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「エッセイ」鍵は知っている〜ドラマ感想〜

昨日、台風一過の後に大雨にみまわれたsanngo地方。
避難勧告が発令され、あちこちに避難所が開設された。市役所の放送は「不要不急の外出は避けて下さい」と促す。

↑しつこいようだが、私の現在の職業


あちゃー>⁠.⁠<
これで店を開ける?スナックなんて不要不急の外出のど真ん中だよ〜。
実は二人ママはサボるのが大好き(笑)

「休んじゃおうか?」
「いや、お盆休み中だし…」
「でも開けても誰も来ないかもね~」
「命懸けで私達に会いたい人なんて居る?」
「居ないよね…」

交わされるラインは『お休み』方向へどんどん傾く。
ところが避難勧告は続いているのに開店時刻前に雨はピタリと止んでしまった。
で、出した結論は

「開ける事に意義がある!オリンピック精神に基づいて、開けるか!!」

世紀の決断を下した。
オリンピック精神の使い方間違っていたら、ごめんなさい。
っか、アスリートでもないのに何故ここでオリンピック精神を持ち出すのか…

まぁ、それはどうでもいい。ここまでは長い言い訳だ、キッパリ!(言い訳だけで原稿用紙一枚分を使う女)

そろそろ本題に入ろう。
予想通りの暇さにテレビ大好きオバさんママ二人は

「科捜研の女 初回拡大スペシャル2時間」

を観る事にした。
仕事中にテレビ鑑賞が出来る!これぞ自営業の醍醐味。

※ここからは「ネタばれ」「ディスり」が、もちろん入ります。ご注意下さい。

「科捜研の女は一時間でいいんだよな~、飽きるから」
「まぁ、他に観たい物も無いし、時間潰しには丁度いいんじゃない?」
観る前からディスっている。
作品に携わった皆様、ごめんなさいm(__)m
こんな奴らです、私達。

ところが、ドラマが始まると直ぐに熱中出来るテレビ大好きママ二人。 
「内藤剛志さ、これでは捜査一課の平刑事だけど、他の番組では捜査一課長なんだよね~」
「そうそう、ほら!あのタケシ軍団のオジサンさ、捜査一課長では内藤剛志の部下で立場が反対なんだよね~」
「あぁ、『頭の片隅に入れておきます』って言う、捜し物絶対探し出すオジサンでしょ?」

と自分達のテレビドラマの知識の全てをひけらかす。(す、すみません。金田明夫様〜、お名前さえ出てこなくてm(__)m)

ドラマはインテリアショップを経営する社長宅に強盗が入るところから始まる。なかなか切迫したシーンからのスタートだ。社長は肥った強盗に押し潰され死亡。その奥様は隣家に助けを求め、間一髪で助かる。

「早く早くドアを開けてあげて〜」
「隣の家も良い家だ〜」
「ラブ偉いぞ!!あ、何故、そこでラブを止める!?飼い主!」

ラブは隣家が飼うゴールデンリトリバー。この子が偉い。犯人に噛みつき、黒い手袋を取りあげる。

「ここで科捜研の出番だな」

なんだかんだ見入る。
はい、マリコ様登場!
マリコ様の手に掛かれば、どんな微小な物からも犯人解決への証拠を掴んじゃうんだから〜!!
しかも、今回はラブが取り上げた犯人の黒い手袋がある。

「全く、この科捜研の力を持ってしても『世田谷一家殺害事件』みたいな凶悪事件解決出来ないのかしらね〜」


現実とドラマの区別さえ付かなくなるようなのめり込みよう……

ドラマは「防犯カメラ」や「ドローン」を駆使し、トントン拍子で進んでいく。
社長に飛び掛かり自分の体重で窒息死させると言う大技に出たデブ犯人は、直ぐに捕まった。犯人は二人、さぁ、あと一人だ。
ここでちょっと展開が詰まる。事情聴取の最中にデブが、もう一人の共犯者を知らないと言い出したのだ。

「あぁ、流行りツッコんで来たね、闇バイトってヤツか」
「ドラマも流行りに乗らないとね」
「うんうん」

ん?つう事は、犯人はあと一人じゃない。その陰にコイツらを雇った真犯人が居る。

あ、思った通り、何とせっかくドローンで突き止めたもう一人の細っぴ犯人は、9時に敢え無く爆死!
早いぞ、展開。後の一時間をどう引っ張るんだ?!
うむ、ここからが真犯人追求か。

んで、リンだとかスズだとか科学物質出て来たり、科捜研捜査の定番「ゲソ痕」探したり、シン•ドローン飛ばしてみたり、防犯カメラ調査したり、なんだかんだで9時30分!

「これさ、あの石原軍団に居た刑事が犯人じゃない?」
「あぁ、むっか〜し第二の裕次郎発掘コンテストとかで優勝したとか言う人だっけ?」
「お母さん(市毛良枝)が詐欺に騙されたから復讐ってやつ?」
「そそ!」

描写に見事に引っ掛かるママ二人。
我々もプロのテレビウォッチャーとして、まだまだだな。
そして、9時40分!
マリコ様の回想シーンに入り、いよいよ事件解決が近付く。

「ねぇ、これ、東のパクリじゃない?」
「うん『刑事七人』入ってるよね~」

何処まで刑事ドラマ好きなんだ!!てか、自分達の推理が外れた事をものともしない。いや、その前に客が来ない事を反省してみろ。

さぁ、最後。
遂にマリコ様、内藤剛志、石原軍団刑事と犯人対決だ!!
なんと犯人は隣家のご主人、ラブの飼い主だった。
それにしても2時間スペシャルなのに知らない俳優さんで、しかも地味だ。
「相棒」なら、もっと大物俳優を犯人に…

事情聴取の最中に
「隣の家の鍵はどうしたんだ?」
詰め寄る刑事、あっさり答える犯人。
「型と番号を覚えて、作りました」

「えーーーっ!!」


女刑事と化した私が叫ぶ。
「これ、間違ってるわ」
「何?!どうした?」
「電子キーが型と番号だけ覚えて作ってもらえるなんて、あり得ない!!」

私は管理会社から「作り直せないから絶対に失くさないで下さいね」と何度も念を押されたくせに酔っ払って失くした自分のアパートの鍵の事を思い出していた。(その節は、お世話になりましたモノタロウ)

「絶対作ってもらえないよ!だって私、ドアに鍵取り付け直したもん!」
「そうだったよね~、あの時は大変だったもんね」(そこは深く思い出さなくてよし!)
「この最新式の豪邸で普通のガッチャンコ鍵ってあり得る?」
「ないない(ヾノ・∀・`)ナイナイ」
「それにさ、豪邸にSECOMのシールの一つも貼ってないのが、そもそも不自然!!」
「だよね~?」
「脚本家もさ、ちゃんと電子キー失くしてから書いて欲しいわ!」

まんまと脚本家の手腕、描写にハマって犯人間違えたくせに鬼の首を取ったかの勢いの私達、強い!

勝ち誇った私達は「お茶引き」だった事を棚の一番上に押し上げ、そそくさと帰り支度を始めたのだった。



ありがとう、科捜研の女!!







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