親の老人ホーム探し 気に入った老人ホームに入居するためのヒント
私が経営するはる社会福祉士事務所では、老人ホーム探し、ご紹介サービスを提供しています。
昨年までは、ご自分が入る老人ホームを探してほしいというシニアからのご依頼が多かったのですが、今年は親御さんのための老人ホームを探しておられる子どもさんからのご依頼がグンと増えました。
「ここなら親を任せられる」「価格に見合う」と思える老人ホームに入居できた方がしていることはどんなことなのでしょうか。ご紹介します。
私が最近感じる 老人ホームの変化
お客様にご紹介できると思える老人ホーム
私は仕事柄、年間数十件の老人ホームを訪問します。
訪問した中で、私がお客様にご紹介できると思える老人ホームは、10~30%です。
特別厳しい目で見ているわけではないのですが、だいたいそれぐらいの割合です。
私が感じる変化
私がお客様にご紹介できると思える老人ホームに限ってですが、最近変化を感じています。
それは、「比較的リーズナブルな老人ホームの空きが減ってきている」です。
ここで言う比較的リーズナブルな老人ホームとは、入居金が0~50万円程度で、月額10万円台の、有料老人ホームやグループホームを指します。(関西圏の比較的利便性の良い場所)
月額には、介護費も含まれます。(パンフレット等に記載されている料金は、介護費を含まない場合が多いです)
2年ぐらい前までは、常に空き室が2~5室あり、入居率が80%~95%ぐらいが当たり前でした。
ですから、お客様の「急いで入居したい」という希望に、対応してもらえていました。
しかし最近は、満室の所が多くなってきました。
私がとても信頼してる大阪市内の介護付き有料老人ホームでは、現在「7人待ち」だそうです。
なぜ入居率が上がっているのか
なぜ最近は空きが減っているのか、理由を考えてみました。
要介護者が年々増加しているから
高齢化率は年々増加し、それに伴い介護が必要な高齢者も増えています。
厚生労働省によると、2023年度末の要介護(要支援)認定者数は約708万人となり、前年度に比べ約2.0%増加しています。
要介護(要支援)認定者数は、2030年まで増加すると推計が出ています。
コロナが落ち着いたから
これは、ある老人ホームの施設長さんから聞いたのですが、「コロナが心配だった時期は見学者(入居検討中の方)が少なかったが、コロナ後は見学される方が増え、空室が減った」とのことです。
コロナ禍では、ほとんどの老人ホームでは厳しい面会制限を設けていました。当時は「入居すると親と会えなくなる」と入居を躊躇していたご家族も、最近では比較的自由に面会できるようになり、入居を考えるようになったようです。
実績ができて信頼される老人ホームになってきたから
リーズナブルな料金で誠実な介護をしている老人ホームは、信頼されるようになり、地域での評判が良くなります。
宣伝や紹介業者を頼らなくても口コミで新規入居者が集まるようになると、空きの少ない老人ホームへとなっていきます。
親の老人ホーム選びのポイント
それは、
早い段階から老人ホーム選びを始めること
です。
現役世代向け「親の老人ホーム選び」講座でお伝えしているのは、「親御さんが要支援や要介護1ぐらい(軽度)の時から、少しずつ老人ホームの情報収集をしましょう」です。
多くの方の場合、親御さんの資産や収入(年金)内で、老人ホームの費用を賄おうとすると、自ずと選択肢は狭まります。その中から、さらに質の良さを求めると…選択肢は、そう多くはないと言えるでしょう。
自宅での介護に限界がきて初めて老人ホームを探し始めるご家族が多いのですが、それでは遅すぎます。
なぜなら、時間のない中で焦って選ぶと、妥協点が多くなるからです。
特に費用面で妥協してしまうと、途中で資金が尽きてしまい退去せざるを得なくなります。
仮に、「2週間以内に入居できる老人ホームを探してほしい」というご依頼をいただいた場合、条件が少ないのであれば、お探しはできます。
でも、「自宅から近いところ」「リーズナブルな料金」「佐々木が信頼している老人ホームで」などの条件が多いと、たちまち難しくなってきます。
私がご紹介できるところは、空きがない、もしくは少ないことが多いので、ご依頼をいただいた時には必ず「どれぐらい待てますか?」とお尋ねし、お答えによっては、ご依頼をお断りしています。
親御さんの老人ホームを上手に選ばれた方は「入居まで、数か月は待てる」という時間の余裕がある方が多いです。
余裕があると、数件見学ができ、比較検討もじっくりできます。私から選び方のポイントもしっかりお伝えすることも可能です。
そして何より、親御さんの意見を取り入れる時間もあります。
ほとんどの老人ホームでは、入居申し込み後、順番が回ってきた時に「まだ自宅での介護ができるので、入居しません」と言うこともできます。
まずは情報を集めて、見学し、良いと思える老人ホームを見つけたら、待機者リストに入れてもらいましょう。
秘訣は、少し早めの行動
「もしかしたら、近い将来は老人ホームかも」と頭をよぎったら、見学を始める時期だと思ってください。
おそらく早すぎるということはありません。
これは、ご自分のために老人ホームを探す場合も同じです。
少し早めにスタートし、慌てず、じっくり比較検討。
これが納得の老人ホーム選びのポイントです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
はる社会福祉士事務所 佐々木 さやか
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