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日本近代文学

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おまえ は もう 静か な 部屋 に 帰る が よい。 煥発 する 都会 の 夜々 の 燈火 を 後 に、 おまえ は もう、 郊外 の 道 を 辿る が よい。 そして …
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2022年8月の記事一覧

詩人、田中冬二を訪ねて

詩人、田中冬二を訪ねて

0、はじめのはじめに

自分が興味あって他に知らしめたいと思っている事のたいていは、実は、他の人にはまったく何らの興味もない、どうでもいいことなのだ、という社会の道理に、わたし、最近やっと気がつきました。皆におかれては、ふふふーん、と軽く飛ばし読みして下さい。

1、はじめに

鉄火場に身をやつしぼろぼろになったまま、老醜たる自分の顔を鏡に写しては牛乳瓶の底に溜まった残滓のようだと変に納得する、そ

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