桃フェスにお邪魔してきましたの記録|桃月庵白酒 30th 2Days

2月頭、ソニーさん主催の、白酒師匠の30周年記念CDの発売イベント、平日夜に頑張って2日間連日行ってまいりましたよ!
決して「30周年記念」落語会ではないのがミソ。なぜならば、すでに白酒師匠は31年目に突入されているからであります!

年度末にこういう企画を立ててくるのは大企業の作為を感じる(決算時期だからね…)と、ご自身の記念イベントにまで毒づく師匠が相変わらず最高でした。2日間限定開催なのに、タイトルには「初日・千秋楽」ってついてるのもふざけてて、楽しい。おかげさまで全通したと言えちゃうじゃないか!

感想は当日の勢いのままTwitterにあげたので、最後の段落以外はほぼ引用です。もはや楽しかったことしか記憶にない。

桃月庵白酒30周年記念2days 初日

開口一番 白酒 宗論
林家彦いち 掛け声指南
三遊亭白鳥 老人前座じじ太郎

鼎談(白鳥・彦いち・白酒)
桃月庵白酒 抜け雀

20230202
渋谷伝承ホール

トークでは彦いち師匠と白鳥師匠が「どっちが白酒と仲良いか」の茶番を繰り広げていらしたのだが、後日談のネットラジオを拝聴したら、白鳥師匠が開演前にトークの内容をきちんと打ち合わせようとしていたと聞き、改めてじわじわきました。

それにしても、Twitter の引用だけで書くと、改めて note との温度感の差に自分でびっくりしちゃうな……。まぁTwitter は主催者さんに観客の声を届ける用なのでな。騒々しいけど、ごめんだよ。

桃月庵白酒30周年記念2days 千秋楽

桃月庵ぼんぼり 道灌
桃月庵白酒 時そば
五街道雲助 辰巳の辻占
〜仲入り
トークコーナー
 - 雲助師匠・あずみさんとの鼎談
 - 師弟水入らず
林家あずみ
白酒 死神

20230203
渋谷伝承ホール

コロナ禍以前は不定期でも雲助白酒親子会があったのに、今やすっかりお見かけしなくなっていたので、久々に親子会(ただし師匠はスケ)を拝見できて、ファンとしては本当に嬉しかったです。

師弟トークでは、客席にお構いなしに、師匠への配慮だけに走る白酒師匠が最高でした。もはやお姿を見られるだけで嬉しいんだから、好きにやっちゃってください!……というファンの気持ちも、見透かされていた気がする。

2日間のまとめと、「バカみたいなこと」に愚直に向き合う人たちに、改めて思うこと

基本的にnote に書くのは落語を反芻して感じたことの記録なので、どうしても長講や人情噺のことが中心になってしまうけれど、何も考えずに笑って聴けて、ただ「楽しかったね!」で終わることのできる落語だって、もちろん大好き。

芸がどうの意味がどうのと、頭でっかちに向き合ってしまいがちだったわたしが、白酒師匠の落語に出会って、そういう鑑賞態度を丸ごと吹き飛ばされたことは、多分一生忘れないと思います。

師匠は25年や30年くらいでは普通やらないんだと仰っていましたが(全部ソニーさんのせいw)、ぜひ35周年、その先も、雲助師匠やお仲間の皆さまが顔を揃えたおめでたき場に、わたしも生きて足を運びたいものです。

* * *

この会のことを思い返していると、雲助師匠が「こんなバカみたいなこと」と仰っていたその含蓄に改めて思いを馳せてしまうのですが……。

落語の世界の住人たちが繰り広げる、毒にも薬にもならない、他愛もない日常。高座を見上げればいつでも、そういう世界に出会えることが、どれだけ観客にとっては有難いことか、と思います。

そして、そうした一見「くだらない」ことに、向き合い続ける人たちの辛苦はわたしにはとても想像できないな、とも。それは「意味のありそうなこと」に向かっていくより、よほど覚悟と信念が必要で、「くだらないこと」の真価を信じ続ける強さが必要だと思うから。
だからこそ、折れることなく、この芸の道を進み続ける人たちのことを尊敬せずにはいられないのだと、師匠の30周年に際し、改めて思うわけであります。

おしなべて芸の軽重ではないのだと感じますし、わたしもイチ観客として「くだらないこと」を信じ続けていきたいよね。

以上。終わります。

桃パネル……

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