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「日記」抱かれて眠れ

久しぶりに父から電話があった。
以前、記事でも書いたが私のことを

「世界で一番愛していても抱けないのが娘だ」

と、のたまわった男だ(笑)

さんざん「女」で私に苦労させた父も八十を超え、そろそろおとなしくなって欲しいと願っているが、ヤツの最期の夢は未だに「もうひと花咲かせたい」だ(苦笑)(もちろん女性関係だ)
恋多き男と恋多き女の元に生まれたのに、何故か奴らが「反面教師」となり、娘は連れ合いを亡くしてから五年間も独り身で居る(私のことだ)

実母は
「あんた、新しい男作れないの?」
と言うし、父は
「まだまだイケると思うよ」
と能天気ぶりをハッキリしてくれる(笑)

悪かったな、モテなくて(苦笑)

父の話しは別に用もなく
「元気にしてるか?」
という陣中見舞のような電話。
「風邪引いちゃってさ、変な声でしょ?ゴホゴホッ」
咳き込み掠れた声の私に
「全然、いつも通りのいい声だよ〜」
と平静を装う父。
「そう?ゴホゴホッ」
「大丈夫、元気そうな声だから」
あくまでも無視する父は、ボケちゃいない(笑)
「いや〜、久しぶりにsanngoの元気な声聞けて、僕も元気になったな~」
これが、こいつの卑怯なところだ(笑)
なんだか話しているうちに自分は元気なんだと錯覚に陥ってくる。

「じゃ、またな」


ちょ、ちょ、ちょっと!終わりかい?
私、風邪引いてるんですけど?
『大丈夫?』
とかないのか?

ああ、父の真似は一生掛かっても出来ないな。
たった二言三言で女を元気にさせちゃう。
本当は心配してるの、知ってるよ。
でも絶対、私から助けを求めるまで知らないふりをする(笑)本当は誰よりも優しいくせに。

だけど丁度、私が弱ってるいいタイミングで電話もらえて嬉しかったな。
八十超えてもデニムを穿きこなして、絶対「おじいさん」に見えない父は私の自慢だ。
長生きしなくていいから(いや充分長生きだろ)
かっこいいまま人生を全うしてね。
やっぱり大好き!お父さん。
白状すると私は、かなりのファザコンである(笑)


幼い頃、冬になると寒がりの私は父に抱かれて、父の両足の間に私の小さな足を挟んでもらって寝ていた。
「パパ大好き」
あのまま時が止まっていたら良かったのに…

ううん、

明日は元気になってるよ、お父さん。




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