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算命学余話マガジン #R81~R90

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中国古代占星術、算命学を学ぶ人のための一考察として執筆中の短編読本です。算命学の基礎は学習済みだけれどもその先を知りたい、という中級者・上級者を対象に綴っています。技術的な話が半…
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#算命学

算命学余話 #R90「宿命が及ぼす力」/バックナンバー

 第二次大戦におけるユダヤ人大量虐殺を指揮したとするアイヒマンを裁く裁判を傍聴したハンナ・アーレントは、アイヒマンは多くのユダヤ人が期待したような邪悪な魂を持った悪魔的人間なのではなく、どこにでもいるようなごく平凡な役人にすぎず、ただ上からの命令に従っただけで罪の意識さえなかったことを看破しました。そしてその悪の根源が人間の「思考停止」にあるとし、自分が何をやっているのか、正しいことなのかそうでないのかを考えることさえしないで、ただ機械のように事務処理をこなしていく習慣が、人

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算命学余話 #R86「過干渉の時代」/バックナンバー

 友人の医師からこんな医療現場の話を聞きました。不眠症に苦しむある患者さんが、睡眠薬の処方を求めて診察にやって来た。しかし今日では睡眠薬は認知症の原因の一つになっていることが判っており、医者としては勧められない。そう伝えると患者さんは、「アタマおかしくなってもいいから私は眠りたいんです!」と訴えて、容易に引き下がらなかったというのです。  実に切実な心の叫びです。この人にとっては将来の認知症より、眼前の不眠症の方が忌まわしい事態だったのです。目先の利益を優先している、と笑うわ

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算命学余話 #R83「守護神#11 丙×秋」/バックナンバー

 このところ算命学余話の内容が怖い、という感想を頂きました。死にまつわる内容が続いたのでそういう印象を持たれたのかもしれません。しかし算命学の理論は、もとより個人的な運勢判断より家系論をめぐって発達してきたため、一個人が死んで終わりという単発な話ではなく、家系という流れの中でいかに個人が翻弄され、或いは先祖から恩恵なり罪科なりを背負わされて生きるかという点に着目しています。  しかし現代人は、そんな先祖の所業などまるで気にせず、気楽に一度限りの自分の一生をそれなりに楽しんで生

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算命学余話 #R82「一家の終焉を考える」/バックナンバー

 高齢者を狙うオレオレ詐欺の標的は、勿論金持ちの老人です。高齢者だからといって貧乏人を狙っても得るものがない。一方、同じ金持ちでもまだ若い標的だと、防犯意識も反撃意欲も高いから成功率に不安が出てくる。それなりに金持ちで、且つ詐欺に遭ってもしばらく気付かないくらいボンヤリした老人が、ターゲットとして最適なのです。まあ同じくらいボンヤリしているのなら、老人でなくとも標的になるでしょう。  算命学は陰陽五行を基盤に相生・相剋の力学で物事を判断するので、お年寄りが詐欺に遭ってかわいそ

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算命学余話 #R81「妻の後を追うケース」/バックナンバー

 恋愛相談お断りの当鑑定では、結婚を前提にした相性判断や良縁判断、既婚者の浮気相談や離婚相談には応じています。前回の余話#R80では浮気や離婚と無縁ではない星の一例に触れましたが、この種のごたごたを起こしやすい命式というのは他にもいろいろあります。しかし毎度繰り返しますが、こういう命式だから必ず浮気するとか離婚するとかいう決まりはありません。あくまで因子として持っているというだけの話であり、実際に浮気や離婚に結実するには、その人の実生活での生き方や価値観による日々の積み重ねが

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