんであんな清楚系テンプレ女子をおおおおおおおああおお」
カ「はいはい。季也、水飲むか?」
ト「…先輩の童貞は俺が奪いたかった」
カ「飲むよりまず水浴びるか?んー?」

<少し遠くからシャワーの音が聞こえる>

カ「…ん…あれ、寝て…?…季也、風呂…?…酔っ払いが入んなよ…ったく」

<脱衣所へ向かう。風呂場からはシャワーが流れ続けている>
<風呂場の扉の叩く和那>

カ「とっきや〜。生きてっかー。」
ト「っ、かず、ぇ…えぇ、和、わあ!?」

<ドタバタと中で何かが倒れる音>

カ「!?季也!!だいじょ…ぶ…」
ト「った〜…」

カ「お前…何してた?」
ト「何って…ナニかな〜?」
カ「お約束かよ!!」
ト「だって…飲んだらムラムラしちゃって…でも和那寝てるし。友達だし…襲えない」
カ「襲う気満々かい。あー…とりあえず出ろ。のぼせんぞ」

<ドライヤーの音>

ト「あのー…」
カ「(鼻歌)」
ト「和那さーん?」
カ「(少し歌声まじりの鼻歌)」
ト「かーずーなー?」
カ「うっせーよ、今俺が優しーく髪乾かしてやってんだからじっとしとけ!」
ト「優しく、て…いやちょ、風熱、強いしボサボサになる!!髪も広がっちゃうから!!」
カ「るせー!普段ぺたんこなんだからおしゃれしろおしゃれ!!」
ト「あと寝るだけなのに今おしゃれ!?」

<ドライヤーを止める>

カ「へい。後は自分で何とかしろ」
ト「う、うん…」

カ「なあ季也ー」
ト「ん?」
カ「まだテッさんの事好き?」
ト「もー和那はすぐ傷口に塩」
カ「俺はどーお?」
ト「塗る…は、い?和那?」
カ「お前いっつもてっさんに甲斐甲斐しく世話するくせに、おんなじように行動する奴がいるって気づかない?」
ト「え…え、ちょ」
カ「まーお前は気づかねえかー。だーれが好きでもねえ奴の為に自腹でアイス買ってやるかよ。しかも両手持ちで嬉しそうにかぶりつくって…ムラっとしたの我慢したの褒めろよ」
ト「え、偉いね」
カ「うん、イラッとムラっときた」
ト「ええ!?」
カ「告る前に振られた奴を慰める会なんて女でも男でもやりたかねえよ」
ト「えっと…整理させて?和那さんは、ゲイ、って事でいいの?」
カ「んーにゃ、黒人爆乳モノで抜いてる」
ト「真逆!!俺色白ヒョロ男!ジャパニーズ!!!」
カ「うっせーよ、このままおさまりきってねえお前の息子しごくぞ」
ト「そ…れは嬉しいけど、今はダメ!!!」
カ「ほーん、いつかはいいんだな?」
ト「うっ…」
カ「別に今すぐ返事聞く気ねえしとって食おうなんて思ってねえから安心しろ」
ト「うん…」
カ「あんま待たすとどうなるかわかんねえけど」
ト「…なるべく努力します」
カ「期待せずに待ってます」


<数日後のテツ先輩宅>

ト、カ「…」
カ「テッさん先輩?この部屋なんすか?」
テ「何ってそりゃあ、俺の好きなものであふれた部屋じゃないか!!!ハッハー、和那きゅん記憶喪失かにゃ〜?」
カ「気持ち悪い。くたばれ」
ト「ちょっと!…あのー、前に彼女の為に売ったって…」
テ「残念だったネェ。貸しガレージ入れてただけだよーだ!!はーーーーやっぱり俺の嫁は平面がいっちばああああん!!!はあああああんこのツンデレがたまらなあああああああいいいいいいい」
カ「…振られたか」
ト「振られたね」
テ「俺は魔法使いになるのが夢ナンデーーーーース!!でも最初は君に捧ぐうううううう」
カ「やだービニールの嫁に腰押しつけてる〜」
ト「その嫁はカウントされないと思いますよ〜?」
カ「お前テッさんに辛辣だな」
ト「なんかどうでもいいかなって。それに…」
(手をこっそり握る)
ト「(小声で)俺の嫁は、和那だし」
カ「季也…なんで俺が女役なんだよ。大人しくつっこまれてろよ」

<痴話喧嘩をする和那と季也。後ろで泣いてるテッさん。BGM(何かほんわかするやつ)とともにフェードアウト>

あとがき

いかがでしたでしょうか。
昔友人がやっていた良い声お兄さん達に自作BL作品を読んでもらうといういろいろとギリギリ(しかし読み手はノリノリ)なイベントがあり書き下ろした物です。
昨今の流行り病でイベントはできていませんが、またいつかできる事を心待ちにしています。

と届かないであろう主催の方々に想いを馳せこの文章を締めさせていただきます。

御用の際はいつでもお声掛けください。

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