算命学余話 #R103 「天恍星を基礎から考える」/バックナンバー
最近、史上初の視覚化されたブラックホールの画像が公開されて話題になりました。視覚化されたというのは、ブラックホールが光さえ呑み込んでしまう性質を持つために、そもそも視覚で捉えることの出来ない対象であるのを、電波データ等を解析することでその形態や熱量を推量して目に見える形に画像化したということです。
その画像は暗黒の宇宙に浮かんだオレンジ色のドーナツ型で、ドーナツ穴の暗黒がブラックホールの本体中心、オレンジのドーナツ部分がブラックホールの重力によって引き寄せられている光や熱ということです。視覚化されても我々の目に見えるのは周辺の副産物ともいうべき光や熱であり、肝心のブラックホール本体を見ることは結局叶わないわけです。
このことは非常に示唆的で、宇宙を投影している算命学においても、人々の耳目や行動の動機を集める引力の中心には、よく判らないものが往々にして存在し、作用しているものだと考えています。そしてそんな風によく判らない、よく見えないものだから、その周辺に見える、輝くドーナツ部分を引力の中心だと錯覚してしまうのです。錯覚は錯覚であり、間違いであるので、人間は往々にして間違った認識のまま引力に引き寄せられてしまう。自分が本当は何によって動かされているのか、判らないまま行動してしまう。そのように算命学は見做しております。
ところでもう一つブラックホールについて判ったことがあります。以前の説では、ブラックホールは光さえも吸収するほどの巨大な引力天体で、その中に落ち込んだ光や物質は二度と出て来れないし、或いは時空を歪めてそこから別の次元に送り出されているのかもしれないといった想像が語られていました。この想像が間違いであるかどうかはまだ判明しておりませんが、判明しているのは、ブラックホールは光や物質を吸収するだけでなく、放出もしているということです。
ブラックホールがあまりに巨大な場合、引き寄せられる光や物質が多すぎて飽和状態になり、パンクして周囲にまき散らされるからです。この放出現象をジェットと呼び、ブラックホールの中心から上下へ筒状に噴き出していることが、どうやら判ってきました。
この説も、以前の説に比べて算命学的に辻褄が合います。算命学の陰陽五行説では、宇宙にあるものがどこかへ消えるとか無くなるということは、理論的にあり得ません。姿を変えることはあっても、或いは見えなくなることはあっても、存在そのものが消えるということはなく、どこかに必ずあるはずなのです。
「ブラックホールに落ち込んだ物質が別の次元に」という説は陰陽論からあり得るかもしれませんが、「落ち込んだまま二度と出て来れずにそこに留まる」というのは、算命学の気流論に合いませんし、「ブラックホールが一方的に吸収するだけで放出しない」という考えにも同意しかねます。しかし今後は「ブラックホールも放出している」説が通説として定着しそうですから、算命学の視点からはこの説の整合性に満足するところです。
ブラックホールの話はこのくらいにして、今回の余話のテーマは十二大従星を基礎から考えるシリーズです。天恍星を取り上げます。天恍星は少年の星であり、年齢的には中高生に当たります。大人でもなく子供でもない。しかし本人は自分が大人だと思っている、そういう年齢です。性的な関心も高まる時期であり、肉体が成熟に向かう一方で精神はまだ幼く脆弱です。そういう星を宿命に抱えたり、或いは後天運で巡って来た場合、大の大人はどういう行動を示すのか、基礎に立ち戻って考えてみます。
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