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1ヶ月記録 2023年 8月

8/2
朝、窓越しから聞こえてくる蝉の鳴き声で起きる。つい最近まで寒いな〜と思っていた時期も、いつの間にか半袖でしかやり過ごせなくなっていて、季節の移り変わりを肌で感じている。京都の夏は暑いと聞いていたが、正直想像以上に暑い。肌を刺すのは冬の寒さだけでなく、真昼の太陽も鋭利な針のようになってズカズカ刺してきやがる。本当にやめてほしい。日焼けまっしぐらである。仕事以外に家を出なくなってしまったし、朝のゴミ出しすらも暑さのせいで億劫に感じてしまう。

8/3
京都国立近代美術館で展示されていた「ルーヴル美術館展」にも足を運んだ。ガイド音声を聞きながら作品を観るとより深いところまで知ることができ、聞かなければわからなかったであろう部分にも目を向けることができた。「愛』をテーマにしていて、男女の構図が多かった。何年経ったとしても「人々の愛の形」はあまり変わらないのだと改めて感じる。時空を超えた今でも胸をときめかせる根源は愛だ。

8/11
出町柳にある『出町座』で、「リバー、流れないでよ。」を観た。あることが発端となり、ある時間帯の「2分」がループしてしまうストーリー。2分後にはまた2分前の場所にいつの間にか戻っていて、なぜループしてしまうのか、ループの中で一体何をすればいいのか、何度も繰り返す2分の中で試行錯誤をして脱出しようとする。
それぞれのキャラクターがかなり面白くてがっつり好きになった。何より、2分まるごとノーカットで撮り切る撮影方法に感激した。メイキングでは、2分という時間をきっちりと守り、演者、スタッフが一丸となって何度もリテイクを重ねながら撮影に及ぶ。プロの現場というものは凄まじいな…と少し怖気付いた。本当に良い映画だった、みんなにも勧めたい。

8/29
9/15締切の短歌賞「笹井宏之賞」に向けて、着々と短歌が揃っている。何度も記憶の中を彷徨いながら、その時々の場面を31音に落とし込む。どうせ挑戦するなら出し惜しみなく、今持っている力全てをまとめて送り出したい。50首の言葉の子供たちの成長を見守りながら何度も推敲を重ね、育てていく。初めてのジャンルに挑戦してから、ここまでのめり込めた自分を褒めたい。
それから、短歌の練習も兼ねて、木下龍也さんの「あなたの為の短歌集」をベースに、知り合いからお題(テーマ)を1つ頂いて、そのお題に沿った短歌を送る、ということを試してみた。短歌というものは主に自分の内側から世に出すものが圧倒的に多い。人に送る・誰かの記憶から感情を汲み取って短歌にする、外部の情報を頭の中で情景化し、それから作り出す行為はかなりの労力が必要になった。その代わりに100倍楽しかった。短歌が好きだ…。ここまでのめり込めると、本当に楽しい。その中のいくつかを紹介します。

お題「子供の為に送る短歌をください」
泣いているこどもの頭を撫でるたび「手当」という言葉を好きになる

お題「20年以上一緒に居るペットのカメに送る短歌をください」
縁日で出会った君と僕のこと神さまも見る幾千の朝を

お題「沢山寝たのにまだ眠たい時のことを短歌でください」
ここちよいねむりの海に浮かんでも朝の岸辺にたどり着けない

「寝坊ばかりする友人に響きそうな短歌をください」
君だけが乗れないノアの方舟をいつまで神は待てるだろうか

最後に、大好きな漫画に「違国日記」という作品がある。
その中の好きなセリフを切り抜いて、ここに書き残しておく。

「誰のため」みたいなことを聞いてくる人の行動理念は、「ひとの為」だったりするのか?もしあなたがそうなら、これは気持ちをくじく為に言うんじゃないよ。

『誰の為に何をしたって、人の心も行動も決して動かせるものではないと思っておくといい。ほとんどの行動は実を結ばない、まして感謝も見返りもない。』

でも、そう分かっていてもなおすることが尊いんだとも思うよ。

違国日記7巻


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