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算命学余話 #G81 「五行と健康」/バックナンバー

 日本語には身体を使った表現が豊富にあります。「腹が立つ」や「足を洗う」、「腸(はらわた)が煮えくり返る」や「目に余る」など、感情表現から婉曲表現までさまざまです。このうち内臓に関わるものを医学的見地から考察した吉野敏明医師の見解が興味深いので、少し引用してみます。

――人は歯を食いしばると脳から鎮痛幸福ホルモンが出るが、これはほとんどモルヒネと同じ作用を起こす。つまり人が歯を食いしばるのは肉体的・精神的ストレスがある時であって、そのストレスを軽減しようとして歯を食いしばっている。現代人は「右にずらして歯を食いしばる」人が多い。それは現代社会がオートマチックになって肉体的作業(体の左側が得意)によるストレスが減り、相対的にメンタルなストレスが増えたからだ。左右不均等に歯を食いしばると顎を支える骨が歪み、その中の脳下垂体が変形し、甲状腺刺激ホルモンが出なくなって病気や頭痛になる。つまりストレスの種類によって顎の痛みの種類も違う。これが東洋医学の考え方である。しかし西洋医学は、ただCTやMRIをとって顎に効く薬を出すだけである。これでは病気の根本的な治療にはならない。――

――東洋医学では、例えば胃は怒りの感情とつながっている。人は怒りを感じると「胃がムカつく」し、胃が立ち上がるので「腹が立つ」。心臓は倫理観や道徳観と結びついているので、「胸が痛む」や「胸に手を当てて考えろ」などの道徳的な表現が多い。
 鬱は甘い物を食べるとなる病気だ。甘い物を摂取すると腸内細菌が減少してドーパミンが出なくなる。それで鬱になる。現代人は甘い物を食べすぎるので鬱が増えた。
 小腸は恐怖や驚愕を覚えると暴れ出す。過敏性腸症候群は、職場でパワハラなどの恐怖を与えられた人がよく起こす。生物は外敵に襲われた時に少しでも体重を軽くして逃げようとする本能があり、小腸が動いて便意を促すことで身を軽くするのは自然な反応だ。つまり、過敏性腸症候群の人の症状を抑えるのに必要なのは、下痢を抑える薬を処方することではなく、恐怖を取り除くことである。ついでに、この恐怖という感情も甘い物によって増幅される。従って、カウンセリングをしても意味がない。カウンセリングで内緒話をしたら治ったという例はない。――

――胃がんは、胃が関係する感情である怒りがまずある。怒りが胃の血管のめぐりを悪くし、そこへ食品添加物まみれの食べ物ばかり入れることで添加物が溜まって、胃がんになる。小腸ガンは恐怖が原因である。肺は悲しみに関わる臓器だ。身体の右側は女性性に関わる部分なので、右肺だけがガンになるということは、女性に関わる悲しみが原因にあるということだ。患者さんから直近15年ほどの生活状況を遡って問診するとこうした原因が出てくるので、この経験を積むと病原を占い師のように言い当てることができるようになる。こうして病気を治すのが東洋医学である。西洋医学は怪我の治療には有効だが、感情による体の変調の原因を考えることはしないし、症状を和らげる薬を処方するだけで、病気の根本原因を探ろうとはしない。――

 私は昔から医者が嫌いなのですが、それは治らなくても診察しただけで医者がお金を取るからです。患者に対する態度が上から目線の医者に多く遭遇したこともあって、要するに医者の人間性と実力を評価できなくて病院に行きたくない。不愉快な奴と時間に金を払いたくなくて行きたくないのです。勿論、ちゃんと治してくれた医者もいて、そういう医者には喜んで治療費を払いますが、どうして今の制度では治らなくてもカネを取られる仕組みなのか、国民は皆これで納得しているのか、ずっと疑問に思ってきました。上述のように考える医師が参院選に出馬すると聞き、医療事情に関する未来に光明を感じました。是非とも「医者は患者を治せたら金を受け取る」制度を作ってほしいものです。

 さて今回の余話は、五行と健康についてです。五行のうち、健康と寿命に関わるのは火性ですが、だからといって他の五行が全く健康に関わらないわけではありません。算命学の五行説は、世界のあらゆる事象を五つに分けて五行に振り分けていますが、内臓や体の部位も同じく五行に振り分けられます。そして、それぞれの調子が良かったり悪かったりすることによって、相応の病状が現れると考えています。今回はそうした健康にまつわる五行にについて考えてみます。

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